Withコロナ時代をいかに生き残り、勝ち残るか。
初のオンライン配信〈A-Styleフォーラ厶 2020〉開催!
2020年6月16日、弊社ではYouTube LIVE配信による〈A-Styleフォーラ厶 2020〉を開催いたしました。新型コロナウィルス流行により当初は開催も危ぶまれましたが、いま最もタイムリーかつ注目度も高い〈新型コロナウイルスで露呈した工務店のリスク対策〉をテーマに、弁護士 秋野卓生氏、あすなろ建築工房の関尾英隆氏、柴木材店の柴修一郎氏を講師に招聘。万全の対策を取った上で、初のオンラインセミナーを実施させていただきました。ここでは東京・MONSTER STUDIO乃木坂で行われた、LIVE配信当日の模様をお伝えします。
製品最新情報をご案内
13時30分ちょうど、司会の弊社営業推進部 市原が開会を宣言。今回のセミナー趣旨と、2つの製品「現場情報共有クラウド」と「ARCHITREND ZERO Ver.7」をご紹介しました。「現場情報共有クラウド」は施工現場に最適なコミュニケーションツールとして工務店を中心に話題の製品です。6月24日リリースの最新版「ARCHITREND ZERO Ver.7」はVOC/お客様の声(Voice of the Customer)をもとに基本性能を見直し生産性を向上、モバイル端末やWeb・SNS とのシームレス連携で、ユーザー様の業務効率化ならびに使⽤満⾜度の向上を図っています。またニューリリースのiPad専用間取り作成アプリ「まどりっち」についてもご紹介させていただきました。
基調講演「今こそ危機から従業員を守る」秋野卓生氏
「皆さんこんにちは、弁護士の秋野です。今回、私どもの事務所も毎日緊迫した状況下でコロナウィルス感染症にかかわる法務対応を続け、日々新たな法的課題に直面して参りました。今日はその中から特に“従業員を守る”という観点から、いくつかテーマをピックアップしてお話ししたいと思います」。
法廷で鍛えた張りのある口調で語りはじめたのは、匠総合法律事務所の代表弁護士 秋野卓生氏です。住宅建築分野の法律問題に詳しい専門家として、秋野弁護士はコロナ禍に見舞われた住宅業界が直面する新たな法律問題にいち早く対処してきました。基調講演では、その豊富な経験を踏まえて「コロナ禍に関わるリスクから従業員をいかに守るか?」という喫緊の課題について、多くの実例を引きながら実践的な提言を語っていただきました。
コロナウィルス感染症にかかわる法務対応において、秋野氏が重視するポイントは3点。まず契約解除トラブルなど、コロナ禍により次々発生する「いま目の前の危機への対応」。また、完成見学会などアフターコロナのイベント等に関わる安全配慮義務や従業員に対するカスタマハラスメント対策等の「今後予想されるトラブルへの対応」。そして、より長期的視点で考えるべき「消費マインドの低下による市場縮小へ対処」です。それぞれ工務店関係者が直面する問題に関わる鋭い指摘が次々と示され、静粛を求められるスタジオ内にも関わらず、思わず拍手が起こりかけたほどでした。
「コロナ禍の影響で、もし工務店が倒産してしまえば一番お気の毒なのは施主です。ローンを組んだあげく家も完成しないのでは“泣きっ面に蜂”。だからこそ建物は完成させなければならないし、工務店は生き残らなければいけません。当然、お客様や地域社会に対して、自社がいかに持続可能か――アフターコロナの時代にも当社は生き残り成功するのだ、と精いっぱいアピールする必要があります。皆さんもぜひ、そんな視点でこの危機に取り組んでください」。熱気に満ちた講演終了後はQ&A投票サービス「slido」によるQ&Aを実施。視聴者から多数の質問が寄せられ、この問題に関する皆様の関心の高さをあらためて実感させられました。
実務セミナー【1】「コロナ禍での模索」関尾英隆氏
「皆さんはじめまして。あすなろ建築工房の関尾と申します。今回、“コロナ禍での模索”とタイトルを付けましたが、実際、当社はまだまだ小さな会社なので、コロナ禍に直面し“これからどうやって生きていこうか”と、4月からずっと模索し続けています。その試行錯誤を皆様と共有するような形でお話させていただければと思います」。
笑顔で語り始めた関尾社長によると、同社の対コロナ禍に繋がる取組みが始まったのは約3年前。当時、大きな話題となった「働き方改革」の取組みの一環として、全社で大規模なIT化を開始したのだそうです。タブレットPCを全社員へ配布し、データは全てクラウド化。さらに基幹システムとしてダイテックの基幹業務システム「工務店クラウドEX」を、現場管理ツールとして「現場情報共有クラウド」を導入し、現場を含めた全社で徹底したデジタル化&クラウド化を推進していきました。そして、このいち早いIT化が、コロナ禍対策で大きな威力を発揮したと言います。この4月の非常事態宣言時も、特別な準備もないままスムーズに自宅勤務体制へ移行。各工事現場は対策を徹底した上で続行させました。大工へiPadで指示を出しお客様との打合せはZoomで行い、現場見学会はインスタライブも利用するなど、WebとITの活用に挑んだそうです。
「家にいる時間が長くなり“家で楽しむ”時代となった結果、本当に良い家が選ばれる時代がやって来ます。小工務店にとってこれは大きなチャンス。ぜひ皆で力を合せ、生き残っていきましょう!」
実務セミナー【2】「ウィズコロナ・アフターコロナ」 柴修一郎氏
「皆さんはじめまして。茨城県下妻市の工務店、柴木材店で代表を務める柴です。限られた時間ですが、精いっぱいお話したいと思います……」。
丁寧な口調で語り始めた柴社長は、経営学部卒で銀行出身の3代目。新進気鋭の経営者です。そんな柴社長によれば、同社の所在地である下妻市は感染者ゼロだったこともあり、緊急事態宣言後もギリギリの所で通常勤務を維持できたそうです。しかし、たとえば集客営業や接客のスタイルはコロナ禍を機に一変。Zoomを用いたデジタル接客へ移行したのはもちろん、柴氏が最も重視するファーストプレゼンも建築模型を撮影した動画をZoomで見せる手法を編み出し、好評を得ました。さらにイベント関連では、顧客自身がネット経由でモデルハウスを疑似体験できるWeb展示場をオープン。住宅見学会もZoomを用いたWeb見学会やインスタライブによるモデルハウス解説ライブ等を実施。さらにはYouTubeチャンネルまで開設し、2週間で1万数千回の再生回数を記録しました。さらにあすなろ建築工房様同様に「工務店クラウドEX」と「現場情報共有クラウド」を活用し、短期間で一気にIT化を実現していきました。
「ここ数カ月、当社ではさまざまなドラマがありましたが、結果として何年もかけて進化するはずだったものを数カ月で形にできました。効率的・効果的な手法を身に付けられたのは間違いないでしょう。アフターコロナに向けて、このデジタルとアナログ双方の良い所を取り入れたハイブリッドを目指したい、と考えています」