新着記事

株式会社西東京建設

ARCHITREND ZEROを使う100人体制の海外拠点で
実施設計から確認申請、長期優良住宅にも対応
目指すは質・量とも日本一の木質系設計事務所

東京都日野市に本社を置く西東京建設は、3つの住宅ブランドによる幅広い住宅事業の展開により、着実な成長を続けるNEXTグループの中核企業の一社です。創業当初よりARCHITRENDシリーズを積極的に導入し、耐震等級「3」を標準とする高度な耐震性能やZEH、長期優良住宅仕様の高品質&低コストの住まいづくりを推進。近年はさらに海外拠点へもARCHITREND ZEROを普及させ、確認申請を含む設計図書の制作をほぼ全面的に移管。独自の働き方改革を着々と実現しています。次代を捉えたその果敢な取組みについて、代表取締役の豊藏一幸氏と取締役の後藤傑氏にお話を伺います。

高性能&ローコストな家づくり

激戦区で成長し続ける原動力は?

豊藏

当社の主力は基本的に注文住宅事業で、総合住宅展示場にモデルハウスを出展し、来場された方へ提案営業していくスタイルです。そのため創業当初から大手ハウスメーカーとの競合が多かったため、出展するモデルハウスは通常より大きくデザインも性能もライバルに引けを取らない住宅づくりが必要でした。そして、耐震等級3や長期優良住宅、ZEH住宅を標準とし、さらにクラス別に棲み分けた3つの自社ブランドにより各クラスナンバー1の品質と価格を実現したことも原動力となっています。

高性能&ローコストな家づくりのポイントは?

豊藏

大きく二つ挙げられます。まず当社では高性能住宅に必要となる複雑な計算や設計作業を、全て海外拠点で行っています。これにより、ハイスペックな仕様と設計をスピーディに実現し、ローコストで提供できるのです。もう一つ重要なのが、創業直後からメインツールとして使っているARCHITREND ZEROです。実際、その幅広い活用が、私たちのさまざまな取組みを直接的に、間接的に支えています。

どんなシーンで活躍していますか

後藤

まず3Dを活かしたビジュアルな提案による営業面での貢献は大きいですね。創業当時は3Dを用いた提案ができる所は少なく、展示場でもそれを前面に押し出した出展を行いました。当社の場合、設計者はもちろん、営業マンもARCHITREND ZEROを使っており、設計意図を的確に伝えるツールとして大きな役割を果たしています。また、構造計算等にも活用することで効率化を図っており、インフラ的にも重要なツールと言えます。

施工事例(外観)

100人体制のフィリピン拠点

海外拠点についてご紹介ください

後藤

2007年にフィリピンに出した拠点で、ARCHITREND ZEROを操作できる現地の若者たちが100人ほど勤務しています。実際、当社の契約以降の図面制作や各種計算等は全てこのフィリピンの拠点が対応しており、確認申請図書から許容応力度計算、ZEH系や外皮計算まで行います。現在では当社以外の中小工務店等の依頼案件も引き受けています。

他社の仕事も引き受けるのですか

後藤

ええ。たとえば中小工務店さんで長期優良住宅等を標準で行ってない所も多々ありますが、そうした会社が、お客様の長期優良住宅の要望に対応できない場合などにご利用いただいています。長期優良や構造計算だけでなく低炭素住宅でもBELSなど何でもひと通り対応できますし、分社化もしているので、現在ではいちいち当社を介さず直接フィリピンに依頼してもらっています。

この海外拠点戦略の狙いは?

豊藏

海外展開は創業当初からの計画でしたが、進出数年前に耐震等級3や長期優良住宅等が動き出したことが直接のきっかけです。当社では以前、性能評価等を外部サポート機関に計算させていましたが、ARCHITREND ZEROをフル活用することで8割程度は自社内で対応できるようになっていました。さらに残り2割も自社対応を進めようという時に長期優良住宅等が始まったわけで……最初から全棟対応の方針でしたし、ならば強化した拠点を海外に出し、一気に他社まで含めてサポートできる体制にしよう、と決めたのです。

本社設計室/来日中のフィリピン人スタッフも勤務

なぜ国内でなく海外に?

豊藏

設計という作業は勤務時間の中で一番多く時間を消費し、実際、設計者は残業が多くなりがちです。この設計作業の中でも、特に長い時間が必要となるのがCADを打ちこむ作業で、ならばこの部分は海外拠点に任せようというわけです。そうして、国内の設計者に企画と提案に集中してもらうことで全体の品質と生産性を向上させています。

日本製CADを教えるのは大変だったのでは?

豊藏

確かに苦労しましたが、海外製CADでは逆に日本側の生産性が落ちてしまいますから、他の選択肢は最初からありません。となれば、後は地道に教えるだけ。幸い最初に採用した現地スタッフたちはとても優秀だったので、日本人スタッフの頑張りもあって2~3カ月後には稼働し始め、1年後には確認申請に対応できるようになっていました。最初の現地メンバーは、いま日本に来てウチで図面を描いていますよ。

設計業務の流れはどんな風に?

後藤

まずお客様の要望を受けて、営業もしくは設計担当がプランを立て、ARCHITREND ZEROを用いて敷地を入力。平面図や屋根伏せ、サッシや家具等を入れ、そのデータは社内のサーバ経由で営業に渡ります。そして、契約をいただいたらクラウド経由でフィリピンのCADセンターにデータを送り、以降は全てフィリピンで進めます。詳細設計を行って図面はもちろん構造計算その他も済ませて、細かな修正にも対応しながら確認申請までトータルに行うのです。

ARCHITREND ZEROでプランを形に

日本一の木造系設計事務所を目指す

今後の展開についてご紹介ください

後藤

高い効率で従来以上の業績を残していくには、さらに質の高い意匠とプレゼンテーションが重要になります。たとえばARCHITREND ZEROのプレゼンデザイナーやP-style等の活用がカギになるわけですが、一方でこうした作業に時間をかけすぎてしまうのも問題です。そこで弊社ではこうしたデザイン関連を専門に扱う新部署「デザインセンター」を立ち上げました。今後、デザインやプレゼンに関わる業務はこの新部署に集中させていきます。そして、将来的にはこれもフィリピン拠点で対応できるようにしていき
たいですね。

豊藏

住宅事業に関しては、毎年20%増加くらいのペースで成長していく計画は立てています。また、フィリピンに関しては、いっそう成長率が高いので毎年3割くらいは成長させたいですね。当然、将来性豊かなマーケットの開拓についてもちゃんと手を打っています。住宅会社として日本一になるのはなかなか難しいと思いますが、木造系設計事務所法人として日本一になるのは夢ではありません。実はフィリピンに拠点を立ち上げたのにはそんな狙いもあって……今後はこの海外拠点の生産力を生かして、さらなる成長を目指します。

施工事例(内観)

※役職などは取材時(2019年3月)のものです。

豊藏 一幸代表取締役

後藤 傑取締役

株式会社西東京建設

代表者/代表取締役 豊藏一幸(とよくら かずゆき)

所在地/東京都日野市 

設立/2005年11月

資本金/2,000万円

事業内容/戸建住宅の新築事業、戸建住宅の増改築事業、

外構事業、不動産売買仲介事業、建物診断事業、訪問看護事業ほか

よく読まれている記事