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エクセルでの工程表の作り方とは?メリットや無料エクセルテンプレートの活用方法について

2026.01.20

建築業界において、工程管理やスムーズな工事の実施・施工やスケジュール管理を目的に活用されているのが工程表です。工程表の作成は、Officeソフトとして多くの企業に導入されているMicrosoft社のエクセルでも可能です。本記事では、エクセルで作成できる工程表の種類や、作り方の手順について解説します。関連情報として無料のエクセルテンプレートの活用方法も紹介していますので、工程表作成作業の効率化を検討している方は、見出し一覧を目次のように活用しながら、ぜひ参考にしてください。

エクセルで作成できる工程表の種類

エクセルファイル

まず工程表そのものの概要や目的とともに、エクセルを使って作成できる工程表の特徴を種類別に解説します。

工程表とは

最初に工程表の概要を簡単に解説します。工程表とは、おもに建設業や製造業界においてプロジェクトの進捗管理や、スケジュール・作業内容・施工の管理などを目的に活用される表のことです。

工程表のおもな役割(作成する目的)は以下のとおりです。

・スケジュール管理による納期の遵守

・工程ごとの適切な人員と材料の配置

・工程や時間の無駄を省くことによるコスト削減

工程表と似ている言葉に行程表(ロードマップ)があります。行程表は工程表よりも管理するスケジュールの範囲が広く、比較的大まかな表となっている点が違いです。工程表の作成方法のひとつに、Officeソフトであるエクセル(Excel)を活用する方法があります。ただし、工程表の種類によってはエクセルでの作成が適さないものもあるので注意しましょう。

次にエクセルで作成できる工程表と、エクセルでの作成に向いてない工程表を種類別に解説します。

エクセルで作成しやすい工程表①「バーチャート工程表」

バーチャート工程表とは、縦軸に作業項目、横軸に作業実施予定日時を記載したシンプルな工程表です。工程表のなかでも一般的に使用されているものです。スケジュールの全体像を一目で確認できる、各工程の日数を視覚的にすぐ把握できる、部分的な修正がしやすいといった点がメリットです。ただし各工程の細かな関連性などは把握しにくい面もあるため、作業の進捗管理には不向きです。たとえば日数や作業項目を一部修正した場合、その修正が誰に、または工程全体にどんな影響が出るのかをバーチャート工程表上では把握できません。バーチャート工程表は縦軸と横軸を使用して項目と日時を記入していく表のため、表計算ソフトウェアであるエクセルでの作成に向いています。

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エクセルで作成しやすい工程表②「ガントチャート工程表」

ガントチャート工程表とは、建設業界においては先述のバーチャート工程表の横軸に記載されている作業実施予定日時を「作業の進捗率(%)」に置き換えた工程表のことです。各作業の進捗状況がひと目で分かるため、複数の作業を並行して行うときや、関連する作業の状況を一元管理したいときに向いています。ただし各工程の詳細な工程数は、ガントチャート工程表上では把握できません。なお製造業におけるガントチャート工程表は建設業とは少し異なり、縦軸には工程や担当者、横軸には日時を記載し、縦軸と横軸が交わるところに作業内容を記入することが一般的です。複雑な工程管理にも活用されているのが特徴です。ガントチャート工程表もバーチャート工程表と同じく、エクセルで作成しやすい工程表です。

エクセルでの作成には向いていない工程表

工程表には他に、以下のような種類のものがあります。

・縦軸に進捗、横軸には日時を記載するかたちで、曲線で全体的な進捗具合を分かりやすく提示する「グラフ式工程表」

・縦軸に進捗率(%)、横軸に日時、上方・下方許容限界曲線を補助線として記入する「工程管理曲線(出来高累計曲線・バナナ曲線・Sカーブとも呼ばれます)」

・円(〇)と矢印(→)で、工程ごとの工数と工程間の関連性を表示した「ネットワーク工程表」

これらの工程表は曲線や矢印を使用して作成するため、エクセルだけでの作成は難易度が高く、比較的向いていないといえます。そのため、エクセルを使用した工程表作成を検討する場合には、バーチャート工程表またはガントチャート工程表のいずれかが選択肢となるでしょう。

エクセルを活用して工程表を作成し、工程管理をするメリット

建設現場のクレーン

工程表の作成や管理にエクセルを活用することのメリットを解説します。

コストを抑えて作成・管理ができる

エクセルはあらかじめ表や見積もり、資料作成などを目的にOfficeソフトとして導入している企業がとても多く、工程表作成と管理のために新しくソフトウェアを購入する必要がありません。Microsoft 365の利用自体も、すでに取得済みの企業ライセンスを利用可能です。工程表を作成するためのあらたな初期費用などがかからないため、自社での工程表作成の開始・導入までのハードルがとても低いのは大きなメリットです。Web上では、工程表作成に使える無料のエクセルテンプレートを提供しているサイトやサービスも多数みられるため、検索するのも良いでしょう。

