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現場Plusへの乗り換えにより大幅なコストダウンを図りながらより手軽で確実な情報共有を実現

愛媛県伊予市の株式会社相中組は地域密着型の総合建設会社である。ハウスメーカー発注の住宅建築や独自の注文住宅事業を中心に、商業施設、福祉・教育施設、リフォーム等々に取り組んでいる。同社では毎年7月に大規模な安全大会を開いているが、今年はそこで「現場Plus」導入を発表した。当日のレポートと共に同社取締役の相中勇貴氏のインタビューをお送りする。

2023年度 相中組 安全大会(ウェルピア伊予)

本音のコミュニケーションを重視して

 相中組では、基礎や電気、水道、左官等々約40社の協力業者の集まりである相友会や大工の集まりである相親会等、業者会・職人会を設けている。こうした集まりを通じて親睦を深め、互いに本音のコミュニケーションを取れる関係性の構築を目指しているのである。今回同社が現場情報共有アプリ「現場Plus」を導入した背景にもそんな思いがあるようだ。

 毎年7月に協力業者や職人を招いて開催する相中組の安全大会は、安全活動の中心となるイベントの一つである。2023年度は7月11日に、伊予市の総合文化施設「ウェルピア伊予」に100名余の参加者を集めて開催された。

 相友会の副会長による開会の辞によって開会した大会本番では、まず相中組の代表取締役である相中春一氏が登壇。施工現場における労働安全衛生の重要さを訴える力強いメッセージが発せられた。その後、労働安全の専門家により、現場における安全活動について最新の知見に基づく具体的解説が約1時間ほど行われた。そして、約10分の休憩時間を挟んでいよいよ「現場plus説明会」が始まった。

現場Plus説明会

実際に機能を体験する現場Plus説明会

 「皆さん、こんにちは!」。元気いっぱいの挨拶の声が会場の空気を一変させた。「いったい何が始まるのか?」、協力業者や大工たちの興味深げな視線が集まる先には、講師役を任された福井コンピュータアーキテクト(以下FCA)の営業スタッフが立っている。注目する参加者たちに語りかけるような口調で、現場Plusの紹介が始まった。現場Plusはどのようなシステムで、どのようなことができ、どんなメリットをもたらすのか? 会場の参加者の中には、同タイプのアプリ経験者も未経験者もいたが、FCA講師は両者を意識しながら具体的で判りやすい説明を進めていく。

 「では、実際に皆さんに現場Plusのアプリをダウンロードしてインストールしていただきましょう!」。前方のスクリーンに説明画像を映しながら講師が細かく手順を説明していくと、参加者は一斉に自身のスマートフォンを取り出し指示通りダウンロードしていく。

 「上手くいかない方は当社スタッフに遠慮なくお声がけください!」。その言葉通り複数のFCA社員が会場を巡回し、参加者から声がかかれば即座に駆けつける。そこにはスマートフォンを手にFCA社員を囲む小さな輪ができ、すぐに問題は解決して輪は消える。そんな繰り返しで、自身の手で実際に現場Plusを操作しながら、参加者たちは現場Plusによるさまざまな情報共有を体感。写真撮影や朱書き、共有やダウンロード、入退場等々、現場Plusのひと通りの基本機能を学んでいった。

参加者の疑問はすぐにFCAスタッフが解決(現場Plus説明会)

現場の情報共有をより手軽に、確実に

──現場情報共有アプリを導入した背景は?
建設現場という場所は、ご承知の通り多種多様な業種の業者さんや職人さんが入って、当社の監督の指揮のもと、それぞれ作業を行って一つの建物を作りあげていきます。監督と業者さん、職人さんとの情報共有が非常に重要です。ところが、実際にはこれがなかなか難しくて……たとえば現場の地図一つ送るにもいちいち紙に出してFAXしたり、業者さんがわざわざ当社に図面を取りに来たり、どうも手間がかかり効率が悪かったんです。近年はメールも使っていましたが、これも送る側が忘れたり、受け取る側が見逃したりで……。なんとかして現場の情報共有を手軽に、しかも確実にできるようにしたかったのです。

──導入当初の現場デジタル化状況は?
現場情報共有アプリの導入を考え始めた当時は、現場の職人さんも当社の作業員も監督も「パソコンに強い人」はごく一部で、むしろ「できるだけ触れたくない」という人もいましたね。特に「現場肌」の人ほど避けたがる気持ちが強くて……そこへPCシステムなんか導入してもきちんと定着するのか、正直不安でした。ところが現場情報共有アプリなら、パソコンではなくスマホで管理することができる。この点が大きかったと思います。スマホなら現場の皆も大体持っていたし、皆ある程度使ってましたから、使えるだろうと。

──当初は他社製品を導入したそうですが?
ええ。最初に導入した1 年半前の時は、福井コンピュータアーキテクトからそういう製品が出ていることを知らなくて。弊社は長年のARCHITREND ZEROユーザーですから、知っていたら最初から現場Plusを選んでいました。わざわざ乗り換えたりする必要もなかったのに、もう早く教えてよ!と(笑)

スマホを手に説明に聞き入る参加者たち(現場Plus説明会)

さらなる経費削減を図っていくために

──現場Plusへ乗り換えた理由は?
大きなポイントとしては、やはりコスト面の問題ですね。現場Plusは他社製品に比べて格段に安いのです。実際、現場Plusにすれば、月額使用料は半額どころか4 分の1程度になります。そこが非常に大きかったです。なにぶん現場でもいろいろな資材が高騰している状況ですから、とにかく少しでも経費削減を図っていきたかったんです。聞くと「その他社製品とほとんど同じことが現場Plusでできる」という話だったので、同じように使えるなら安い方が良いと考えました。実際、この「スマホによる情報共有」の活用は思っていた以上に効果が出始めていたんですよ。

──どのようなメリットが出ていましたか?
具体的には、前述の現場の地図なども手軽にスマホで見られてそのまま現場までナビをしてくれるし、現場周辺のコンビニや公衆トイレ等の位置情報も簡単に確認できる。現場の人間にとってはどれもありがたいことで、特に20~40代の若い世代の方が「便利だ」と言ってくれましたね。また、従来は情報共有を一気に行うことはできませんでしたが、情報共有アプリを使えば、監督の指示も全業者に一発で伝達し共有できる。これは現場の人間全てにとって非常に大きなメリットです。

──現場Plusへの期待をお聞かせください
元請けとしては全業者さんに同じ情報を共有してほしいんです。それが現場のスムーズな流れに繋がるわけで。結果、弊社の現場監督も仕事しやすくなるし、業者さんもさまざまな無駄の削減に繋がるはずです。そして、もちろん弊社はARCHITREND ZEROのユーザーですから、これを現場Plusと連動させて皆が図面等をよりスムーズに共有し管理できるようになることを期待しています。

全ての協力業者と職人に同じように情報を共有してほしい
それが現場のスムーズな流れに繋がり、メリットを生み出す(相中氏)

施工例

取材:2023年7月

相中勇貴取締役 総務部 部長 兼
㈱マミーハウス 代表取締役

株式会社相中組

■所在地/愛媛県伊予市
■創業/1970年4月
■設立/1990年8月
■代表者/代表取締役 相中春一
■関連会社/㈱マミーハウス他
■事業内容/各種建築の設計施工

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