住宅営業でヒアリングシートが必要な理由
住宅営業にヒアリングシートが必要な理由として、次の4つが挙げられます。
顧客のニーズを理解できる
ヒアリングシートを使うと、顧客のニーズを正しく理解できます。理想の住まいを言語化できていない顧客も多く、会話だけでは潜在的な要望を見落とす場合があります。ヒアリングシートがあれば、希望の立地や間取り、デザインなどの各種回答を参考にして商談を進められます。
さらに、表面的な希望から「なぜその条件を重視するのか」といった背景も掘り下げられるため、顧客が住宅に求める条件をより詳しく引き出せます。
営業の属人化を防ぐ
営業チームで共通のヒアリングシートを用意すれば、営業活動の属人化を防げます。
ヒアリングシートは顧客に回答を記入してもらうツールであると同時に、商談を進める際のガイドとしても役立ちます。顧客に確認すべき質問事項に沿って商談を進めることで、誰が担当しても一貫したヒアリングが可能です。
すべての営業メンバーが顧客から充分な情報を引き出せるようになれば、ヒアリングをもとにした提案の質もチーム全体で底上げできるでしょう。
要望の優先順位をつけられる
住宅営業のヒアリングシートは、要望の優先順位づけにも効果的です。
住宅購入を検討する顧客の多くは、「広いリビングがいい」「駅から近い場所に住みたい」「収納を増やしたい」といった複数の希望を持っています。しかし、必ずしもすべての希望を叶えられるとは限りません。
そこでヒアリングシートを活用すると、顧客の要望を細かく整理できます。顧客が重視する要望や妥協できる点を明確にすることで、優先順位を反映した最適な提案が可能になります。
情報の聞き忘れを避けられる
住宅営業のヒアリングは、資金計画や家族構成、生活スタイル、希望エリアなどの確認すべき項目が数多くあります。重要な質問を聞きそびれると、後日再確認が必要になってしまうでしょう。
あらかじめヒアリングシートに質問事項をまとめておけば、情報の抜け漏れを防ぎやすくなります。さらに、顧客の回答は後から見返せるため、過去の打ち合わせを踏まえた対応によって商談をスムーズに進められます。
住宅営業用ヒアリングシートの項目
住宅営業用ヒアリングシートを作る際は、少なくとも以下7つの項目を設けましょう。
住宅にかけられる予算
必ず確認したい質問が、顧客が住宅にかけられる予算です。
通常、予算の話題は口頭では聞きづらいものです。ヒアリングシートに記入してもらう形式であれば、顧客も安心して情報を共有しやすくなります。予算を明確にすることで、紹介できる物件の範囲を早い段階で絞り込めます。
さらに、顧客の収入状況や頭金の予定額などの情報も把握しておけば、無理のない住宅ローンの返済計画も提案できるでしょう。
最終的な決裁権者
住宅営業の商談では、最終的な決裁権者を早期に確認しましょう。
商談を重ねて住宅の仕様を詰めていっても、実際の決裁権者が別人であるケースは珍しくありません。その場合、決裁権者の意見で方針が変わったり、最初から説明をやり直す手間が生じたりします。
あらかじめ誰が意思決定するのかを把握していれば、こうした事態を避けられます。
決裁権者は「夫婦のどちらか」「資金を提供する両親」「同居予定の子ども」と多様なパターンがあるため、ヒアリングシートでの確認が大切です。
顧客が住んでいる物件の現状や不満
顧客が現在住んでいる物件について、間取りや住んでいるエリアなどの基本情報をヒアリングします。さらに、現在の住宅の不満点も質問しましょう。
「日当たりが少ない」「子どもが大きくなって部屋が狭く感じる」などの具体的な悩みは、改善すべき課題として提案内容に反映できます。
一方で、現在の住まいのうち気に入っているポイントの把握も重要です。「キッチンの動線が良い」「静かな環境で過ごしやすい」といったポジティブな要素がわかれば、顧客の理想的な住宅をより正確に掴めます。
希望のスケジュール
いつまでに入居したいのかを顧客に確認することで、土地探しや設計、引き渡しまでのスケジュールを逆算した提案が可能です。顧客の生活スケジュールに寄り添った現実的なプランを提示できることから、信頼を得やすくなるでしょう。
また、入居したい時期が明確になれば、「希望の時期に引き渡すには、いつまでに契約を決める必要がある」などの具体的なスケジュール感を明示できます。顧客が住宅購入を決断しやすくなるため、ヒアリングからクロージングまで円滑に進められます。
住宅の新築や購入に関する疑問点
住宅の新築や中古物件の購入といった違いにかかわらず、顧客が感じている疑問を丁寧に聞き出しましょう。多くの顧客にとって住宅購入は初めての経験であり、疑問点や不安を抱える人が多いと言えます。
疑問点を放置した場合、顧客に不信感を与えてしまい成約に至らないかもしれません。
「住宅購入で不安に思われていることはありますか?」と質問するだけでも、会話を通じて顧客の抱える漠然とした疑問や不安の具体化が可能です。疑問点を解消することで、顧客へ安心感を与えたうえでヒアリングを進められます。
