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建築業界における積算とは? 業務・仕事内容や見積もりとの違いについて解説

2026.04.02

建築業界における積算とは? 業務・仕事内容や見積もりとの違いについて解説

建築業界における積算とは、仕様書や設計図をもとに建築工事でかかる費用を正確に算出するための業務です。高い専門性が求められる役割であるだけに、なかには「正確な積算ができず利益が確保できない」「積算作成に時間がかかってしまう」といった悩みを持つ方も多いかもしれません。
本記事では、建築業界の積算についての概要や仕事内容、流れ、積算作成に必要な能力やスキルについて解説します。積算と見積もりの違いについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

建築業界における積算の基本知識

並べられたネジやビス

まずは積算の概要や必要性といった基本知識について解説します。

積算とは

積算とは、建築や土木工事において建築物や土木構造物が完成するまでに発生する金額を算出するための業務です。設計図や仕様書などから、建設や工事に使用する建材や数量を算出し、人件費や材料費、工事費などの各費用を予測し、積み上げていくことで全体の工事原価を算出します。

積算の役割や必要性

建築業界は工事や建築価格に標準的な目安がありません。製造業などの他の分野と比較すると、似ている案件でも費用が都度変動しやすいという特徴があります。受注する工事や建築物によって必要な人員数や施工環境、設備や資材、工法などが毎回変化するためです。

さらに、気候条件や建材の市場価格など、工期が伸びたり費用がかさんだりといった要素も多くあります。同じような過去の建築工事案件の費用データは参考にならないことがほとんどのため、積算は実際の案件で都度必要な正確な費用を算出するために必要な作業と言えるでしょう。

積算作成を行うことで、工事全体で発生する原価を正確に把握できるため、適切な予算組みや利益の把握にもつながるでしょう。また正しい積算によって適切な工事項目や費用が見積書に記載されるため、発注者からの信頼を得ることにも結びつきます。

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積算と見積もりの違い

傷ついた壁と見積書

建築業界における見積もりとは、工事の開始前に必要な費用や工期、工事の内容などを記載し提示したものです。積算と見積もりの違いが分からないという方も多いかもしれません。

積算は工事原価を算出したものであるのに対して、見積もりとは積算の金額に会社や現場で発生する経費や利益を加算した金額を算出したものです。見積もり額は「積算額+一般管理費+粗利益」の式で計算されます。

積算金額のみで工事を請け負ってしまうと、利益が出せず経費分がマイナスとなり赤字となってしまいます。そのため積算で算出した金額に経費や利益を上乗せし、発注者や顧客へ提示するというのが見積もりの役割です。
積算で原価を正しく算出していないと、適切な見積もりも出せないと言えるでしょう。

なお一般的に積算は自社内で検討するために行われ、見積もりは発注者などの社外へ向けて行われるというのも異なる点です。

建築業界での積算業務の仕事内容と具体的な流れ

アナログ計算機

発注者への見積もり提示を行うためにも、そして自社が正確な利益を把握するためにも積算は必須のプロセスと言えます。具体的な積算業務の仕事内容を流れに沿って解説します。

材料費の計算(拾い出し)

まず設計図や仕様書より工事に必要な材料費を算出します(材料の数量×単価)。数量については、工事の種類、期間、規模、現場の環境などを踏まえて各材料の必要数量を正確に拾い出すことが重要です。

人件費の計算(人工の計算)

作業員の人件費を計算します。1日8時間における人件費を示す「人工(にんく)」と呼ばれる単位を使用し、算出するのが特徴です。人工は工事の要件によっても変動するため、設計図や仕様書の詳細情報をしっかり確認し、正確な人工を把握しましょう。

建築工事の原価算出と管理

材料費や人件費の計算が終わったら、総工費を算出します。工事単価は工種ごとに、一般財団法人建設物価調査会発刊の「建設物価」や一般財団法人経済調査会の「積算資料」などを参照し、算出しましょう。

建築工事の原価の算出が終われば、基本的な積算作成は終了です。ただし積算担当者は一般的に、工事費用の算出だけでなく建築工事の原価管理も行います。

書類作成

積算で算出した結果を、内訳明細書や内訳書、単価比較表、明細書、仕訳票などの書類に記載します。工事ごとの規格や数量、単価を正しく表記し、最後に記載漏れや誤りがないことを確認しましょう。

