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株式会社PASSIVE DESIGN COME HOME

ARCHITREND ZEROによるパッシブデザインで
高価格帯&高付加価値の家づくりを推進
次世代型地域工務店がめざす新たな事業モデル

ARCHITECT STYLE LAB/株式会社PASSIVE DESIGN COME HOME

名古屋のPASSIVE DESIGN COME HOMEは、社名の通りパッシブデザインによる住宅作りをめざして2018年に設立された、新しいハウスビルダーです。現在は代表の木村真二氏のほか社員1名だけのミニマムな体制ながら、設立1年目早くも3棟もの高価格帯住宅を受注し、受注金額はすでに2億を超えています。その原動力は、木村氏が設計する高付加価値なパッシブデザイン住宅と、2名体制での展開を可能とする高効率な家づくり。そしてそれを支援するARCHITREND ZEROの活用にあります。そんな同社独自の経営理念とARCHITREND ZEROの活用法について代表の木村氏に伺います。

これからの地域工務店はどうあるべきか

新会社設立の背景と狙いについてお聞かせください

木村

現在の住宅市場で「これからの地域工務店がどうあるべきか?」を考えると、すでに供給棟数の多い所はともかく「これから起業しよう」「強くしよう」という会社が棟数を追って成功するのは、すでに難しい局面です。業界では省エネ化や耐震重視の流れがどんどん強まっており、高度化する住宅性能の話題を避けて通れなくなっています。その対応にはコストがかかるため一棟単価はどうしても高くなるわけです。ならば、これから始めるならむしろ一棟単価を上げて売上を確保すべきでは、というのが私の考え。目指すべきは老舗の饅頭屋さんみたいな方向(笑)……つまり、一棟単価が高い高付加価値の家づくりなのです。

具体的にはどのような目標を?

木村

当社の事業モデルでは一棟単価を4000万円と高めに設定しており、これを年間10棟程度建てようと考えています。そこで粗利を3割とすると1億2000万円で、これを私を含め(現状では2人)4人で達成すれば、1人あたりの粗利益は3000万円となります。一方、仮にウチと真逆な、たとえば1棟単価2300万円の家を40棟作る会社なら売上は9億2000万円で、こういう低価格指向の会社では利益を載せにくいので粗利は28%程度として約3億1000万円。これを30名でやれば1人あたりの粗利は858万円に過ぎません。……果たしてどちらの社員が幸せでしょうか? どちらが会社にお金を残せるでしょうか?

低価格多頭販売は難しい時代?

木村

今でもどんどん若い社員を入れて会社を大きくしていこう、ブラントを作っていこうという会社は少なくありません。でも、社員さんの顔を見るとどこも疲弊しています。建築業界というのはどうしても深夜残業や休日出勤が当り前になりがちですが、そういうやり方では、一時的に会社が伸びてもそれを長続きさせることは難しいでしょう。せっかくなら長続きする会社を作りたいですよね。……ただし少数で高付加価値の家を作る以上、とにかく徹底的に効率化を図っていく必要があります。私が会社を設立して早々にARCHITREND ZEROを購入したのは、それがあったからです。

ARCHITREND ZEROによるプラン

ARCHITREND ZEROによる平面図・外観

ARCHITREND ZEROによる平面図・内観

徹底した効率化に最適なツール

なぜARCHITREND ZEROを?

木村

私自身が前職でARCHITREND ZEROユーザーだったということも大きいですが、他にもいくつか理由があります。まず、設立1年目は受注した家ができ上がるまでお金が入りません。そこでその間の資金を繋ぐため、25社ほどの工務店と契約し、コンサルタントの仕事を行っています。実はそのお客様のほとんどがARCHITREND ZEROユーザーで、だから私もARCHITREND ZEROを使った方が都合が良いのです。そして最後の理由は、このARCHITREND ZEROが前述した当社の事業モデルの大前提の一つである、「徹底した効率化」に最適なツールだからです。

どのような使い方で効率化を?