取り扱いが簡単

すでに自社内の従業員や関係者間で、エクセルを日常業務上で使っている人も多いでしょう。エクセルのインターフェースでの操作に慣れている人も多いため、簡易的な表・グラフの作成などをすでにできる人なら、エクセルでの工程表の作成や管理も簡単に行えるでしょう。

カスタマイズも可能

エクセルでは行や列の組み換えや調整、項目の追加、色分け、フィルターによる工程の抽出など必要に応じたカスタマイズが可能です。テンプレートを使用しつつプロジェクトの内容や工程に応じて工程表をカスタマイズし、自社に適したかたちに整えたり、視認性を高めたりといったこともできます。

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オフライン環境でも利用できる

エクセルはファイルとしての保存、管理もできるためクラウド環境とは異なりネットワークがないところでも取り扱いができるという点がメリットです。秘匿性の高い工程表の場合も、クラウド上では共有せずに、個人や企業のローカル環境で別々に管理できます。

拡張や共有がしやすい

エクセルはMicrosoft製品以外のさまざまなアプリ・ツール側でも連携に対応しているケースが非常に多く、工程表をいろいろな用途で使いやすくなることもメリットです。多くの企業がエクセルを導入していることから、関連各所との工程表の共有や連携もしやすいでしょう。

工程表エクセルテンプレートの活用方法

6色のグラフ表

工程表作成や管理に使用できる無料のエクセルテンプレートはWebサイト上で多く公開されています。エクセルテンプレートを活用して工程表を作成、活用する流れを順に解説します。

記載するタスク内容のリストアップと整理

まず工程表内に記載するタスクの洗い出しとリストアップをします。もれなくタスクを把握できたあとはタスクを細分化し、作業手順に沿って工程表に記入していきます。このときタスクを細かく分けすぎてしまうと工程表での管理が複雑になってしまうため、注意が必要です。

タスクを担当するメンバーを割り当てる

タスクの記載後は、実際にタスクを担当するメンバーの割り当てを行います。特定の担当者にタスクが集中してしまうと大きな負担となったり、担当者が何らかの理由で作業ができなくなったりした場合にプロジェクトの進捗に影響が出てしまうというリスクがあります。負担するタスクのバランスを考えて、メンバーの配分を決めましょう。

タスクの実施期間を決める

各タスクの開始日と終了日、実施期間を設定します。使用する単位は日時、月、年などプロジェクトの規模に応じて決めましょう。開始日と終了日の設定時は、ある程度余裕を持ったスケジューリングを心がけることが重要です。期限をタイトにしてしまうと、万が一作業遅延の原因となるトラブルが発生したときに、納期遵守のための対応が困難となってしまいます。

各タスクの依存関係を整理する

タスクの開始日を決める際には、例えばあるタスクが完了しないと次のタスクが進められない、といったタスク間の依存関係の整理も同時に行っておくことがおすすめです。依存関係にある複数タスクは、先行タスクの終了日と後続タスクの開始日を踏まえて、タスクの実施期間を決めましょう。

テンプレートをダウンロードする

工程表として使用するテンプレートを選定し、ダウンロードします。視認性が高くシンプルに利用できるものがおすすめです。なお、テンプレートだけをダウンロードしても、当然のことながらエクセルがインストールされていないPCでは利用できません。工程表の作成や管理に使用するデバイスには、エクセルがインストールされているかどうかを念のため確認しておきましょう。

テンプレートへ必要情報を入力する

あらかじめ決めておいたタスクや担当者、実施期間などの情報をテンプレートへ入力します。依存関係のあるタスクは色分けする、同時進行するタスクはまとめて記入するなどで、見やすく管理しやすい工程表作成を心がけましょう。

工程表を関係者間で共有、管理する

テンプレートを使った工程表が完成したら、担当者や関係者間で情報共有しましょう。共有方法はファイルをメールに添付したり、クラウドストレージに入れたりなど幅広い方法があります。工程表の修正や管理のしやすさなどを踏まえた方法で共有することが重要です。

エクセルを活用して工程表を作成する種類別の方法と手順

緑色のグラフ

エクセルの操作スキルがあれば、テンプレートを使わずに工程表を作ることも可能です。エクセルを活用し、新規ブックを立ち上げて工程表を作成する手順を、工程表の種類別に解説します。