積算業務に必要となる知識やスキル、向いている人の持つ能力

グータッチをする人々

積算業務では、正しく数値を出すという業務の性質上、さまざまなスキルが求められます。具体的に必要となる知識やスキル、能力について解説します。

計算能力

積算には高い計算能力が求められます。正しく計算を行い、適切な数値を記載し積算を完了させることは業務上の必須事項です。計算ミスが多い、いい加減な数値が多いといった場合、発注者や顧客からの信頼を失ったり、金銭面でのトラブルに発展してしまったりといったリスクがあります。

コミュニケーション能力

積算作成時、設計図や仕様書に不明瞭な点や疑問点が生じたときには、そのままにせず設計者や担当者へ確認を行わなければいけません。周囲の関係者とすぐに連携を取る必要があるため、積算担当者にはコミュニケーション能力も求められます。

建築工事に関する専門的な知識

顧客や発注者が納得できる見積もり書を提示するためにも、積算担当者には以下のような設計、工事、工程などの建築に関する専門的な知識が求められます。

  • 計画図、設計図、仕様書などを読み書きできる能力
  • 施工計画の作成能力
  • CADやBIMでの図面作成能力
  • 建設専門用語
  • 工事過程、工法の理解
  • 建設材料などの数量計算能力
  • 専門工事の価格相場の知識
  • 建設材料価格、職人などの人件費の一般的な相場への理解
  • 景気変動や市場に応じた工事価格の増減を予測できる能力

慎重さ

積算は、仕様書や設計図から正確なデータを読み取ったり、データ上でおかしいと感じるところを見つけて対処したりといったことも求められます。業務上、慎重かつ丁寧に物事を進められる人が向いているでしょう。

積算作成や業務に役立つ関連資格

机の上のコーヒーとスマホと白い紙

積算業務を行うこと自体に特別な資格は不要です。ただし、関連する資格を取得しておくと、積算業務が円滑に進むだけでなく、資格を提示することによって発注先からの信頼を得たり、社内の規定によっては手当の支給が受けられたりというように、メリットを得られることがあります。

積算作成の業務上で役に立つ関連資格の概要を解説します。

建築積算士

建築積算士は、公益社団法人日本建築積算協会の認定する資格制度です。以前は国土交通省の認定資格でしたが、2001年4月1日より民間資格となっています。

取得することで、建築工事分野の数量算出、工事費算定など「建築積算に必要となる基礎知識を得ている者」としての証明となります。一次と二次から成る建築積算士試験に合格すれば、建築積算士資格を取得可能です。


▼建築積算士の取得方法や概要については、以下の記事で詳しく解説しています。
建築積算士資格とは? 難易度や試験内容、取得方法について解説|FCA JOURNAL|建築CAD - 福井コンピュータアーキテクト

建築士

建築士は、建築士法によって定められた建物の設計・工事監理を行うための資格であり、建築のプロフェッショナルであることを示す国家資格です。

取り扱える建物の規模や用途、構造などに応じて一級、二級、木造の3つの資格があり、それぞれで対応する業務範囲が異なります。

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建築コスト管理士

建築コスト管理士は建築積算士の上位資格にあたり、積算に関連する知識や技術をコストマネジメントおよびプロジェクトマネジメントの分野にまで拡大したものであり、より幅広い業務に携われる資格です。

建築のライフサイクル全般において、コストマネジメントを担当する高度な知識や技術を有する技術者であることの証明となります。

施工管理技士

施工管理技士とは、建設業法の規定に基づく国家試験です。建設工事のスムーズな施工と工事完成品の品質確保の観点より、施工管理の分野に特化した技術者育成を目的とした資格となっています。

施工管理技士を取得すると、建設業の許可基準のひとつである「営業所ごとに置く専任の技術者」や「建設工事の現場に置く監理技術者」、または主任技術者になることができます。

未経験から積算業務へチャレンジする際のポイント

ジャンプする人

積算作成は、建築工事において必ず行わなければいけない重要なプロセスであり、重要性の高い業務です。積算業務は未経験でも行うことができますが、業務の性格上覚えて置かなければいけないポイントも多くあります。

