新築全棟ZEH化&高度な省エネ性能!ARCHITREND ZEROを活かして作る世界標準レベルの高性能住宅
新潟県妙高市の西脇建設は高性能な住宅作りで知られる建築会社である。新築は全棟ZEH住宅で省エネ性能も高く、光熱費は国規定の最高基準住宅の1/2を実現。さらに施主に寄り添うプラン作りにも定評がある。そんな家づくりで大きな役割を果たしているのがARCHITREND ZEROだ。同社代表の西脇直也氏とインテリアコーディネーターの西山未菜氏にお話を伺った。
「 かっこいいを楽しむ」ための高性能住宅
- 御社の家づくりの根幹にあるテーマは?
-
西脇氏
シンプルにいうと「かっこいいを楽しむ」ということです。見た目の格好良さだけではなく、お客様の住み方や生き方も考えて真に夢のある家を作りたいんですよ。たとえば新居に入居したお客様から、そこで暮らしていくうちに「ちょっと高かったけど、いまは余裕でかっこよく暮らせてるよね!」と言ってもらえるような……。この考えに基づいて、私たちが追求し続けているのが、圧倒的に高性能な、世界標準の家づくりなのです。
- 高性能住宅とは具体的にどのような?
-
西脇氏
新築住宅では高気密(C値0.3以下)、高断熱(UA値0.34以下)・高耐震(耐震等級3~2)+制振構造によるZEH仕様を標準化しています。断熱基準UA値も2022年度からランクアップ。HEAT20 G2のUA値0.34としていますし、パッシブ設計や太陽光発電など再生可能エネルギーの活用も推進中──と、まさに2030年基準(ZEH)を超えた高性能住宅でお客様の安全と安心、健康と快適性を実現しています。当然ながら、光熱費・メンテナンス費は大きく削減され、家のトータルコストを抑える経済性の高い住宅となっています。
- いつからこのような取り組みを?
-
西脇氏
4年前に「ZEH以下の住宅は作らない!」と決めて、それ以来、新築住宅の全てをG2以上のZEHとしています。この大転換のきっかけは「かっこいいを楽しむ」のテーマのもと、いま取り組むべき家づくりについて考え抜き「今やるべきはこれでしょ!」と思い至ったから。カーボンニュートラルの取り組みは避けて通れない地球規模の課題であり、「建物造りを担う人間としてやるべきことは何か?」を追求していけば答えは明白でした。……高性能な数字を売りにする会社は多々ありますが、当社はそういうスタンスとは異なります。なぜその数字が必要なのか?その数字が何をもたらすのか?私たち自身が理解してお客様に伝え、私たちの「かっこいい」を共有していただくことを目指しているのです。
「 どうしても西脇で建てたい!」方を育てる
- 御社を理解し賛同した方がお客様に?
-
西脇氏
そうですね。当社ではプレゼンを行う前に、前述したような話をじっくり伝えていきます。そして「どうしても西脇建設で建てたい!」という気持ちになったお客様にアクセスしていただきます。結果として競合は避けられ価格競争にも巻き込まれずに済みます。何より「丹精込めて作ったその方のためのプラン」を無駄打ちしたくないんですよ。実際、私たちはプラン作りに多くの手間と時間をかけます。とことん話を聞いてライフスタイルを知り、ご家族の将来を考え、もちろん現地調査も細かくチェックして進めます。
- そこまで徹底すれば成約率もかなり?
-
西脇氏
以前は成約率も4割程度でしたが、方針転換後の現在では、プランを出してからの成約率で言うと7割まで向上しています。高性能住宅への転換とお客様を育てる営業手法に加え、ARCHITREND ZEROをプレゼンに使うようになった点も大きいですね。
- ZEROはどのような使い方を?
-
西山氏
ファーストプレゼンの時は、まずV-styleで作ったフォトリアルな外観パースをお見せしてお客様に「おーっ!」となってもらってからプラン提案を進めるようにしています。プランはP-styleで作る手描き風の平面図と鳥瞰図、立面図等々に普通の平面、立面や配置図も入れてA3版のプレゼンボードに仕上げます。他にV-styleで作るパースも外観3~4点に内観も10点程度、各場所ごとに作り込んで同じく出力します。この段階では細かい寸法がどうとかではなく「ここはこういうイメージです!」と印象付けていく感じですね。たとえば「配置計画と太陽光の動きで、この家は冬も積極的に日射が取得できます」などと説明しながら、日照シミュレーションで実際の陽の動きもお見せして……。
-
西脇氏
この最初のイメージをお見せする時、「こちらの思い」をどれだけさらっと印象付けられるかが重要です。ZEROを上手く活用してきちんと印象付けられれば、お客様は途中いろいろ迷ってもきっと最初のイメージに戻ってきて下さいます。だから、お客様が「こういう建材を使いたい!」とおっしゃったら、同時に相反する「当社はぜひこういう風にやってみたい!」案と合わせて2案出すといったテクニックも大事になります。
- ほとんど全部屋のパースをお作りに?
-
西山氏
はい。リビングはもちろん子供部屋に寝室、水回りも「こんな感じです」と伝わるくらいのパースを描きます。「壁はこんな風に」「棚板は何枚入ります」と作り込めるので、後でZEROで描いた図面を本図面に移行する際の書き込み作業も楽になるんです。
-
西脇氏
パースは現場でも活用していますよ。現場に図面を渡す時はパースも一緒に渡しちゃうんです。で、現場に飾ってもらえば職人さんにもイメージが付き、そうやって現場がイメージを共有すればミスも減ります。新しく来た人がちょっと違うことをすれば誰かが「ここ違うんじゃない?」って……図面では伝えきれない内容もパースなら伝えられるのです。
-
西山氏
「ここはこの色で」みたいなのも伝わりますよね。素材も本当のメーカー品を使えるし、簡単に入れ替えられるのできっちり要望に応えられるし「お客様の思っていたものと違う!」ってトラブルはなくなりました。
- ZEROの他の機能はまだ未活用ですか?
-
西脇氏
そうですね。他にも多くの機能があるのは承知していますが、現状ではマンパワーの問題もあってプレゼン主体の活用に留まっています。もちろん他の機能にも興味はありますよ。特に外皮計算やコスト計算等の省エネ設計に関わる機能については、いずれ近いうちに……というか、早晩絶対必要になると思います。また、耐震等級との関係もあるし構造計算機能も必要になってくるでしょう。
浪費しない家を一軒でも多く作り続ける
- 今後の展開についてはどうお考えですか?
-
西脇氏
「かっこいいを楽しむ」というテーマは永遠なんです。たとえ世の中の方向性が変わっても、そこで「かっこいいを楽しむ」姿勢でいたいのです。そして、そのために今後も「浪費しない家を一軒でも多く作る」ことに注力します……もちろん楽しみながらね。
- その中でZEROが果たす役割は?
-
西脇氏
いまの世の中って3~4年くらいで劇的に変わっていきます。私たちも追従すべき部分は追従し、その変化に対応していかなければなりません。そして、ZEROはそんな当社の取り組みを分かりやすく表現し、お客様に正しく伝えて安心させられるツールだと思っています。どれだけ時代は変わっても……いや、変わっていくからこそ、私たちにとって欠かせないツールなんです。
世の中の方向性が変わっても「かっこいいを楽しむ」姿勢でいたい
そのために「浪費しない家を一軒でも多く作る」ことに注力していく
取材:2024年7月