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トータル5名で高価格市場を開拓。高性能&高品質な家づくりのため現場Plusによる現場効率化を推進

PASSIVE DESIGN COME HOMEは、パッシブデザインの設計手法を基盤に高性能&高品質な家づくりを進める新タイプの工務店。設立4年目には契約受注棟数13棟を突破するなど、急成長を続けている。そんな同社のもう一つの特徴が少数精鋭主義と徹底した省力化。その取り組みの一環として「現場Plus」を導入した。その背景と狙いについて代表の木村氏に伺った。

少数精鋭で高価格帯市場を狙う

──コロナ禍でも業績好調と聞きました

ええ。創業5年で達成する予定だった目標を、4年目で達成できそうです。社員も2人から3人増えて事務所が手狭になったので、来月もっと広い所へ移転する予定です。もちろん、企業コンセプトは創業時と変わっていません。パッシブデザインの設計手法を基盤に、安心で快適で省エネ性にも優れた高価格帯の家づくり。これを少数精鋭で行っています。創業以来のこのスタイルが、思ったより早く市場に受け入れられた感じですね。


──高価格帯のお客様も多かったのですね

そうした顧客は以前から存在していましたが、何処に居るか分からず、そのニーズの受け皿もありませんでした。こうしたお客様がハウスメーカーへ行くと「せっかく高いお金を出すのに規格住宅なんて面白くない」と感じ、有名設計事務所へ行くと今度は高価すぎて「施工費用が不安」となるわけです。


──そうした方のニーズに御社が応えた?

応えられると気づいてもらえた、ということでしょうか。実は今年、進めていた物件が次々完工したため、集客に力を入れることにしたんです。少々お金もかけてインスタ等で情報発信し始めたら、一挙にお客様が集まりました。この8月など以前の5倍も集客があり、しかも来場する方のクルマがベンツやBMW、レクサス、テスラといった高級車ばかり。そういったお客様は予算で言えば5000万円クラス。もちろん建物だけでですよ。

「手間をかける」ために徹底した省力化を

──供給棟数はどこまで増やす計画ですか?

実はもうこれ以上、あまり増やすつもりはありません。むしろ「この状態をいかに維持していくか」が課題で、社員数も最大6名までにしよう思っています。具体的には社員6名で売上6億が最終目標。2年後には実現したいですね。同時にこれを「いかに効率的に実現するか」がもう一つの重要な目標です。もともと私たちの家づくりは非常に手間がかかるので効率化が必須なのですが、効率化で浮いた分は給与の形で社員に還元します。

──手間のかかる手法とは?

パッシブデザインは、きめ細かなシミュレーションとプランを並行して進めるので、とても時間がかかります。もちろんハウスメーカーの規格型住宅とは対局的な「手間をかけたからこんなに良い!」ということを表現したいので全力で取り組みますが、全てがそれでは経営が成り立ちません。省力化できるところはどんどん省力化する必要があるんですね。そこで重要なのが、ARCHITRENDや現場Plusのようなシステムツールの活用です。

現場効率化が次の大きな課題

──FCA製品による省力化とは?

創業時から設計ではARCHITREND ZEROを使っていますが、これと連携する積算システムを構築し活用しています。ARCHITRENDデータから数量を拾って自動積算するので、木造なら5分で見積りが出せます。もちろんARCHITREND ZEROのCGの作りやすさもプレゼン等でフル活用しているし、省エネ計算や日照シミュレーションもARCHITREND ZEROに連動させて仕組化し、いかに少数で素早くやるかを追求しています。


──だからトータル5名でこなせるのですね

ええ。こういった工夫で設計業務はかなり効率化できました。いまでは、他社なら3日かかるだろう作業を、当社は半日でやっている。そんなイメージです。しかし、実は現場の方がそれに追いついてない部分があって……。次は「いかに現場を効率化していくか?」が大きな課題となっています。で、何か良いツールはないかな?と探し始めた時に紹介されたのが、現場Plusでした。


──導入検討等はされましたか

はい。私はパッシブデザインのコンサルタントも行っているのですが、そのコンサル先の一社が現場Plusユーザーだったので、使用感等を聞いてみました。すると「実は他社製品を使っていたが、現場Plusに乗り換えた」と言うんです。「機能は同等なのにずっと安価だし、他社製品ができなかった“掲示板やトークでの既読/未読の確認”も、現場Plusは可能だったから」と。実際、その会社の現場ではすでに皆使いこなして評判も良いというので、ウチもやっていこうと(笑)。

「名古屋 都心を眺める家」

現場Plusを核に一人で一物件全てを完結

──現場Plus導入の具体的な目的は?

まず現場Plusのようなツールが現場に浸透すれば、皆がこれを一つの同じ軸にして動いていけるので、全体としてさらに効率が進むのではないか……という期待があります。特に当社は設立4年目の若い会社なので、協力会社各社との意思統一も充分とは言えません。安全協力会を作って現場Plusを浸透させていくことで意思統一を図り、業者とのやり取りもどんどん効率化していきたいのです。


──具体的な活用方法はお考えですか

工程表での工程管理や進捗報告、図面の共有や管理、掲示板、トークによる現場とのコミュニケーションですが、一番の狙いは、お客様や協力業者とのやりとりを現場Plusで行い「言った言わない」を無くして効率化していきます。お客様に対してごまかしはいけないし、言ったことは誠実に実行すべきですが、同時に根拠は明確であるべきでしょう。言った言わないでお互いに嫌な思いをしないで済むようにしたい、それが現場Plusに一番期待している点です。それは対業者も同じですね。この金額で決めたのに、これは追加だったのか違うのか?とか……そんなトラブルに時間を取られたくありませんから。


──写真管理についてはいかがですか

協力業者が撮った工事写真をそのままこちらで見られるなら、監督が行かなくてもある程度現場の状況が分かるので効果は大きいでしょう。その省力化で生み出した時間で、他の現場を見ることもできますね。上手くいけば、現場担当が設計まで任せられるかもしれません。当社は少数精鋭なので、設計が営業もコーディネーターも兼ねています。できれば現場も兼ねさせたいのです。現場Plus内の情報さえ把握しておけば、一人でその物件の全てを完結できる状態が理想です。また将来的には、現場Plusと連携する基幹システムも導入して取り組みたいですね。

取材:2021年9月

木村 真二代表取締役
一級建築士

株式会社PASSIVE DESIGN COME HOME

■代表者/代表取締役 木村真二
■所在地/愛知県名古屋市
■設立/2018年6月
■事業内容/新築住宅設計・施工・リフォーム・リノベーション・外構工事・設計施工・住宅コンサルティングその他

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