未経験から積算業務へ挑戦するときに、あらかじめ踏まえておきたいポイントを解説します。

最低限の知識や計算力を身につけておく

未経験から積算業務に携わろうとすると、専門用語や専門的な知識の習得に時間がかかってしまうことがあります。円滑に積算の業務を習得するためには、あらかじめ最低限の建築に関する知識や計算力を身につけておきましょう。

特に未経験からの積算業務は、積算と営業職など他の業務を並行して行う必要がある場合があります。他の業務の量が多く時間を圧迫してしまい、なかなか実務に携われなかったり、知識を得るのに時間がかかったりすることがあるかもしれません。業務を通じて知識や計算力を磨いていくうえでも、土台となる知識や計算力があれば、より習得も早くなります。

専門知識や建築の最新情報を常に勉強する

建築業界においては、工法や材料、技術なども常にアップデートしています。基礎となる専門知識を学んでおくのはもちろんのこと、積算業務を続けるうえで常に最新の業界知識を勉強しておくことも重要です。

また、建築業界では市場の動向などが費用へ大きな影響を与えます。積算に関連する法規や基準が改正となることもあるでしょう。アンテナをしっかりと張り、最新情報を積極的に取得するようにしましょう。

周囲との連携をしっかりと取る

積算作成によって算出した予算に対して、依頼主と自社との間でトラブルが起きたり、調整不足によって積載担当者自身が板挟みになってしまったりといったこともあります。

常に周囲の人とコミュニケーションを取り、板挟みになってしまっても円滑な擦り合わせをしながら業務を遂行できる状態を整えておきましょう。

建築業界における積算業務で発生しやすいおもな課題と解決策

チェックリストを持つ手

積算業務上、発生しやすいいくつかの課題があります。あらかじめ解決方法を覚えておき、円滑な積算作成につなげましょう。積算業務上で発生しやすい課題と解決方法を解説します。

作業者の責任や負担が大きい

万が一積算上で計算ミスをしてしまうと、小さなミスでも大きな損失となることが多いです。積算は作業者の責任が大きな業務と言えるでしょう。また依頼者や建築士などが仕様変更を行うたびに、積算についてもやり直しを求められます。必然的に繁忙期は残業が多くなりがちで、積算担当者にとって業務上の負担も大きいものとなるでしょう。

積算業務上での作業者の負担を軽減するためには、業務効率化を図ることが有効です。たとえば未経験者でも操作しやすい積算の専用ソフトを導入するなどの方法があります。

作業がマンネリ化しやすく根気が必要

積算業務では、設計図や仕様書に記載された数値やデータから金額を計算する、言わばとてもシンプルな作業を粛々と行うこととなります。数値やデータは正確に読み込みながら、コツコツと継続した作業が必要となるため、根気が求められます。

作業のマンネリ化により、積算担当者のモチベーションが下がったり、作業が雑になり正確性が担保できなくなったりすることがあるかもしれません。マンネリ化を防ぐためには、積算業務で発生している無駄な作業を徹底して排除し、効率化を進めることが重要です。

ヒューマンエラーが発生する可能性がある

積算を手計算や、エクセルなどのファイル上での手入力で行っている場合、積算費用の入力漏れ、入力した場所のズレによる計算ミス、どのファイルが最新版かわからなくなる、といった人為的なミスが発生しやすくなるでしょう。積算作成時はもちろんのこと、データを紛失または消去してしまうなど作成後のデータ管理においても人為的なミスは発生します。

手計算やエクセルなどでの管理から、専用ソフト導入へ転換することで積算に関連する人為的なミスを防げます。
たとえば福井コンピュータアーキテクトの3D建築CADシステム「ARCHITREND ZERO」には、過去見積もりからの工事項目や拾い出し項目の再利用、CAD図面からの数量や仕様の自動集計といった、積算業務を効率化させる機能が充実しています。

また、エクセル感覚で使用できるクラウドCADシステム「ARCHITREND ONE」においても、積算業務の効率化につながる「積算オプション」をリリースしています。

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建築業界での積算業務効率化は、価格競争でも優位に

建築業界における積算の概要や重要性、積算で必要となるスキルや能力、資格について解説しました。建築業界において積算業務は見積もり提示とも深い関わりがあり、必須の業務です。また、積算で正確な原価を算出することで経費や利益も把握できるようになります。自社が価格競争で優位に立つためには、専用のソフトの導入などにより積算を正確かつ効率的に行える環境を整えることが重要です。

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