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株式会社あすなろ建築工房

現場情報共有クラウドを全社&協力会社へ普及し
設計と現場間の迅速かつ質の高い情報共有を実現!
施主・設計者・施工者が三位一体の家造りを目指す

神奈川県横浜市のあすなろ建築工房は、自然素材を用いた手作り感覚あふれる家造りを行う「設計事務所+工務店」。創業社長の関尾英隆氏は設計事務所への勤務経験を持つ一級建築士だけに、設計者のセンスと知識に工務店の技術と技能を融合した、新スタイルの工務店として知られています。施主・設計者・施工者が三位一体となった家造りを目指す同社では、近年ダイテックの「現場情報共有クラウド(現在「現場Plus」に名称変更)」を導入。本社と各現場のコミュニケーションを強化し、大きな成果を上げています。その導入経緯と活用法について、関尾社長と現場監督の飯沼裕司氏、社員大工の小野田俊明氏に伺います。

現場監督の独立を契機に現場情報共有クラウドを導入

御社の家づくりの特徴は?

関尾

私自身が設計事務所出身の設計者だったこともあって、特に企画・設計に力を入れており、施主の立場に立ったきめ細かな設計には自信があります。もちろん、それだけではなく、施工品質にも力を注いでおり、自社大工を育成し、丁寧な木の家づくりを行なっています。従業員は11名で年間供給棟数は新築が8~9棟、それに大規模なリフォームが1件というところです。

現場情報共有クラウドの導入背景と狙いをご紹介ください

関尾

導入の直接のきっかけは現場の人手不足です。長く勤めてくれた現場監督…… 1人で4~5件の現場を見ることが出来る経験豊富な監督が独立することになりました。そこで、それまで設計担当だった女性スタッフ達に急きょ現場も見てもらうことにしたんです。ところが、最初は不慣れでなかなか上手く進められなくて、何か現場と事務所を結んで質の高いコミュニケーションを実現できるツールが必要になったのです。

類似製品を比較したりもされましたか

関尾

同タイプの製品が複数あったので、それらも試し、比較検討しました。最終的に「現場情報共有クラウド(以下 現場クラウド)」を選んだのは、機能面の充実はもちろん、開発元のダイテックのカスタマイズ対応への姿勢が大きかったです。実は別のダイテック製品も使っており、その導入時に要望を伝え、対応してもらいました。だから、今回も必ず対応いただけるであろうという期待もあって選びました。

社内や協力業者への普及にご苦労はありませんでしたか

関尾

早い時期の導入だったのでスマホに慣れてない職人も多く、当初は「アプリなんて使ったことがない」という職人さんがほとんどでした。そこで、協力業者全社に「これを導入します!」と宣言。安全大会の時「スマホ持参で必ず来てください!」と言って説明会を開き、実務での運用を押し進めました。最初は「スマホは……」という年配の方もいらっしゃいましたが、なんとか頑張ってくださいとお願いして……。現在は皆さん、スマホで現場クラウドを使っていますよ。

全現場でフル稼働するまでどれくらいかかりましたか

関尾

最初の半年程は掲示板に情報を上げても見てくれない方も多く、現場によってはきちんと更新しない監督もいました。それでも使い続けていると成果が現れてきて、その効果の程を導入1年後の安全大会で伝えたんです。そこで皆も「便利に使えるんだ」「本当に効果があるんだ」と感じてくれて、そこから一気に活用が広まった感じです。今はもう、これが当たり前になっていますね。

あすなろ建築工房の現場はタブレットPC必携

現場クラウドの活用法と効果

実際の現場クラウドの活用方法と効果をご紹介ください

関尾

現場クラウドにはいろいろな機能がありますが、私たち本社側で一番活用しているのは「掲示板」と「トーク」の機能だと思います。主に各現場の職人さん、大工さんへそれぞれの現場に関する情報を早く正確に伝えることが主な活用方法です。他には「工程表」もよく使っています。これで工程管理も常に最新情報に基づいて行えるようになりました。これらの利用法の普及につれ、日常業務のさまざまな面で効率化が進みつつあることを実感しています。

