そもそも積算とは何か?
積算とは、設計図面や仕様書をもとに必要な資材数量や作業内容を整理し、工事完成までに要する費用を算出する業務です。見積書を作成するための根拠を整える工程ともいえます。たとえば壁を施工する場合、下地材や仕上げ材に加え、固定金物や副資材まで拾い出す必要があります。さらに、労務費や現場管理費など、図面には直接表れない費用も含めて組み立てます。数量不足や単価設定の誤りがあれば赤字の要因となり、過大計上すればクライアントの信頼を損なう、または失注する可能性さえあります。そのため、工法や材料に関する知識と誤差を抑える計算精度が必要です。
▼積算の基礎知識については、こちらの記事をぜひご覧ください。
積算とは? 計算方法や仕事内容、失敗しないためのポイントをわかりやすく解説|FCA JOURNAL|建築CAD - 福井コンピュータアーキテクト
積算にExcel(エクセル)を活用するメリット<
積算業務でExcelを活用するメリットは、計算作業の効率化にとどまりません。専用ソフトを導入していない企業や自社独自の計算ロジックを反映させたい場合に、柔軟に運用できる点が強みです。積算にExcelを活用する主なメリットは以下の通りです。
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業務効率化:数式をあらかじめ設定しておけば、数量を入力するだけで合計金額や税額を自動計算できる
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ミスの削減:計算式を固定することで、手計算に伴う打ち間違いを減らせる
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データの一元管理と再利用:過去の積算シートをテンプレートとして活用可能。単価表や部材リストを蓄積すれば、類似案件への転用が容易になる
Excelは多くのビジネスパーソンにとって馴染みのあるソフトウェアです。専門的な知識がなくとも基本的な操作が可能で、多くの企業がすでに導入済みであるため、追加コストをかけずに積算業務の効率化を行えるでしょう。
積算の基本となるSUM関数とPRODUCT関数
Excelで積算を行う際、使用頻度が高い関数がSUM関数とPRODUCT関数です。SUM関数とは、指定した範囲の数値を合計する関数です。部材ごとの小計を集計して直接工事費を算出する場面、諸経費を合算して総額を求める場面で用います。複数行にわたる金額を一括で集計できるため、案件単位や月次単位の金額確認にも有効です。一方、PRODUCT関数は複数の数値を掛け合わせる関数です。数量計算では、単価と数量の乗算だけでなく、寸法や補正係数を掛け合わせるケースがあります。たとえば、縦×横×高さで体積を求める場合や、数量に補正率を乗じる場合に活用できます。加算や乗算は「+」や「*」でも実行できますが、関数として範囲指定することで、行の追加や削除に対応しやすくなります。設計変更や数量修正が発生しても計算式を保ちやすく、修正作業の負担を抑えられるでしょう。
積算でのSUM関数の使い方
積算業務で最も使用頻度が高い関数がSUM関数です。指定したセル範囲の数値を合計する関数で、見積書の小計や総計を算出する際に用います。基本構文は次のとおりです。
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=SUM(開始セル:終了セル)
たとえば、B2からB10に各部材の金額が入力されている場合、以下のように入力すれば、その範囲の合計額を算出できます。
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=SUM(B2:B10)
また、範囲指定で設定しておけば、行の追加や削除があっても自動的に再計算できます。個別に「B2+B3+B4…」と入力する方法に比べ、修正時の漏れを防ぎやすくなります。
入力を効率化する方法として、オートSUM機能があります。合計を表示するセルを選択し、「Σ(オートSUM)」をクリックするか、「Alt + Shift + = 」を押すと、Excelが範囲を推測して式を挿入します。積算業務では、資材費、外注費、労務費などの各費目を集計し、工事原価を算出する場面で活用します。項目数が増えるほど手計算の誤りは起こりやすくなりますが、SUM関数を適切に配置することで、金額管理の精度を維持できます。
積算でのPRODUCT関数の使い方
