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ARCHITREND ZEROで建築を学び、初めて一から作りあげたプランでリノベーションコンテスト大賞受賞!

2022年に開催されたFCAリノベーションコンテスト2022は、総計120点の応募があり大盛況となった。厳正な審査の結果、大賞に選ばれたのは株式会社雅匠(三重県)の杉野正樹氏である。雅匠は戸建住宅の新築、リフォーム、リノベーションを中心に、さまざまな建築を手がける地域密着型工務店。この雅匠で統括推進本部長 兼 設計監理主任を務める杉野氏は、異業種からの転職組という異色のキャリアの持ち主だという。そんな杉野氏にコンテスト応募の経緯と成果について伺った。

FCAリノベーションコンテスト2022 大賞受賞作品「住み継ぐ家」

応募作は初めて一から作りあげた作品

──コンテストに応募したきっかけは?
きっかけは、やはりTVドラマ『魔法のリノベ』ですね。当社もリノベーションの仕事が増え自分がプランや設計に携わることも多くなっていたので見始めました。するとドラマの中でARCHITREND ZEROが使われていて、なんだか「凄い!」と思ったんです。当時、ちょうど自分もパースやプランが作れるようになってきた頃だったこともあり、力試しというか、挑戦したいなと思いました。

──では、コンテスト等は初挑戦ですか
ええ。応募も初めてですが、プラン自体、私が初めて一から作りあげた作品なんです。元々私は他業界からの転職者で、入社時はほぼ素人でCADに触れたこともありませんでした。ただ建築にはずっと興味があったので……そんな私を大工出身で建築士でもある社長が一から育ててくれました。現在は社長のプラン作成や設計、CG作成のサポート、現場監理まで担当し、ARCHITREND ZEROで図面やパース、提案書を作っています。そうするうち、この機会を生かして自分のヒアリング力や設計力を高めたくなったんですね。

──ARCHITREND ZEROの操作は?
何度かセミナーに参加し、後は半ば独学で1年ほどかけて身に付けました。FCメンバーシップの電話サポートはかなり利用しました(笑)。前述の通り素人だった私にとっては、ARCHITREND ZEROの操作習得を通じて建築のイロハを学べた実感があります。

──応募作は空き時間を使って?
はい。応募作品として5案作りましたが、どれも実物件ではありません。実家や当社の事務員、社員の家を元に考えた架空プランです。各家の間取りをトレースし、それを基に「どんな家が良い?」と皆に聞いて要望をまとめ、プランを練り……もちろんデータはないので図面も一から作り直しました。ARCHITREND ZEROなら元図さえあればパパッと変更できますから、空き時間に図面を作り直しながらプランをまとめていきました。

──応募作への会社の皆さんの反響は?
社長は「面白いのを描いてきたな!」と言ってくれました。で「どんどん応募しろ!」と。また、モデルとして家を使わせてもらった皆からは「このプラン通りリノベしたい!」と言われて嬉しかったです。皆さん「お金があればなあ」とか言ってましたね(笑)

3Dモデルを使って施主と打合せ

最新技術で作る高性能な快適住宅

──雅匠はどんな工務店でしょうか
戸建て住宅を中心に新築はもちろんリフォーム、リノベーション、また店舗や各種の商業施設、オフィス等も手がける地域密着型の工務店です。建築設計事務所も兼ねており、設計単体の仕事も請負っています。

──自社ブランドを展開しているそうですね
「tetote」という住宅ブランドを展開しています。無垢のフローリングや建具、漆喰や珪藻土といった自然素材と高性能な樹脂サッシを全面に用いて断熱・遮熱をしっかり行い、これにF-CONという全く新しい輻射式の全館空調設備を組み合わせることで、一年中快適かつ健康的な住環境を作り出し
ます。

