現場Plus の導入&普及を機に新たな現場ルールを全員に徹底。現場効率化を強力に推進していく
カメヤグローバルは半世紀余の歴史を持つ地域密着型の住宅会社である。累計供給棟数は3200 棟を超え、長年蓄積した技術とノウハウを活かして作る快適・高性能な注文住宅の品質の高さには定評がある。そんな同社では現場DX 化を推進しており、その一環として現場Plus を導入した。現在の活用状況について、社長の髙橋氏と設計・工事部の兵頭氏に伺った。
注文住宅を中心とする多彩な展開
──貴社の住宅作りの特徴をご紹介ください
髙橋氏●創業して52年、ずっと注文住宅をメインにやってきました。その集大成として、身体に優しい自然素材を使い、地震に強く省エネに配慮した高気密・高断熱の快適住宅を提案しています。注文住宅ならではのお客様個々のこだわりも確実に実現しますよ。
──近年は多彩な分野にご挑戦と聞きます
髙橋氏●ええ。戸建のリフォームは事業の大きな柱の一つで豊富なノウハウを蓄積しています。根本的に間取りを変える大規模リフォームや2階建を1階建にする減築等も行っています。また、注文住宅から派生した店舗事業部も拡大中で、医師のお客様の独立時にクリニックを作ったり、飲食チェーン勤務の方の独立開業でカフェを建てたり……。さらにタイヤが付いた建物づくりのトレーラーハウス事業等々……建物のことならどんなニーズにもお応えできる体制作りを目指しています。
──すると協力業者も非常に多くなりますね
髙橋氏●実はお願いしている業者さんは同じ所が多いんです。何しろ50年もやっている会社なので2代に渡り取引が続いているような取引先も多く、これら協力業者との関係は非常に良好です。しかし、現場ではこのことが逆に問題になる場合もあって……これが今回の現場Plus導入背景の一つとなりました。
将来も安心して使い続けたいから
──協力業者との関係の良さが?
髙橋氏●当社の新築年間供給棟数は30棟余で、これを二人の現場監督で回しています。この数になると、ある程度協力業者に任せなければ回しきれません。幸い業者との関係は良好なので任せられますが、随時足を運んで確認する必要があり、現場が増えるにつれその手間はどんどん増えます。たとえば業者に現地の地図を作って送る。プラン変更の度に最新の図面を送る。それもメールやFAXなど、相手に合わせて送るのです。こうなってくると、DX化等によりさらに効率的な仕組みを考えるしかありません。そこで現場管理ソフトの導入を決めました。ただ、その時は現場Plusではなく別のソフトを検討していたんです。
──それが逆転して現場Plusに?
髙橋氏●ええ。紹介された他社製品を検討してその一つに決まりかけていたのですが、充分活用するためにも協力会社を含めた体制づくりが重要と考え、一年ほど準備期間を設けたんです。その間に「現場Plus」を知り、3カ月ほど前に導入しました。当社としては良いソフトだからこそ長く使いたいわけで。将来的にも安定してサポートが受けられる、大手メーカーの製品を導入したかったのです。
現場Plus導入に合わせ現場ルールを徹底
──実際の導入はどのように進めましたか
髙橋氏●現場Plusは多くの機能があるので、まず社内で「これを実現したい!」というポイントを上げて挑戦していくことにしました。一つ目は図面の共有。その現場の最終形の図面を、協力業者も含めた関係者全員がきっちり共有するのは重要な課題です。しかし、実際には業者が忘れてきたり、古い図面を持ってきたりでトラブル原因にもなっていました。
──そこで現場Plusを使うことにした、と
髙橋氏●ええ。現場スタート前に最終図面をアップすれば、いちいち送らなくてもいつでも手に入るわけです。結果、現場が始まると同時にスタッフは同じ図面を見て間違いの無い打ち合わせができる。当たり前のことですが、これが徹底できるというのは、非常に重要なことだと思いますね。そして二番目は工程表です。お恥ずかしい話ですが、外注業者とも仲が良過ぎるせいもあって以前は「阿吽の呼吸」で進めてしまう現場もありました。
──それは困りますね
髙橋氏●きっちり工程を組んで進めることが疎かになりかねず、現場で困っている部分もあったと思います。そこで「現場Plusで工程表を作る」ことを決めて、工事開始前にきっちり工程表を組むことをルール化しました。いずれも「本来やるべきこと」なのですが、ウチの現場はその点が少々怪しくて。現場Plus導入をきっかけにこれらをルール化し全員に徹底することで、現場のいろいろな手間が省けるのは間違いありません。現場効率化も大いに進んでいくだろうと期待しています。
使えば分かる現場Plusの便利さ
──導入後3カ月、現状はいかがですか
兵頭氏●まず社内はもちろん、工事に携わる業者さんは全て説明会を開いておいでいただき、操作法や活用法、注意事項等を身に付けてもらいました。不明な点は電話やメールで問い合わせてもらうのですが、皆さん徐々に使えるようになりましたね。で、実際に使いだすと、やはり誰もが「便利だ!」と気づくようで……順調に普及しつつあると感じます。
──社長によれば図面の共有と工程表が一番の狙いだったそうですが
兵頭氏●はい。まず図面は非常に便利に使っています。私たちは通常一人で10現場前後を見るので、図面を持ち歩くだけで大変ですが、今はタブレット一枚で足りるので楽になりました。他の現場にいる時など、その現場の図面を持っていなくてもタブレットやスマホで即座に最新の図面を開き、現場の業者とやりとりでき、図面を取りに戻るような無駄も無くなりました。また、工程表も同様です。工程は天候やお客様都合で日程変更も珍しくなく、以前はその変更を皆に徹底しきれずに失敗もありました。しかし、今は都度工程表に変更を加えることで漏れもなく、遅れもないので非常に安心です。工程の無理無駄が無くなったのは確かで、工期短縮にも繋がっている実感がありますね。一方、予想外に好評だったのが、現場の地図とナビの連動です。
──地図とナビが好評なのですか
兵頭氏●ええ。新現場へ協力業者に来てもらう時、現場Plusに住所を入力しておけば自動的にナビに変換されるんです。業者は運転席にスマホを置きボタンを押せばナビされるので、「迷わず行ける」とすごく喜ばれます。
──今後試したい機能はありますか?
兵頭氏●次のステップは写真機能の活用です。工程ごとに重要なポイントとなる箇所を撮ってアップしてもらえば、私たちもすぐチェックでき、間違いがあれば即座に対処できます。きっと有効活用できると思いますよ。
取材:2021年9月