積算業務では、SUM関数と並んでPRODUCT関数も頻繁に使用します。PRODUCT関数は、指定した複数の数値を掛け合わせる関数で、面積・体積の算出や補正係数を含む計算に適しています。基本構文は次のとおりです。
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=PRODUCT(数値1, 数値2, …)
たとえば、床コンクリート量を求める場合、面積(㎡)× 厚み(m)× ロス率といった計算を行います。
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=A1B1C1
と入力することも可能ですが、
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=PRODUCT(A1:C1)
とすれば、範囲指定でまとめて掛け合わせられます。要素が増えても式が煩雑になりにくい点がメリットです。外壁塗装の数量算出でも活用できます。開口部を除いた正味面積に、下地調整の倍率や予備係数を掛ける場合、各係数をセルに分けて入力し、PRODUCT関数で計算します。ロス率を変更する際も、該当セルの数値を修正するだけで再計算できます。複数の係数を扱う積算では、計算式の見通しを保つことが重要です。PRODUCT関数を用いることで、修正や検証がしやすい構成にできます。
Excel(エクセル)で積算をする際の注意点
Excelは手軽に編集できる反面、入力や数式の誤りがそのまま金額に反映されます。管理体制を整えなければ、収支に影響を及ぼします。最も多いのが、入力ミスや数式の崩れです。積算シートは複数のセルが連動しているため、参照範囲のずれや上書きによって計算結果が変わります。単価や数量の誤入力が複数案件に波及すれば、修正作業と信用面の負担が発生するでしょう。次に、属人化の問題があります。特定の担当者のみが構造を理解しているファイルは、引き継ぎが困難であり、法改正や単価改定に迅速に対応できない場合もあります。シート構成の標準化と操作手順の共有が必要です。さらに、Excelは単体では最新単価データやCADデータと自動連携できません。単価更新や数量入力は手作業が中心となります。この更新作業が負担となるケースもあります。Excelを活用する場合は、ミス防止策と運用ルールを整備したうえで使用することが重要です。
積算をするならARCHITRENDがおすすめ
Excelでの積算には限界があると感じている方、さらなる業務効率化を目指す企業にとって、福井コンピュータアーキテクトが提供するARCHITRENDシリーズはおすすめです。建築設計から積算、見積もりまでを一気通貫で管理できる点は、Excelにはない最大の強みです。ARCHITREND ZEROの積算・見積もり機能を活用すれば、CADで作成した3Dモデルや図面データから、必要な資材の数量を自動的に拾い出せます。そのため、Excel積算で最も時間がかかり、かつミスの原因となっていた手動での数量集計作業を削減できます。壁面積や床面積はもちろん、柱や梁の部材本数まで正確に算出されるため、積算担当者は算出作業そのものではなく、より重要なコストマネジメントや価格交渉に注力できるようになるでしょう。また、小規模工事やリフォームを中心とする企業であれば、ARCHITREND ONEの積算オプションもおすすめです。こちらはCADとの連携をしていなくとも、基本情報から積算が行えます。クラウド型のため、低コストで始められるのも魅力です。これらのソリューションは常に最新の建築単価や法令、工法アップデートに対応しており、Excelで課題となっていた属人化や情報の陳腐化を防ぎます。データは一元管理されるため、過去の類似案件の参照や社内での知見共有もスムーズに行えます。
自社状況に合わせて積算ツールを選択しよう
Excelを活用した積算は、導入コストを抑えながら積算精度と効率を高める方法の一つです。一方で、案件数の増加や図面の複雑化が進むと、Excel中心の運用では管理負荷が高まります。入力確認や版管理に時間を要し、属人化が進む場合もあります。CADデータとの連動や数量自動抽出が必要となる段階では、専用の積算システムの検討が現実的です。ARCHITREND ZEROまたはARCHITREND ONEをご活用いただければ、専門知識がなくとも、効率よく積算を実施できます。無料体験版を用意しているので、お気軽にお問い合わせください。
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