国土交通省は、建築物のLCAの実施によるLCCO2削減の推進(GX)と建築BIMの普及拡大による生産性向上の推進(DX)を一体的・総合的に支援し、取組を加速化させることを目的として、「建築GX・DX推進事業」を創設しました。事業費として、令和6年度補正予算に5億円、令和7年度当初予算案に65億円を計上しています。
「建築GX・DX推進事業」には「BIM活用型」と「LCA実施型」の2種類があり、一定の要件を満たす建築プロジェクトにおいて、複数の事業者が連携して建築BIMデータの作成等を行う場合または建築物のLCA算定を行う場合に、その費用の一部が補助されます。

建築GX・DX推進事業の概要

※令和7年2月21日時点での内容であり、今後変更が生じる可能性があります。

【1】補助対象となるプロジェクトの要件(改修プロジェクトも含む)

<BIM活用型>
  • 元請事業者等が、下請事業者等によるBIMの導入を支援すること。
  • BIMを活用する全事業者が、「BIM活用事業者登録制度」に登録し、補助事業完了後3年間、 BIM活用状況等を報告すること。また、補助事業の活用実績に応じて国土交通省が定める内容を盛り込んだ「BIM活用推進計画」を策定すること。
  • 元請事業者等は、整備する建築物について、維持管理の効率化に資するBIMモデルを整備する旨を宣言すること。
  • 次の要件に該当する建築物であること。
    • 敷地に接する道路の中心線以内の地区面積が 1,000㎡以上
    • 延べ面積が 1,000㎡以上
    • 地階を除く階数が3以上
    • 耐火/準耐火建築物等
    • 建築物エネルギー消費性能基準に適合
    • 土砂災害特別警戒区域外等(住宅)
<LCA実施型>
  • LCA算定のツールは、資材製造段階、施工段階、使用段階(資材関連)、使用段階(光熱水関連)、解体段階の5つの区分に分けた形でライフサイクルカーボンを算定可能で、算定に当たり一次データ及び統計値から数量が得られない場合等は、合理的なシナリオのもとで算定可能なものに限る。
  • LCAの算定を行う時点は、基本設計完了時、実施設計完了時(着工時)又は竣工時。
  • 算定する建築物の用途は、非住宅又は 共同住宅。
  • LCA算定結果を国土交通省等に報告すること。また、国土交通省等による調査に協力すること。
  • LCA算定とあわせて、算定に必要な CO2原単位等も策定する場合、 次の要件を満たす場合はCO2原単位等の策定に要する費用も補助対象となる。
    • 策定した CO2原単位を当該建築物の LCA算定に活用
    • 策定した CO2原単位等を公開

【2】補助対象経費

補助対象となるのは、補助事業の期間に発生した費用です。

※令和6年度補正予算における交付申請に当たっては、令和6年度中(令和7年3月31日まで)に発生した対象経費を含むことが要件となります。

<BIM活用型>
項目 含まれる経費
BIMライセンス等費 ・BIMソフトウェア利用費(ビューワーソフト、アドオンソフトの利用費、BIMモデルを利用するためのPC・タブレット・ARゴーグル等周辺機器のリース費等を含む)
・CDE環境(共通クラウド)構築費・アクセス費
BIMコーディネーター等費 ・BIMコーディネーター人件費・委託費
※協力事業者が直接、BIM環境整備に係る業務を委託する場合の委託料(事業者あたり、上限100万円)
・BIMマネジャー人件費・委託費
※元請のBIMマネージャーとの調整等に要する協力事業者の担当者の人件費(事業者あたり、上限100万円)
・BIM講習に要する委託費・人件費・諸経費
BIMモデラー費 ・導入初期のBIMモデル作成に係るBIMモデラー人件費
※活用年度3年目以下の下請事業者または従業員1000人以下で活用年度3年以下の元請事業者が対象。
・BIMの高度な活用を図るためのBIMモデル作成に係るBIMモデラー人件費
・維持管理BIMモデル作成に係るBIMモデラー人件費(発注者に提供する場合に限る)
・BIMマネジャーをサポートするBIMモデラー委託費

事業者あたり、合計で上限1000万円
<LCA実施型>
項目 含まれる経費
LCA算定に要する費用 ・LCA算定に要する人件費
・LCA算定に必要なCO2原単位の策定に要する人件費
・CO2原単位策定に必要なデータベース利用費、第三者検証費用 等

【3】補助率と補助限度額

<BIM活用型>

上記対象経費の1/2が補助されます。
ただし、建築物の延床面積に応じた限度額が設定されています。

延べ面積 設計費 建設工事費
10,000㎡未満 25,000千円 40,000千円
10,000㎡以上、30,000㎡未満 30,000千円 50,000千円
30,000㎡以上 35,000千円 55,000千円
<LCA実施型>

上記対象経費が上限額以内で定額補助されます。

  • BIMモデルを作成せずにLCA算定を実施する場合:上限650万円
  • BIMモデルを作成した上でLCA算定を実施する場合:上限500万円
  • ※併せてCO2原単位等も策定する場合の上限額は、策定した一のCO2原単位等につき400万円を加算した額が上限。
    (事業者あたり、加算可能額は上限1000万円まで)

【4】スケジュール

※令和6年度補正予算の場合

手続き名 受付期間
代表事業者等登録 令和7年2月18日 ~ 令和7年3月31日
BIM活用事業者登録 令和6年度補正分については交付申請前でなく別途〆切りを設ける予定
交付申請
(変更交付申請含む)
【新規プロジェクト】令和7年2月27日 ~ 令和7年6月30日
【既存プロジェクト】令和7年2月27日 ~ 令和7年6月30日
完了実績報告 令和7年夏頃 ~ 令和8年2月28日
※プロジェクトの完了後、概ね1カ月以内または令和8年2月28日までに提出してください。
補助金交付 令和8年4月末までに交付予定
※完了実績報告が事前に行われた場合、額の確定通知日の属する月の翌月末までに交付します。

詳細は、建築GX・DX推進事業実施支援室のHPをご覧ください。

「建築GX・DX推進事業(BIM活用型)」主な対象プログラム

設計BIM本体

GLOOBE Architect

豊富な日本仕様の建材データや自由度の高いデザイン機能、基本設計を元にした実施設計、建築基準法に沿った法規チェック等、日本の設計に最適化された機能を搭載したBIM建築設計支援システム。
※PDF取込アシスト、FM連携は除く

施工BIM本体

GLOOBE Construction

2D施工図と3D施工モデルを徹底追及した躯体計画、豊富な部材とリアルな3Dで現場の安全と効率化を実現した仮設計画、ICT建築土工に対応した合理的な土工計画、3D/4D/5D計画で現場のムダを削減できる工程計画、BIM/CIM活用と次世代施工を支援する施工BIMシステム。

付加要素・ライブラリ等

3Dカタログ.com

クラウドストレージ【ARCHITREND Drive】に GLOOBEなどの物件データをダイレクトに保存し、クラウド上でデータの管理・共有が可能。CADデータだけでなく様々なデータを保存することで、社内、施主様や協業先との非対面での打合せやテレワーク対応もスムーズに。
※3Dカタログ.com有料会員契約でご利用いただけるサービスです。

※弊社製品の補助対象ソフトウェア詳細は、建築GX・DX推進事業実施支援室のHP内の「補助対象ソフトウェア」をご覧ください。

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