新着記事

株式会社安成工務店

ARCHITREND Modelioと3Dカタログ.comを駆使
施主の要望を引き出し、これに応えるプランニングと
その心を鷲づかみにするプレゼンテクニック

山口県下関市に本社を置く安成工務店は、この地で70年余の歴史を持つ地域密着型の総合建設会社です。自社商品の集合住宅から公共工事、商業開発などを幅広く展開する一方で、大工工務店のルーツを引き継ぐハウスビルダーとしても豊富な実績を蓄積しています。そんな同社の家づくりは、自由設計の環境共生住宅が基本。ARCHITREND ZEROやARCHITREND Modelio、3Dカタログ.com等の福井コンピュータアーキテクト製品群を幅広く駆使して、施主の要望にどこまでもきめ細かく応えながら高品質な設計・施工を展開しています。ここでは同社山口支店の設計デザインチームの皆さんにお話を伺います。

福井コンピュータアーキーテクト製品を核に

御社の家づくりの基本スタイルをご紹介ください

長島

日本の木の家文化をベースに、大きな開口部を取り自然素材をふんだんに用いた環境共生住宅が基本スタンスです。特にOMソーラーなどの環境技術を駆使して太陽の恵みを活かす温熱環境を作り出し、真に快適な家づくりを目指しています。デザイン的には、以前は「和」テイスト中心でしたが、近年はよりデザイン性の高い住宅も作っています。実際、当支店にも片流れ屋根に石張りのアクセントを施したスタイリッシュな外観のモデルハウスがあります。

施主の要望にきめ細かく応える自由設計と聞きました

長島

ええ、当社が作る住まいに一つとして同じ家はありません。お客様それぞれにエピソードがあり、家への思いがあり、家族への思いがあるわけで。それらが積み重なって一つ一つの家ができていくと私たちは考えています。ですから一棟ごとにコンセプトを練り「お客様のこういうエピソードがあったから、こういうデザインにしよう、こんな間取りにしよう」と考えながら形にしていきます。

お客様とのコミュニケーションが重要になりますね

長島

とても大切です。設計という立場でお客様と出会い、ヒアリングからプランニング、ご提案、ご契約から引き渡しまで、常に密接なやりとりを重ねながら進めていきます。特にプランニング~実施設計段階では、設計意図を分かりやすく誤解の無いように、そして感動していただけるよう伝えなければなりません。そこで大きな役割を果たすのが、福井コンピュータアーキーテクト製品群です。

家づくりの流れの中で福井コンピュータアーキテクト製品を どう使い分けていますか

家づくりの流れの中で福井コンピュータアーキテクト製品を どう使い分けていますか

池澤

まずプランニングですが、施主にはヒアリング後2週間で最初のプラン出しをするとお約束しています。そこでまずヒアリング内容を基に、私たちデザインディレクターが中心となって他のデザイナーや設計士も含め、皆で意見を出しあいながらプランを練っていきます。これをARCHITREND Modelio(以下Modelio)でまとめ上げて支店の大型モニタでプレゼンテーション。もちろん、3Dカタログ.com(以下 3Dカタログ)を用いてプレゼンもさまざまな味付けや演出も行い、3Dモデルをいろいろと動かしながらご覧に入れます。そして、お客様と打ち合わせながらブラッシュアップを重ね、施主が納得するプランになったらご契約。以後はテクニカルスタッフが引き継いで、Modelioと3Dカタログで打合せを重ねながら詳細を詰め、それを受けてARCHITREND ZERO(以下ZERO)で実施図も作り、軸組計算や外皮計算等も行い申請書類を仕上げていきます。

ARCHITREND Modelioによる施主様との打合せ風景

お客様を感動させるプラン提案のために

Modelioと3Dカタログをフル活用してらっしゃいますね

友田

デジタルによるプレゼンはかなり以前から行っていましたが、Modelioと3Dカタログを合せてフル活用するようになったのは、ここ1~2年のことです。3Dカタログに「DATASTATION※」というカタログが収録されたことをきっかけに、社内でこうした有料の添景データもどんどん使って行こうという流れが広がりました。

若本

以前は添景データは無料の素材を探して使っていましたが、より魅力的なプレゼンを行いたいという思いから、3Dカタログの活用機会が急速に増えていったという流れだと思います。これは他社差別化を狙ったというより、とにかくお客様にもっともっと感動していただきたい、双方のイメージにズレのない適確な打合せをしていきたいという気持ちの方が強かったと思っています。

添景データの積極的な活用がそんな効果を?

