積算設計の業務内容や必要スキルを整理
積算設計とは、設計図面や仕様書の内容から、その工事を完成させるために必要な工事費を算出する専門的な業務です。金額を出すだけでなく、工事の予算計画や事業の採算性を評価する上で重要な役割を担います。設計段階で精度の高い積算が行われていない場合、着工後の予算超過、受注率の低下等につながります。つまり、積算設計は事業性を左右する工程といっても過言ではありません。
積算設計の主な業務内容
積算設計の業務は、設計内容の把握から総工費の算出まで多岐にわたります。主な内容は以下のとおりです。
【設計図書・仕様書の精読】
図面や仕様書を確認し、構造、仕上げ、使用材料、施工条件を整理します。設計変更や特記仕様の有無も確認します。
【数量の拾い出し】
図面にもとづき、コンクリート体積、鉄筋数量、仕上げ面積などを計測します。数量の正確性が原価精度に直結します。
【費用・人工の算出】
算出した数量に単価や歩掛を適用し、材料費・労務費を出します。人工(にんく)とは、作業員1人が1日(通常8時間)でこなす作業量を1とした単位のことです。人工に労務単価を掛けることで、労務費を算出できます。
例:ある作業が0.5人工と設定されており、作業員の日当が25,000円であれば、その作業の労務費は12,500円
【総工費の集計と書類作成】
直接工事費、共通仮設費、現場管理費などを集計し、内訳明細書を作成します。算出根拠が追える構成にしましょう。
近年はBIMの活用が進み、設計変更時の数量再計算やコストシミュレーションを行うケースも増えています。また、建物の維持管理や解体までを見据えたライフサイクルコストの検討も業務範囲に含まれます。
積算設計に必要なスキルと知識
積算設計には、建築技術と原価管理の両面の理解が必要です。主な重要スキルと知識は以下の通りになります。
【知識】
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設計図書・仕様書の読解力:図面から構造や仕様の違いを把握し、数量とコストへの影響を理解する知識
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工事費の構成:直接工事費、間接工事費、一般管理費などの費目構造を理解する知識
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建設材料と市場動向:材料特性と市場単価の変動を把握し、価格を積算に反映する知識
【スキル】
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計算力と検証力:数量計算と金額算出を正確に行い、誤りを検出する力
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IT活用力:積算ソフト、Excel、BIMツールなどを用いて業務を効率化する力
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調整力:設計者、施工担当者、発注者との間でコストに関する説明や調整を行う力
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見積もりと積算の違いとは? 建設工事における定義や業務の流れ、ポイントを解説|FCA JOURNAL|建築CAD - 福井コンピュータアーキテクト
積算設計の手順
積算設計は、主に以下の5つのステップで進められます。
【STEP1:図面・仕様書の読み取りと把握】
設計図面と特記仕様書を読み込み、施工範囲と現場条件(搬入ルートの制限など)を整理します。この段階の読み違いは後工程の誤差につながるため、最初に全体像を固めましょう。
【STEP2:必要な材料・作業員のリストアップ】
工事内容にもとづき、必要な資材(種類・数量)と職種を洗い出します。
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材料:電線、配管、エアコン本体などの部材をリスト化
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作業員:必要な職種と人数を整理
この段階では、漏れ防止のためチェックリストを併用するとよいでしょう。
【STEP3:材料費・労務費の積み上げ計算】
リストアップした項目に最新単価を当てはめ、費目ごとに合算します。
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直接工事費:材料費、労務費、機械経費などを集計
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間接工事費:共通仮設費、現場管理費などを基準に従って算出
【STEP4:歩掛を用いた算出】
労務費は歩掛を用い、「数量 × 歩掛 × 労務単価」で算出します。公共工事は標準歩掛、民間工事は自社実績や協力会社のデータを参照します。
【STEP5:内訳明細書の作成とチェック】
算出結果を「項目・数量・単位・単価・金額」の形式で整理し、内訳明細書(積算書)を作成します。最後に、計算ミスや拾い漏れがないかダブルチェックを行い、整合性を確認しましょう。
▼詳細な手順は、別記事も参照してください。
積算とは? やり方や成功ポイント、おすすめのソフトを解説|FCA JOURNAL|建築CAD - 福井コンピュータアーキテクト
積算設計をするなら専用ソフトを活用しよう
積算設計は、プロジェクトを支える重要業務です。一方で、手作業やExcel中心の運用では、作業量の増大と入力ミスのリスクを避けられません。図面から数量を拾い、単価を調べて計算する工程は時間を要します。確認作業も含めると、担当者の負担は大きくなることでしょう。
こうした課題に対し、設計データと連動する専用ソフトの活用が有効となります。福井コンピュータアーキテクトの3D建築CADシステム「ARCHITREND ZERO」は、設計操作と数量算出を連動させる仕組みを備えており、壁や柱、建具などの部材情報をもとに数量を抽出し、工事費へ反映できます。
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