お客様目線のアフターサービスに注力しながら
ARCHITREND ZERO+独自システムで建てる
カーボンエア&耐震等級3の「安心・安全」住宅
大阪府のフジ住宅は、土地仕入れから設計・建築・販売まで一貫体制の戸建住宅分譲事業を中心に、マンション分譲や賃貸マンション事業、賃貸管理事業、さらには土地有効活用事業まで、幅広く展開する住まいのトータルクリエイターです。本社を置く大阪府では住宅着工棟数で3年連続ナンバー1になるなど、関西圏を代表するハウスビルダーとなっています。何よりもアフターフォローを重視する経営理念を基盤に、ARCHITREND ZERO を駆使して安心・安全な家づくりを推進する同社の取組みについて、分譲住宅設計課の本庄氏・鈴木氏に伺います。
安心&安全で自由設計の分譲住宅
- ハウスビルダーとして御社の1番の強みは?
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本庄氏
何よりもアフターサービスを重視する、当社のスタンスそのものが大きな特徴であり、強みだと考えています。実際、常にお客さま目線に立ってアフターサービスに力を入れ、この理念に共感してくださる協力業者様と協力し、決して「売りっぱなし・建てっぱなし」にしない姿勢を貫いています。また、企業規模が拡大しても「何かあった時すぐに駆けつけられる」ように、営業フィールドをクルマで1時間圏内に限定しているのもそのためです。
- こだわりの背景にある思いは?
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本庄氏
この理念の背景には、創業者の今井光郎(現会長)が戸建住宅の営業をしていた頃の痛切な経験があります。当時は住宅業界もアフターサービスを疎かにする会社が多かったそうで、一介の営業マンだった今井は自腹を切ってお客様邸を修理していたそうです。しかし、さすがに大規模な修繕まではフォローしきれず、大変悔しい思いをしたとか。その悔しさを原動力に生まれたのが当社であり、だからこそ、私たちはどこよりもアフターサービスに力を入れているのです。
- 分譲住宅も自由設計だそうですね?
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本庄氏
はい。通常、分譲住宅といえば「建てたものを売る」手法がほとんどだと思いますが、当社はまず土地を販売し、その上でお客様個々の要望に応えて最適な間取りを作り、家を建てていきます。いわゆる注文住宅に近い感じの作り方ですね。ですから、分譲住宅地にも関わらず、当社のそれはそっくりな外観の建物がずらりと並ぶような風景にはなりません。
- 家づくり自体で注力しているポイントは?
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本庄氏
特に「安心で安全な家づくり」を重視しており、これを他社差別化のポイントとしています。具体的には、まず住む方の健康と快適を守る「炭の家」です。床下と1~2階合わせて1トンもの炭を使用し、清浄な室内空気を作り出すカーボンエアクリーンシステムを標準仕様としています。そして、もう一つが高度な耐震性ですね。ARCHITREND ZEROの木造構造計算機能を用いて一棟ごとに壁量計算を行い、標準仕様として全棟で耐震等級3を実現しています。
■ARCHITRENDデータを多角的に活用
- 大阪府では着工棟数ナンバー1ですね?
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本庄氏
はい、この地域では住宅着工棟数の総合部門において3年連続ナンバー1を獲得し、さらに13年連続でベスト3にランクインしています。具体的には年間供給棟数はおよそ800~1000棟ですね。分譲住宅といっても自由設計なので、外観や間取り、内装、外構、設備や仕様等々ニーズにきめ細かく応えて家づくりしています。それだけに、プランニング段階からARCHITREND ZEROや自社システムを駆使して取組んでいます。
- 実際の作業の流れをご紹介ください
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本庄氏
まず開発した土地……分譲地を営業担当が販売します。当初はあくまで土地だけで買っていただき、プランは営業が「どの程度の建物が建てられるか」ボリューム出しする程度。その後、無事に契約が結ばれれば私たち設計担当があとを引き継ぎ、お客様と打合せながらプラン作りに取り掛かります。最初は内容がいろいろ変わるのでプランニングも手描きですね。そしてある程度、間取りが固まったところでARCHITREND ZEROに移行します。
- ARCHITREND ZEROの入力は設計者が?
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本庄氏
いえ、本社に入力専門のCADオペレーター部隊があり、手描きの間取図を渡して入力してもらっています。こうしてCAD部隊がARCHITREND ZEROで立ち上げた3Dデータは、設計担当やアシスタントなどスタッフ皆で共有。設計担当だけでなくCAD部隊やアシスタントもさまざまに活用します。たとえば壁量計算も、CAD部隊が設計担当と連絡を取りながら行います。等級3が難しければ、設計担当が壁量を増やすなど指示しCAD部隊が調整していきます。
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鈴木氏
私たちアシスタントはARCHITRENDデータから詳細図を生成し、電気関係の配線やコンセント位置のレイアウトなどを行います。また、検討用のパース等も作成するほか、当社が独自に開発した自社システムを用いて、お客様の色決めや設備・仕様等の選定をサポートしたり、内外装のシミュレーション・サービスも提供しています。
顧客目線で開発した自社システム
- 内外装のシミュレーション・サービスとは?
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本庄氏
たとえば外壁の色などを、お客様に検討し選定していただく、カラーセレクトというステップがあるのですが、このカラーセレクトを、お客様がよりスムーズに進められるよう、昨年から試験運用を開始したのが「内装・外装シミュレーション」です。
- どのようなシステムなのですか?
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鈴木氏
カラーセレクトでは、スタッフがARCHITREND ZEROの「パーススタジオ」を利用して、お客様がお選びになった外壁の色などを外装パースに反映させることにより、お客様に実際に近いイメージをご確認いただいております。パースをご確認いただく時間は1組約30分のため、実際、お客様の中には時間内に決めきれない方も少なくありません。そこで、そんな方のために、事前にご自宅で配色などをじっくり検討いただこうと工夫したのが、内装・外装シミュレーションです。これは福井コンピュータのWEBショールーム「3Dカタログ」を利用したシステムで、お客様自身が自宅からアクセスしてフジ住宅仕様の内外装カラーシミュレーションを行えるというもの。もちろん全ての仕様から選べるわけではありませんから、お客様には「フジ住宅のこういう商品を選ぶには、こういう手順で進めてください」という手順書を差し上げています。
- 福井コンピュータ製品を幅広くご活用ですね?
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本庄氏
CADオペレーター部隊も総計7名、アシスタントも同じくらいの人数で年間800~1000件を処理しますから、私たちにとって業務効率化は重要な課題なのです。ARCHITREND ZEROや自社システムの活用は大前提ですね。実はいまも、ARCHITREND ZEROの新しいオプションの導入を検討している所なんですよ。ARCHITREND ZEROの今後の進化にますます期待しています。
※役職等は取材時(2019年3月)のものです。