顧客の生活エリア
ヒアリングシートには、顧客が希望するエリアや頻繁に訪れる場所についての質問も盛り込みましょう。生活圏を詳しく把握することで、希望エリアに加えて「顧客がよくアクセスする地域」「勤務地に通いやすい駅周辺」といった物件もあわせて紹介できます。
紹介できる物件が増えるため、希望エリアに顧客とマッチする物件がなくとも柔軟な提案が可能です。単に選択肢が広がるだけでなく、顧客が気づいていなかった「暮らしやすい候補地」を提示できる点は大きな強みとなります。
他社の検討状況
他社の検討状況も、ヒアリングシートで確認しておきたい項目です。「他にもご相談されている会社はありますか?」と質問すれば、トークの中で顧客の検討段階や比較しているポイントを把握できます。
顧客が重視している要素を絞り込み、提案内容に盛り込むことで他社との差別化が可能です。また、住宅購入の検討段階を確認できるため、無理なクロージングに走らず顧客のペースに合わせた提案も行えます。
住宅営業でヒアリングシートを活用するコツ
実際の住宅営業でヒアリングシートを活用する際は、次の5つのコツを参考にしてみてください。
事前情報から準備しておく
顧客について事前にわかっている情報がある場合、提案内容を準備しておきましょう。
問い合わせ内容やイベント来場時のアンケート、Webフォームへの入力情報から、顧客の希望条件をある程度掴めます。
たとえば、「子育て世帯」「郊外の戸建てを希望」といった情報がわかっていれば、近い条件の施工事例や資料を初回面談から提示できます。商談をスムーズに進められるだけでなく、「この営業担当は話が早い」と顧客に好印象を与える効果も期待できるでしょう。
5W2Hをもとに質問する
ヒアリングする際は、以下の5W2Hをもとに質問して顧客の考えを深掘りしましょう。
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5W2H |
質問内容 |
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Why |
住宅を建てたい・購入したい理由 |
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What |
住宅に何を望むのか |
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Who |
新築・購入する住宅に住む人 |
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When |
希望の入居時期 |
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Where |
住みたい場所や生活圏 |
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How |
新築・購入する住宅でどのような暮らしを望むのか |
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How much |
住宅購入にかけられる予算 |
5W2Hを意識すれば、ヒアリングシートへの回答内容を深く理解できます。顧客の真のニーズや目的を引き出すことで、提案内容の質を高められるでしょう。
顧客のニーズについて仮説を立てる
顧客のニーズを上手く言語化するためには、あらかじめ仮説を立ててから質問する方法がおすすめです。すでに把握している情報から、「高齢なため二階建よりコンパクトな平屋を望むかもしれない」と仮説を立てて質問します。
仮説が正しければスムーズに商談を進められます。仮説が外れても、質問自体が会話を広げるきっかけとなるため問題ありません。すべての質問に仮説を用いる必要はないので、1つのテクニックとして活用しましょう。
写真や図を活用する
ヒアリング時は顧客がイメージしやすいように、写真や図を活用しましょう。間取り図や施工事例の写真、外観デザインのサンプルを見せながらヒアリングを進めれば、言葉だけでは伝わりにくい部分もしっかりと伝えられます。
たとえば、「リビングの広さはこのくらいをイメージされていますか?」「このような外観デザインはいかがですか?」と資料を提示することで、顧客が抱く理想の住まいのイメージを引き出せます。
未回答の部分も質問する
ヒアリングシートの回答は顧客が記入しますが、未回答の項目がある場合も考えられます。ヒアリングの場では、未回答の部分についても質問を重ねて可能な限り回答を得ましょう。
未回答の項目には、顧客自身が気づいていない課題が隠れているかもしれません。顧客の中で上手く言語化できていないケースであれば、丁寧に質問することで明確な考えを引き出せます。本質的なニーズを引き出すことで、提案の精度を高められます。
