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有限会社 建築工房やました屋

諦めていた積算連動をマスタ無しで実現

福岡県飯塚市に本社を置く、建築工房やました屋は、木の良さを知り尽くした家造りで支持を集める工務店。しかし少数精鋭による丁寧な仕事が得意な反面、見積りの作成に時間がかかりすぎるのが弱点でした。そこで同社の専務である山下氏に、開発途中の「ARCHITREND Z」の「手間なし積算」をご覧に入れ、評価していただきました。

見積り提出の遅さが最大の弱点

現在の一番の経営課題はなんですか?

山下

適正利益の確保ですね。会社を存続するために最低限必要な利益を確保すること。もちろんお客様に嘘はつけませんから、見積りも明確な根拠を持った数字をお見せすることがとても重要です。まぁ当り前のことなんですが、競争がこうも厳しくなるとこれもなかなか容易ではありません。

どのあたりが難しいのですか?

山下

実は正確な積算を行なうため、他社より見積りに時間がかかるのが当社の弱点なんです。在来軸組から2×4まで、要望に応えて作る注文住宅なので一軒として同じ家はなく、毎回拾い直して積算する必要があります。専任スタッフがいないせいもあって、どうしても時間がかかるのです。

積算が遅いのは問題ですか?

山下

大問題ですよ。昨今はたとえご紹介いただいた仕事でも合見積りになるのが普通です。するとハウスメーカーさんなどあっという間に出してきますから、遅れて提出した当社はまるで怠けていたみたいに思われかねません。いくら正確でも他社より遅かったら意味が無い。といったら言いすぎでしょうが、そんな感じなんです。

自動積算は試さなかったのですか?

山下

いろいろ挑戦しましたが、どれも実務には……実は「ARCHITREND 21」の積算連動も挑戦したことがあります。自分でマスタ構築をしようと他の仕事は放りだして1カ月ほど取り組みましたが、思い通りの結果が出ずに挫折したんです。

積算の「こうなってほしい」が全て実現

「手間なし積算」はいかがですか?

山下

もう、すぐにも欲しいと思いました(笑)。積算に関して「こうなればいいのに」と思っていたことがほとんど実現されているんですよ。まずマスタで統一構築なしでワンボタンで素早く拾えること。そして100%自動でなく自動は8割ほどで、後は手入力で調整できるところもいいですね。

10割できる方が楽なのでは?

算出の計算式など各社独自の部分がありますし、案件ごとに調整するところもあるので、この方が実務では断然使いやすいんです。またどこを拾ったかビジュアルに見られるのも画期的だし、部屋ごとに積算できるのも素晴らしい。変更や修正の時、非常に便利ですよ。実によく我々の仕事を研究して開発しているという印象です。

御社の業務に活用できそうですか?

山下

ばっちりはまりますね。ともかく当社のような注文住宅をやっているところの積算を、飛躍的にスピードアップしてくれるのは確実です。特に当社の場合、私が営業も設計も積算もするので、私自身の仕事がすごく効率化できそうで嬉しいです。早めに家に帰る余裕ができるのかな、と(笑)。

手間なし積算はどんなユーザ方に向いているでしょう?

山下

特に少人数でたくさん棟数をこなしたい人に最適だと思いますが、使い方しだいで幅広く応用できるんじゃないかな。例えばちょっと建築の知識があれば、テンプレートを巧みに使って営業スタッフでも使えそうな気がするんです。お客様のいちばんそばにいる営業スタッフが、これをフルに活用したらきっと凄い威力を発揮しますよ。

新たな活用アイデアはありますか?

山下

まだ思いつきですが、お客さんの目の前で積算するというのはどうでしょう。ノートPCに「ARCHITREND Z」を入れて施主のところに行って、その場でプランを書き概算見積りを出せれば、究極のスピード提案です。セキュリティ面など課題はありますが、ぜひ挑戦してみたいですね。

※2005年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

山下 平専務取締役

有限会社 建築工房やました屋

建築工房やました屋は、主に築豊地区を中心に展開する地域密着型の工務店。棟梁として豊富なキャリアを持つ社長が在来軸組を、息子の山下専務が2×4を手がけ、丁寧な仕事で地域の信頼を得ています。

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