若本

池澤が言った通り、お客様の趣味等をプランに反映させることは非常に重要です。綿密なヒアリングに基づいて添景を上手く使うことで、それを目に見える形で分かりやすく表現することができるんですね。たとえば、釣り竿セットやゴルフクラブセットとか、ペットの猫ちゃんとか……そういった添景による演出を工夫することで、実際にこちらの提案に対するお客様の反応がぐっと良くなるんです。何というか「そこまでウチのことを考えてくれてるんだ!」みたいな感じで信頼と共感をいただくことができます。だから最近は、最初のプラン出しの段階から入れていくことが多いです。

友田

つい先日もそういうお客様がいらっしゃいました。プランナーから引き継ぐ時に、犬と猫にウサギ、鯉まで飼ってらっしゃると聞いたので、Modelioと3Dカタログでそれらのペットをしっかり反映させたプランを作ったら、まずその演出に一番感動されちゃって……それで思わず意気投合してしまい、そのまま無事ご契約まで行ってしまいました。ウサギの添景データもちゃんとあるんですよ。私も今ではもう、3Dカタログの内容はほぼ全て把握しています。

お客様がそういう作り手の細かな配慮に感動するのですね

池澤

なぜそうなるのかといえば、そうした添景を駆使したパースなどのビジュアルに触れることで、お客様はご自身の実生活により近い新居生活をイメージするからでしょう。プレゼンされたパースの中に、お客様にとってなじみ深いモノがたくさんあるほど、お客様はそこで生活している自分自身をより具体的にイメージできるのですね。友田が工夫したペットもそうですが、男性の場合は特にクルマが重要です。パースの中に描かれたクルマの車種や色が、そのお客様がお持ちのクルマと同じだととても喜んでいただけます。若本も言ってましたが、お客様は「自分たちの話をちゃんと聞いてくれてるんだな!」と思ってくださるのではないでしょうか。

●施工前内観パース: 小物や椅子など「DATASTATION※」の添景データを配置することで 生活感が出てよりリアルな空間イメージ提案が可能となる

●竣工後の内観写真:パースイメージのおかげで大きくイメージが崩れることなく打合せもスムーズに

※DATASTASION:自動車、植栽、インテリア小物などのハイクオリティーな添景データコンテンツを多数収録する3Dカタログ.com CAD連携のオプションサービス(データ提供元:株式会社ファイン)

さまざまな活用方法、多彩なメリット

Modelio+3Dモデルの導入効果は他にもありますか

池澤

効率化というか、時短の効果も上がっていると思います。プレゼンの3D化以前は平面図と手描きパースでプレゼンしていましたが、パースだけに視点は固定された一面しか見られず、「その反対側が見たい」となると描き直し。そうでなくても修正や変更が入れば、図面もパースも作り直しでコストや時間がかかっていました。Modelio+3Dカタログなら反対側もちゃんと細かく見られるし、修正・変更への対応も容易です。見積用に立面図を作ろうという話になっても、ModelioからZEROに持っていけば、立面図なら30分もあれば作れてしまいます。

友田

そういえば最近、私はプランニングとか設計でも、3Dカタログのデータを便利に活用させてもらうことがあります。3Dカタログの場合、実建材の部品をメーカー別に掲載してくれているので、これをプランニング段階における住設機器の納まり検討などに使わせてもらっているのです。細かい話ですが、たとえば「L字型キッチンに食洗機を入れようと思ったら、このメーカーさんではこれ以上のサイズの組合せでないとできないとか、すごく役に立ちますね。……そういう意味では、こんな風にして実建材を入れて作り込んだパースは、施工段階でも役立つことが多々ありますね。

どのようなケースでしょうか

友田

パース類や仕様のデータ、図面などの資料はまとめて製本し、着工後もすぐに確認できるようお客様にお渡ししています。実は同様に大工さんにも出来上がりをイメージしていただけるよう、これと同じものを提供しているんです。描かれているものがちゃんと整合性がとれていれば、大工さんは立体的に「こういう家なんだ」と判断していただけるわけで。実際、ミスも減っている気がしますね。

設計図書やパース等をまとめて製本し、お客様に提供

今後、プレゼン等でチャレンジしたいことはありますか?

池澤

3Dカタログで言えば、Bプランの「ご提案機能※」にはとても興味があります。競合の時など、当社プランに触れていただく時間が長いほど競争力も上がっていくわけで。ご提案機能でご自宅で手軽に当社プランに触れてもらい、いろいろな角度から見てもらい、コーディネートしてもらったりするとより効果的かも知れませんね。

※3Dカタログ.com Bプラン「ご提案機能」: 3Dカタログ.com CAD連携サービス「Bプラン」に含まれる有料サービス。ARCHITRENDシリーズで作成されたプランを3Dカタログ.com上で 施主様と共有できます。施主様はWEB上で気軽にプランの確認ができ、さらに建材・設備のコーディネートも可能です。

※役職などは2020年2月取材当時のものです。

池澤雅彦株式会社安成工務店
チーフデザイナー

長島圭佑株式会社安成工務店
デザイナー

友田裕子株式会社安成工務店
デザイナー

若本大樹株式会社安成工務店
テクニカルスタッフ

株式会社安成工務店

代表者
代表取締役 安成信次
創立
1951年1月
本社
山口県下関市
事業内容
総合建設業・木材加工業
社員数
158人

よく読まれている記事