住宅営業におけるヒアリングのポイント
住宅営業はヒアリングシートの活用に加えて、顧客との対話の質を上げることも欠かせません。住宅営業でヒアリングを進める際は、以下3つのポイントが重要です。
顧客の緊張を和らげるアイスブレイクを挟む
住宅営業のヒアリングは、顧客の緊張を和らげる必要があります。住宅は大きな買い物となるため、とりわけ初回面談では緊張している顧客が多いです。顧客の緊張をほぐすためには、いきなりヒアリングを始めるのではなく簡単な雑談のアイスブレイクを挟みましょう。
顧客が話やすい雰囲気を作ることで本音を聞き出しやすくなり、効果的なヒアリングが可能になります。
顧客の話を聞くことを意識する
ヒアリングでは、顧客が話したいことを聞く姿勢が不可欠です。住宅の購入には多額の資金が動くため、顧客の悩みや不安を解決するカウンセラーとしての役割も求められます。
営業担当者が一方的に話しても、押し売りのようになってしまって顧客の信頼は得られません。適切に相槌を打って話に耳を傾けることで、顧客に寄り添う姿勢を示せます。信頼関係を構築できれば、住宅に望む条件やニーズを聞き出しやすくなるでしょう。
相手の話し方やペースに合わせる
顧客と話す際は、相手の話し方やペース、テンションに合わせましょう。ゆっくり話す相手には落ち着いたトーンで、テンポの速い相手にはスピーディに応じると、自然な会話の流れが生まれます。
さらに、表情や間の取り方も大切です。悩みながら話している相手には静かに頷き、楽しそうに話す顧客には笑顔で相槌を打つと安心感を与えられます。会話のテンポが合えば相手が話しやすくなり、充実したヒアリングにつながります。
住宅営業にヒアリングシートを使った後にやるべきこと
住宅営業でヒアリングシートを使った後は、顧客の反応を記録しましょう。紹介した物件やプランに対して「どこに興味を示したのか」「どこで不安を感じたのか」といったポイントをメモしておくと、次回以降の提案内容をブラッシュアップできます。
また、商談を重ねるなかで追加すべき質問項目が発生すれば、ヒアリングシートをカスタマイズします。ヒアリングシートを改善していくことで、営業チーム全体のヒアリング力の強化が可能です。
住宅営業のヒアリング業務を「iPlanView」でまとめて管理!
住宅営業のヒアリング業務は、営業メンバーのスキルが問われます。メンバーのスキルを底上げするためには、営業支援システム「iPlanView」の活用がおすすめです。
iPadで使える住宅営業の支援ツール
iPlanViewとは、iPadで簡単に使える住宅営業支援ツールです。ヒアリング管理や土地情報の取得、都市計画データをもとにした住宅の法規制チェック、商談状況のクラウド共有、商談のマスターデータ一括管理など、多彩な機能をiPad1つで使えます。直感的な操作で利用できるため、新人からベテランまで誰でもすぐに使いこなせる点が魅力です。
またiPadとApplePencilをセットにすることで、紙のアンケートと同様にお客様自身で記入する事が可能となりますので、お互いにストレスなくヒアリングを進行できます。
住宅営業に必要な機能を集約
iPlanViewには、住宅営業のヒアリングに必要な機能が搭載されています。たとえば、お客様の基本情報やアンケートの回答内容、資金計画、ライフスタイル、希望条件といった情報を一元管理できます。希望条件は優先順位の設定にも対応しており、お客様が求める理想の暮らしを一目で把握可能です。
さらに、3D・ARシミュレーション機能を使えば、住宅プランの3Dモデルの表示も簡単に行えます。商談中に住宅イメージを作れるため、提案内容をその場でわかりやすく伝えられます。
”売れる営業”の仕組み化で営業力を底上げ
iPlanViewを導入することで、営業力を底上げできます。iPlanViewは誰でも簡単に使えるうえ、ヒアリングによって収集した情報は自動でクラウドに共有される仕組みです。「商談ボード」画面を見れば商談ごとの進捗や希望条件を確認できるため、営業全体での情報共有や連携が可能です。
加えて、ヒアリング項目や住宅プラン、概算見積など、商談に必要なマスターデータも管理できます。属人化しがちな業務を標準化できるため、iPlanViewは”売れる営業”の仕組み化に役立ちます。
▼住宅営業支援ツール「iPlanView」はこちら
https://www.fcgr.jp/fad/product/iplanview/detail/?megabanner=ipv
住宅営業にヒアリングシートを活用して顧客の要望を把握しよう
住宅営業にヒアリングシートを活用すると、顧客の要望や生活背景を正確に把握できます。同時に、情報の聞き漏れや営業担当者ごとの対応のばらつきも防ぎやすくなるでしょう。商談のなかで予算や希望条件、入居時期などの情報を整理すれば、顧客のニーズを深く理解できます。
顧客の理想の住まいを把握することで、成約へとつながる的確な提案が可能になります。