木村

もちろんARCHITREND ZEROの作図や3D制作における使いやすさやプレゼン機能の高さは大きなポイントですが、それだけではありません。たとえば当社では設立直後に独自の積算システムを構築しましたが、このシステムがARCHITREND ZEROと親和性が高いのも重要なポイントでした。ARCHITREND ZEROデータから数量を拾い出して自動積算できるので、木造なら5分で見積りが出せるのです。また、積算側で入れ込んだ内容もARCHITREND ZEROの図面に反映できるのです……画期的ですよね。そして、もう一つの理由は前述の「高付加価値」の対象として私たちが活用しているパッシブデザインの設計手法においても、ARCHITREND ZEROの機能や使い勝手が威力を発揮しているからです。

ARCHITREND ZEROがパッシブデザインで果たす役割とは?

木村

ご承知のとおり、パッシブデザインとは、太陽の自然光や熱、風などの自然エネルギーを活用した設計で、住まいの快適さと省エネを実現する家づくりです。これを実践するには、たとえばどれくらいの長さの庇やルーバーでどれだけ夏の日差しを遮れるのか?窓のサイズはどれくらいが最適なのか等々、パッシブデザインでは、設計しながらいろいろとシミュレーションしたり計算したりする必要があるわけです。その点、さまざまな機能を備え、他の専用ソフトとの連携にも優れたARCHITREND ZEROなら、こうした細々した作業をスムーズに行いながら設計していくことができるんです。

江南市のパッシブデザイン住宅

「省エネ」と「快適」を同時に実現する

なぜ「高付加価値」としてパッシブデザインを?

木村

「いま住まい作りで何が重視されているか?」を考えてみましょう。この問題を調査したあるデータを見ると、1位は「お金」でした。でも、お金って「安い方が良い」人もいれば「良いモノは高い」という人もいて参考になりません。一方、2位は「耐震」で3位が「省エネ」、4位が「快適」でした。で、「耐震」は当社も許容応力度計算するなどして耐震等級3以上を実現しています。で、次が「省エネ」と「快適」で、これを同時に実現するのがパッシブデザインです。パッシブをやっている所はまだ少ないし、差別化にもなりますからね。このようにして耐震、省エネ、快適の全てを実現し、デザインも優れていれば、きっとお客様に選んでいただけるだろうと考えたのです。

設立して間もなく1年ですが達成度は?

木村

完工した物件はまだありませんが、1年目の受注金額を総計すると合計3棟で2億2000万円ほどになりました。現在は社員2人体制なので、今期だけ粗利を28%に落としましたが、3棟しかやっていないのに1人あたりの粗利は3000万円を超えていました。創業当初に計算していた10棟を建てた場合の粗利と同額を、2人体制で実現してしまったわけです。これに加えて私が行っているコンサルタント業の売上もあるので、会社としては1年目からかなりがっちりした基盤を作れたかな、と思っています。これを生かして、ARCHITREND ZEROやその他のソフト類も買い足したいし、ホームページもリニューアルしたいですね。そして、さらに良い家を作っていきたいと考えています。

今年の目標は?

木村

やはり、私自身が成長しないと会社も成長できないので、もっと勉強したいですね。実際、この春から改めて京都造形芸術大学の通信制大学院に入学し、デザイン等の勉強をしています。通信制とはいえ月1度はスクーリングがあるし、1〜2週間に1度は勉強し課題も出さなければなりません。その他に……私は非常に多趣味なので、バンド練習やボーカルレッスン、ギターレッスンにも通っていますし、フットサルとサッカーの試合にも出場しているんですよ。

オフィスは「JPタワー名古屋」21階のシェアオフィスにある

お忙しそうですが、バンドを止めるお気持ちは?

木村

全くありません(笑)。

※取材:2019年4月

木村 真二代表取締役

株式会社PASSIVE DESIGN COME HOME

所在地
名古屋市中村区
代表者
代表取締役 木村真二
設 立
2018年6月
事業内容
新築住宅設計・施工・リフォーム・リノベーション・外構工事・設計施工・住宅コンサルティングほか

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