バーチャート工程表の作成手順

バーチャート工程表をエクセルで作る手順は以下の通りです。

1.日付を横軸に設定する

2.作業内容・担当者・開始日・終了日を縦軸に設定する

3.縦軸・横軸を設定したシートをテンプレートとして使用する

4.色付けするセルを選択し、塗りつぶしを行う

5.条件付き書式や関数を組み合わせ、目的の値を出すための式を設定する

6.グラフを挿入する

このあとは、テンプレートを使用したエクセル工程表の作成手順と同じです。

ガントチャート工程表の作成手順

ガントチャート工程表をエクセルで作る手順は以下の通りです。

1.表の上部に日付を入力する

2.カレンダー表示設定をする

3.[=text(セル),”aaa”] の関数を活用し、曜日入力を行う

4.土日に該当するセルを選択し色を塗りつぶすか、条件付き書式で曜日の行が”土””日””祝”の場合にセルが塗りつぶされる設定をする

5.列幅とウィンドウ枠を固定する

6.テンプレートを使用したエクセル工程表の作成手順(タスクの洗い出し、担当者の配置など)を行う

7.縦軸に作業内容や開始日・終了日・担当者名や進捗率を入力する

8.受注日から納期のセル、日付のセルを罫線でひとまとめにし、色で塗りつぶし見出しとして設定する

9.明細を記入する部分を罫線で囲み、明細表を設定する

エクセル工程表を使用する際のデメリットと注意点

チャートグラフ

エクセル工程表は作成や運用がしやすいというメリットがある一方で、デメリットもあります。エクセル工程表を利用する際に覚えておきたいデメリットと注意点を順に解説します。

作成できる工程表の種類が限定される

曲線や円、矢印などを使った工程表をエクセルで作成する場合、やや手間がかかります。バーチャート工程表やガントチャート工程表のようにエクセルでの作成や管理と相性の良い工程表の種類がある一方で、作成や管理がやや不向きと言える工程表もあります。複数の種類の工程表を利用する場合、種類によってはエクセルでの作成や管理が難しいケースがあることを覚えておきましょう。また作成や管理する工程表によっては、マクロや関数といったエクセルの専門的な知識やスキルも求められます。複雑なエクセル工程表の作成ができる人員がいない場合には、作成できる工程表にさらに限りが生じるという点にも、注意が必要です。

総合的な管理ができない

エクセル工程表は工程管理はできるものの、付随する生産管理や経費管理といった業務の管理はできません。それぞれの管理に必要なファイルやシートを別途用意する必要があります。エクセル工程表ひとつでは、工程やプロジェクトに関する総合的な管理ができないことを覚えておきましょう。

リアルタイムでの共有がしにくい

エクセル工程表は、関係者間でリアルタイムにファイルを共有したり、複数人で同時に作業するのには向いていません。特に施工管理者はオンライン環境やデバイスのない現場では工程表の編集作業ができないため、工程上で何らかの変更が生じた場合に、現場から戻って社内で工程表の編集や修正をする、といった手間が生じてしまいます。またエクセル工程表をオフライン環境で編集した場合、修正した最新バージョンを別の作業者が持っていない、という状況や、複数人が個別で修正や変更、更新を行うことで、どのエクセル工程表が最新版かわからなくなってしまうといったことも発生する可能性があります。OneDriveやGoogleドライブを利用すればエクセル工程表の同時編集は可能になるものの、同時編集による動作不安定や編集の競合が発生するリスクもあります。工程表のリアルタイムでの共有や修正の機会が多い場合には、エクセル以外の工程表管理の手法を検討する必要があるでしょう。

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プロジェクトの規模が大きくなると不具合が出る

プロジェクトの規模が大きくなると、以下の不具合が発生しやすくなりエクセルでの工程表管理に限界が出てきます。

・工程表の内容が複雑になり見づらい

・ファイルの動作が重くなり操作や保存ができない

・頻繁に強制終了が発生する

・ひとつの入力ミスで表全体が崩れてしまうことがある

工程表をエクセルで作成した当初は問題なく運用できていても、時間の経過とともにプロジェクトの拡大、工期の延長によって工程表内の情報量が多くなり、エクセル工程表での管理が難しくなるケースも多くみられます。

誤入力や計算ミスが起きやすい

エクセル工程表は入力や操作が簡単なぶん、以下のような人の手による誤入力・計算ミスが起こりやすい点にも注意が必要です。

・数式の設定ミス

・コピー&ペーストする場所のミス

・入力項目のミス

・行や列の削除による参照エラー など

入力ミスによって納期や工数などの工程表の項目が実際の数値と異なってしまうため、工程表上の数値通りに作業や工事を進めた結果、納期遅延やコストの超過などが起きてしまう可能性もあります。また、エクセル工程表のデータそのものを誤操作によって削除・紛失してしまうこともあります。特に複数人でエクセル工程表を管理する場合には、人的ミスを最小限に抑えるための対策や工夫が必要です。

