ネット&iPadで魅せる新・集客術
360°気楽に自由に見せる外観&内観
函館市の渋谷建設は、住宅の基本性能を大切にしながら、高断熱高気密やエコ住宅等トレンドを捉えた提案で成長中の地域密着型工務店。広報宣伝も技術を活かし多彩に展開しています。その最新の試みのiPadとARCHITREND Zによる広報戦略について、同社の渋谷社長に伺いました。
地場工務店の集客はネット活用が決め手
- 地場の工務店は、今どのように集客しているのでしょうか
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渋谷氏
皆さん悩んでいると思いますよ。媒体は何を選び、どう活用すべきか、非常に分かりにくいんです。新聞かテレビかネットか。あるいは業界誌や地域情報誌なのか。また、新聞も挟み込みチラシか本紙の広告か。確かなのは、中小工務店が新聞に広告を載せてもなかなかお客様は来ないということです。
- では、どんなやり方が効果的でしょう
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渋谷氏
私は仲間同志でグループを作っているんですが、そういったグループ合同で広告を打ち見学会をやるとかなり集客できます。広告費も分担しコストも抑えられますし。ただ、これは年中はできないので、やはり1社で行える効果的な集客法も必要です。
- 媒体はやはりインターネットでしょうか
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渋谷氏
そうですね。内覧会等でお客さんに聞いても、今はほとんどの方がネット経由です。それもパソコンでなくスマートフォンが主流。いちいちパソコンなんて開かないし新聞も読まないようで、特に若い方はiPad等のタブレットかスマホです。もちろん会社のHPはきちんと作らなければならないし、ブログも書いていますが、それとは別にiPadやiPhoneを活かした広告の仕組みが必要です。
- そこで「ieKuru」「iePon」※活用ですか
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渋谷氏
ええ、ちょうど現場が長引いている物件があったので、 この新しいツールを知った時は即座に使ってみようと思いました。
※ieKuru・iePonはARCHITREND Zで作成した住宅モデルを閲覧できるiPad・iPhone専用アプリです。
- ieKuru/iePonのどこが気に入りましたか
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渋谷氏
何と言っても、お客様ご自身のiPadで、家の中や外を3Dで手軽に自由に見てもらえる点です。テキストや図面、パースより分かりやすく、インパクトも大きいはずです。ただし、その強みを活かすには、まずこれを見てもらうための仕組み作りが必要でした。
- 見てもらうための仕掛けとは?
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渋谷氏
新聞は細かく読まないがネットで来る人が多いのなら、新聞からリンクを張ろうと考えたのが出発点です。新聞のお悔やみ欄は皆さんが見るので、この上のスペースに小さな広告を入れるんです。で、まずieKuruを見るのに必要な無料アプリに誘導するため、この広告にQRコードを付けました。また物件の詳細な建築データはブログの方に載せ、細部を知りたい方はそちらへ誘導します。なにしろ新しい取組みだし、効果が出るのはこれからですが、iPadとARCHITREND Zの組合せ自体は他にも活かせると思いますよ。
- どんな活用が考えられますか
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渋谷氏
たとえば棟梁たちにiPadを持たせ、ARCHIBoxで図面やパース等をやりとりすれば、事務所から指示が出せる。私たちが現場へ行く手間が省けるんです。大工も3Dで事前に仕上りを見られれば、細部の収まり等も確認しやすいでしょう。また、施主や近隣への説明もiePonでビジュアルにやれば「建つとどうなる」が明確に伝わるはずだし、将来はこれに説明テキストを紐付けられるようになれば、より強力なプレゼンツールとして使えますよ。とにかく少数精鋭の工務店ほど、こうしたIT機器の活用が重要になります。まさに無くてはならない武器といえますね。
※2013年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。