現場Plusで営業・設計・現場が必要な情報に素早くアクセスして「コスパの良い」家づくりを推進
滋賀県栗東市の西和不動産は、不動産会社ながら宅地開発や分譲地の提供、さらには注文住宅の設計・施工も展開する家&町づくりのプロ集団である。特に住宅性能とローコストを両立させた、コストパフォーマンスの高い家づくりに定評がある。そんな同社が今年1月、現場Plusの導入・活用を開始した。その狙いと背景について、同社常務の宮嶋秀司氏に伺った。
「コスパの良い家」づくり
──地元ではよく知られた会社だそうですね
創業して33年になりますが、一貫して地域に密着した展開を続けています。急成長ということはありませんが、コンスタントに年間70~80棟の住まいを供給し、延べ供給棟数は2,000棟超。いまや地域に根づいた会社として認知されています。事業の主柱は売建住宅、つまり土地をご契約いただき、そこに注文住宅を建てるやり方での家づくりで、これが売上全体の約8割を占めています。
──他社差別化のポイントは?
当社では、アフターまで含めて家づくりの一連の流れを一人の営業マンがトータルにマンツーマンで担当し、ずっとお客様と直に関わらせていただいています。そのせいか、お客様からは「安心」というお声をよく伺いますね。お陰様で「クレームの無い会社」というのが当社の特徴かなと思っています。
──家づくりに関してはいかがですか
当社では「コスパの良い家」を作ることを標榜しています。実際、建てる家の8割以上は太陽光発電を標準搭載し断熱性能もUA値0.6以下のZEHクラスを実現。イニシャルコストもランニングコストも安い家を作っています。また、基本的にはお客様のご要望に応えて作る注文住宅が中心ですが、コストをさらに抑えた規格住宅のシリーズもあり、お客様のニーズに合せてご提案しています。
現場の声に応えて現場Plusを導入
──現場Plusの導入背景をお聞かせください
実は、当社では現場Plus導入の3~4年前から、別の施工管理ソフトを使っていました。ところが、その使い勝手に関して現場からの不満の声が上がり、変えようということになったんです。それで今年1月頃、各社の製品をいろいろと比較検討した上で、現場Plusを選んだ……と言うのが導入経緯です。
──現場からの不満とはどのような?
もともとそのソフトは図面の管理や工事写真のデータ保存等に使うつもりで導入したのですが、その機能に問題があって。図面等の新しいデータをアップすると通知が届くのですが、そこから当該図面のデータにたどり着くまでの操作が手間と言うか……。いちいちパスワードを要求されたり、直接図面に飛べないとか、些細なことですが、日常的に何度もやるとなるととても面倒でした。
──現場Plus選定の決め手は?
現場Plusなら、ボタンを1~2回押せば即座に図面へ行き着けますからね。このたどりやすさ、早さがもちろん一番の選定理由ですが、やはり値段の問題も大きかったです。それと「トーク」機能による双方向コミュニケーションの充実も大きな魅力でした。
安全で使い勝手の良いデータ保管場所
──現在、現場Plusをお使いなのは?
本社側では営業マンに設計、現場側では監督さんに職人さんですね。他にいずれアフターを担当することになるリフォー厶の人たちにも、ひと通り図面を見てもらえるよう持ってもらっています。また、操作法の習得については、前回の他社製品の導入時には皆を呼んで勉強会を行いましたが、今回は主要メンバーだけ呼んで説明し、後は各自に任せました。「分からない時は聞いてね!」と(笑)。その後の使われ方を見ていると、みんな問題なく使えているようです。
──実際の運用はどのように?
まず、現場ごとの図面や工事写真、その他書類等あらゆるデータの保管場所としてクラウドを使っています。データは安全に分かりやすく保存され、また図面等は随時更新されて、必要な時にその最新の図面を参照できる……そういう保存先ですね。工事写真は、各協力業者さんに「こういう写真を撮ってアップして」とお願いしており、営業や設計はそれを見て現場の状況を把握しています。
──書類については?
確認申請関連等さまざまなものを入れます。たとえば当社では築後3カ月・1年・5年・10年・15年と定期巡回を行いますが、そこで使う巡回法の書類等もフォルダーに入れておきます。その他の使い方としては、やはりコミュニケーションツールとしてですね。
──「トーク」や「掲示板」でしょうか?
ええ。以前の他社製品にも「トーク」的な機能はあったものの使い勝手が悪く、もっぱらLINEを使っていました。でも、LINEの場合、数カ月経つと図版や画像が消えてしまうので少々使い難いのです。やはりきちんと履歴が残る現場Plusの「トーク」の方が安心ですね。また、掲示板については、協力会社会への案内等に使うことが多いようです。
──朱書き機能はお使いですか?
よく使っています。図面や写真にいろいろ書き込んで指示を出しています。私流の使い方としては、現場へ行って足場とかいろいろなものを見て問題を感じる箇所があったら、その場で写真を撮って「これ、××じゃないの?」とメッセージを書き込んで送る……と言うやり方をすることが多いですね。口で言うよりも正確に伝わるし、メールほど手間がかからない。しかも、既読/未読も確認できる。便利に使っていますよ。
現場Plusで「ちゃんと伝わる仕組み」を
──導入メリットは感じておられますか?
私自身は、やはり図面にたどり着くまでの煩わしさが解消され、最新の図面にスピーディにアクセスできるようになったのが一番のメリットです。こういう「効果」は、なかなか見え難いものですが、重要なのは、たとえば図面に関わる変更事項が現場の職方や監督に、正確かつ滞りなく伝達されることで。その意味で、目立ったトラブルもなく、きちんと現場が進んでいる現状は、現場Plusで「ちゃんと伝わる仕組み」ができてきている、ということかなと感じています。
──現場の職方さんたちの感想は?
現場Plusに限らず「これ良かった」みたいな声はなかなか届きませんが、前回のような不満の声も聞こえないので……(笑)。
──現場Plusの今後の活用計画は?
アフターサービス業務との連動を、さらに充実させていきたいと考えています。今後、新築需要が減っていくなか、アフター業務を自社でどれだけ回すかが非常に重要になります。前述しましたが、たとえば定期巡回等で使う現場の図面等をスピーディに活用できる仕組み等も考えていきたいですね。