各工程の区分が把握しやすいように分ける必要がある

工程表上の各工程や作業の区分は正確に分けるようにしましょう。各工程や作業が正確に分類されていない場合、工程表上で工程管理を行う際に、工程表の記載が曖昧になったり進捗状況が把握しにくいといった弊害が出てきます。ガントチャート工程表では塗りつぶした期間が重複しないようにするなど、工程が重ならないように正確に分けるようにしましょう。万が一工程表上で工程や作業が正確に分かれていないと感じた場合は、工程表作成時に行ったタスクの細分化をもう一度行います。工程表上で管理する工程が多くなるデメリットはありますが、工程管理の精度は高まります。

工程表を見る全員が理解しやすいレイアウトにする

工程表を閲覧するのは、工事や生産計画の管理者だけではありません。作業を実際に行う担当者や関係各所など、工程に携わるすべての人が見やすい工程表作成に努めましょう。

見やすい工程表にするポイントは以下の通りです。

・細かい数値を記載する

・色分けをする

・罫線を引いて見出し設定をする

・必要に応じて幅やウィンドウの固定設定をする

見やすい工程表を作成することで、一目で工程の内容や進捗状況を把握できることにつながり、業務の適切な遂行や効率化も期待できます。

印刷も前提としたレイアウトにする

工程表はパソコンやタブレット、スマートフォンなどのデバイス上でデータとして閲覧する以外にも、紙に印刷して閲覧する場合があります。たとえば工事や作業の現場にて、担当者が工程表を確認して作業にあたるために、工程表を印刷することも珍しくありません。エクセルで工程表を作成する際には、印刷するケースも踏まえてレイアウトを検討しなければいけません。印刷すると文字が小さくて読めない、工程表が途中で途切れてしまう、印刷枚数が多い、といったことが起きると、紙での工程表管理がしにくくなります。

エクセル以外での工程表の作成や管理方法

6つの統計表のパソコン

エクセルで工程表を作成し管理を行っていたものの、プロジェクトや工事の拡大から管理が難しくなったり、エクセルでの工程表作成自体が難しかったりといったこともあるかもしれません。エクセル以外の手法でも工程表の作成・管理は可能です。エクセル以外で工程表の作成や管理ができるおもな手法を紹介します。

Googleスプレッドシート

Googleスプレッドシートは、Googleから提供されている、Webブラウザ上で簡単に利用できる無料の表計算ソフトです。操作性もエクセルにとても似ており、Googleスプレッドシートとして作成した工程表をエクセルファイルとしてダウンロードし、オフライン環境で利用することもできます。ただし、エクセルテンプレートの中には細かなレイアウトや関数などの面でGoogleスプレッドシートに対応していないものもあります。また、エクセルの場合と同じく、作成や管理に向いていない工程表の種類があることも覚えておきましょう。

専用のシステム、アプリ、ツール

工程表の作成や管理を行える専用システムや特化型アプリ、ツールを活用する方法です。特別な知識やスキル不要で簡単に工程表が作成できるものを選べば、工程表作成で発生する手間や人的コストなども省けます。工程表作成ができるシステムやアプリ、ツールにはさまざまなものがあるため、工程表の利用目的やプロジェクトの規模に合わせた、適切なものを選びましょう。福井コンピュータアーキテクト株式会社の現場デジタル化ツール「現場Plus」は、工程表をマウスのドラッグ&ドロップといった直感的な操作のみで簡単に作成でき、さまざまな工程表の種類に最適化された標準テンプレートも搭載されています。また、以下のように工程表の表示を細やかにカスタマイズすることも可能です。

・「工事をしない日」の設定

・六曜や三隣亡の表示

・マイルストーンやタスク(工程バー)のカラー表示

・リンク線などの多彩な表現

・大項目で工程を1行にまとめる

作成した工程表は、PDFやエクセルでの出力にも対応しています。作った工程表はテンプレートとして保存することも可能です。施工現場に必要な基本機能も充実しており、工程表作成や管理以外に発生しやすい施工現場や工程管理上で発生しやすい課題解決、業務効率化にも役立ちます。建設業や住宅メーカー、工務店、不動産と様々な分野で効果的なDXの取り組み成功や導入事例もあります。ぜひご検討ください。

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工程表の作成や管理はエクセル以外の方法も比較しよう

エクセルでの工程表の作成方法や手順、作成することによるメリット、デメリットについて解説しました。エクセルでの工程表作成や管理は初期の導入ハードルが低いなどのメリットがある一方で、注意点やデメリットもあります。自社の工程表作成の目的やプロジェクトの規模に応じた手法で工程表の作成や管理を行い、工程管理の効率化や品質向上につなげましょう。

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