導入後、社内に変化が現われましたか

関尾

例えば現場を担当している設計者が現場へ行く回数がぐっと減りましたね。現場クラウドにより、逆に現場と密に連絡が取れるようになったため、実際に連絡現場へ足を運んで大工や職人と打合せする回数も少なくなっているようです。おかげで設計そのものに集中できる環境になってきたと感じています。また、以前は現場への連絡でファックスを一斉送付する機会が頻繁にあり、しばしば「送った」「見てない」というトラブルが発生していましたが、これも現場クラウドの導入により激減しました。何しろ確実に掲示板にロ
グが残っているし、「既読」「未読」も容易にチェックできますからね。当然、電話やファックスの使用も確実に減っています。

掲示板機能 既読未読が一目で確認可能(画像と機能説明は、ダイテック提供)

現場の変化はいかがでしょう

関尾

そうですね。現場にはいろんな大工や職人が入りますが、たいていの人は「あの人、現場でよく見かけるけど、何屋さんだろう?」くらいにしか思わないものです。しかし、今は現場クラウド上で他の職人さんの顔と名前が確認できるので、「そうか、あの人は電気屋さんなんだ!」「左官屋さんだったんだ!」と分かって、実際に現場で声をかけるようになるんだとか。現場クラウドで顔を覚えると「他人の気がしない」らしくて……たとえば慰安旅行や忘年会等々、協力会社も参加いただける各種イベントへの参加率も急増しましたね(笑)。現場のコミュニケーションが向上しているのは間違いないでしょう。

現場側の感想としてはいかがでしょう?

小野田

私たち社員大工も現場に入る時はiPad必携ですね。私たちの場合、現場クラウドの用途は単なる連絡や告知だけではないわけで……特に現場監督から図面や写真が送られてくるので、必ずiPadで確認するようにしています。以前は紙の図面を持ち歩いてましたが、現場クラウド経由ならかさばらないし、見る時もズームで拡大したりできるので、図面も詳細まで落とし込みやすいんです。写真については、たとえば配線で「ビスを打ってはいけない」位置を確認したい時や、仕上がりについて現場監督に質問したい時に1枚撮って送る
などしています。目で見て確認できるのでミスは減りますね。それから、工程管理についていえば、「どの現場にどの業者さんがきているか」すぐ分かるのは、大工にとっても大きなメリットだと思いますね。

あすなろ建築工房 社員大工 小野田俊明 氏

現場監督さんはどうですか?

飯沼

私も良く使うのはトークと工程表ですね。特に現場クラウドのトークはグループ分けして使えるので、「伝えたい人」のグループを作っておいて、そこへ写真なり図面なりアップしてコメントを入れて……というやりとりが簡単にできるので非常に便利で、よく使っています。一方、工程表については、昔はExcel等で作って各事業者にファックスしており、しばしば送り漏れも発生していました。しかし、現場クラウドなら工程表が更新される度に関係者には確実に通知され、送り漏れはありません。さらに同じものを掲示板に貼付けておくこともできるので、相手が登録さえしていれば見逃されることはまずなくなりましたね。

あすなろ建築工房 現場管理担当 飯沼裕司 氏

積極的な情報公開&情報収集でより強くなる

関尾

業界は今後ますます厳しさを増していきますが、私たちは、より良い住宅を無駄なく迅速に提供していくしかありません。それには工務店も互いに協力しあい情報交換しあって、より強くなっていく必要があるでしょう。幸い私は工務店仲間が多いので、積極的に情報公開&情報収集しながら一緒に強くなっていきたいと考えています。

具体的な取組みとして計画している取組みはありますか

関尾

働き方改革ですね。この業界もいつまでもブラックやグレーなままだったら、みんな辞めてしまいます。できることからホワイトを目指そうと、まずは週休2日制を導入しました。無論その他の改善にも他社に先駆けて取り組みます。そのためにも現場クラウド等のツールの活用は重要ですね。たとえば自宅からでも職人さんと連絡が取れるわけで……さらに活用を拡げていきたいですね。

※役職等は取材時(2020年2月)のものです。
※2020年11月:「現場情報共有クラウド」を刷新し「現場Plus」をリリースしました。

関尾 英隆代表取締役

飯沼 裕司現場管理担当

小野田 俊明社員大工

株式会社あすなろ建築工房

代表者
代表取締役 関尾英隆
所在地
神奈川県横浜市
設立
2009年10月
従業員数
11名
事業内容
建築一式工事、建築設計及び管理業務ほか

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