──F-CONとはどのようなシステムですか
F-CONは輻射パネルを利用した、まったく新しいユニークな冷暖房システムです。風や騒音、過乾燥等が発生せず、空気も汚しません。夏なら風や音も無いまま床や天井、壁等も一緒に冷やしますし、冬は逆にこれらがじんわりと暖まっていきます。これまでにないこの快適さを、ぜひ体感していただきたいです。また、tetoteのもう一つの特徴がエアー断震システムです。人工地盤を作った上にもう一つ基礎を作って家を建てます。地震を感知すると自動的にコンプレッサーが作動し、地盤と基礎の間に空気を送り込み、住宅を浮かび上がらせる仕組みです。どれほど大きく揺れても揺れるのは地盤のみ。その上に浮かんでいる家は無傷というわけです。

──設計提案も自社で?
もちろんです。設計事務所も兼ねているので、お客様のライフスタイルに合わせた間取りやプラン提案も得意技です。特に近年はARCHITREND ZEROで作った3Dモデルや、V-styleで仕上げたパースを駆使して行うプレゼンが大きな効果を発揮しています。

「tetote」新築住宅の施工例

古民家の「tetote」リノベーション工事

ビジュアルプレゼンで決定率も向上

──V-style導入はどういう経緯で?
ARCHITREND ZEROはプランやプレゼンにも使っており、パースもパーススタジオ等を使って描いていました。しかし、それが当り前になってくると、徐々にもっと綺麗に仕上げたいと思うようになります。綺麗に描ければ、設計事務所としての「売り」にもなりますからね。そして、2年ほど前にV-styleが登場してすぐデモを見る機会があって、これは凄い! と思ったんです。まるきり写真みたいな仕上りで、誰でも視覚的にすぐイメージできる。だから、お客様も「プランのここがこうなるんだ!」と素早く、しかも具体的に理解することができるのです。すぐに社長に「これ、良くないですか! ?」と見せました。

──社長からは何かフィードバックが?
「うん、良いんじゃない」と。すぐに導入を決めました(笑)。そこからずっと使っています。実際、プラン提案等でフォトリアルなパースをお見せすると「ワッ!」って歓声が上がるんですよ。で「分かりやすい!」って……。さらに3Dモデルそのものを使ったプレゼンや打合せも行っています。事務所の大型ディスプレイでお見せしたり、クラウドに上げてURLをお知らせし、自宅のパソコンやスマホでご覧いただいたり……打合せの内容やタイミング等合わせて使い分けています。

──ビジュアルプレゼンの効果は?
効果は早い段階で現れたと感じています。以前よりも分かりやすく、しかも印象的に説明できている分、クロージング時の決定率も向上していると感じます。実際「他の業者でなく御社にお願いしたい!」と言われる流れが多くなっており、すぐに「プランのここをこう変えよう」と要望が出るようになりました。その時は、その場でバリエーションを提案するんです。内外壁の素材や色、窓の形など、あらかじめそれぞれの仕様としてバリエーションを考え、ARCHITREND ZEROに仕込んでおけば手間や時間もかかりません。

──今後の目標は何でしょうか?
やはり、工務店として地域に密着しながらF-CONなど新しいものを伝え、広めていきたいですね。それもただ伝えるだけじゃなくて、普通に体感していただきたいんですよ。そして、体感していただいた方にtetoteを建てていただき、その体感を通じてさらにいろいろなお客さんと繋がって、tetoteが少しずつ広がっていけばいいなと思っています。

V-styleのパースなら、誰でもすぐ視覚的に仕上りをイメージできるから
「ここがこうなるんだ!」とお客様は素早く、具体的に理解できます(杉野氏)

取材:2023年7月

杉野正樹統括推進本部長 兼
設計監理主任

株式会社雅匠

■本社所在地/三重県三重郡川越町
■創立/2006年3月
■代表者/代表取締役 駒田雅俊 
■資本金/2,000万円
■従業員数/5名(2023年7月現在) 
■事業内容/オリジナル住宅ブランド「tetote」を中心とする戸建て住宅、店舗、事務所、公共建築等の設計・施工、リフォーム、リノベーション他

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