株式会社スマイルハウス
不動産業のノウハウを活かし格安で提供する中古再生住宅
フロー型からストック型へと転換し始めた住宅市場にあって、注目を集めている中古再生住宅ビジネス。そこでは新築とはまた異なるノウハウが求められます。この新たな成長分野にひと足早く進出し、すでに大きな成果を上げているスマイルハウス(長野県松本市)の山田社長に伺いました。
中古再生住宅の独自ブランドを確立
- 堅固な経営基盤は全国トップクラスですね
-
山田氏
不動産のセイブ、新築のスマイルハウス、施工のウッドハウスのグループ全体を合わせても、社員数は31名に過ぎませんが、おかげさまで住宅会社の経営力ランキングでは全国4位、自己資本比率はビルダー部門3位。経営安全率やキャッシュフローも「理想企業」にランクインしています。
- その強さはどこから生まれるのですか
-
山田氏
当社では新築住宅と「フレッシュアップ住宅」と名付けた中古再生住宅を事業の2本柱としており、他に新規事業としてサービス付高齢者向住宅及び、戸建賃貸住宅事業も展開しています。このうち新築と中古再生はクルマで30分圏内に絞り込んで展開しており、この絞り込み戦略の徹底が当社の一番の強みです。
- 絞り込みの狙いとメリットは?
-
山田氏
30分圏内の近さなら、お客様にとって「何かあったらすぐ対応してくれる」というメリットがあります。裏返せば私たちも、コストや手間をかけずに、全てのお客様をきめ細かくアフターフォローしていけます。また、狭い範囲に集中して建てていくので、この圏内に当社の旗が数多く立ちます。結果、費用をかけず大きな宣伝効果が得られます。実際、周辺での知名度は圧倒的で、松本市内の施工棟数も9年連続ナンバー1です。
- 中古再生住宅はいつごろから?
-
山田氏
始めたのは約10年前ですから、業界でもかなり早い方です。当グループの不動産会社で中古住宅を仕入れているのですが、そのまま転売してもあまり利益が出ません。そこでこれをきれいにリフォームして付加価値を付けて売ることで、収益性を向上させていったのがきっかけです。現在では当社の年間供給棟数(100棟前後)の約4割が中古再生となっています。
- なぜそんなに人気なのですか?
-
山田氏
一番は価格ですね。土地価格は相場価格ですが、建物はきれいに仕上げて新築の七掛けで売っています。重要なのは物件の仕入れですが、当社は不動産から始まった会社なので独自のネットワークがあるんです。また、中古だからこそ安心安全が重要という考えから、中古再生にも最大5年間の瑕疵保証をつけています。築20年以上は住宅ローン控除が取れないので全面リフォームや耐震補強工事を施し、適合証明を発行して住宅ローン控除適合住宅で販売、お客様に新築住宅同様の安心と税金上のメリットを提供しております。もちろん全てARCHITREND Zに入力して家暦を作り、万全のアフターメンテナンス体制で臨んでいますよ。
- フレッシュアップ住宅の今後の展開は?
-
山田氏
住宅流通市場に占める中古住宅の比率を見ると、日本ではまだ欧米の1/6から1/7程度の規模しかありません。国情の違いはあるにせよ、ちょっと異常です。日本には約750万戸の空き家があるわけですし、中古再生が非常に大きな市場となっていくのは確実でしょう。実は現在は消費増税前の駆込み需要で相場が上がっているので、中古再生は休んでいます。でも、消費税が上がり、新築住宅が落ち込むであろう平成27年頃に新しい取組みを開始します。そうした取組みと並行して、多店舗展開も進めていきますよ。当面はまず上田市への出店が目標。将来的にはやはり、長野県全域への展開を目指しています。
※2013年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。