新着記事

太平洋設計事務所

長期優良住宅&ARCHITREND Zで
設計業の新ビジネスを創出する

相次ぎ登場する新法・新制度への対応に追われる工務店、設計事務所がある一方で、これをビジネスチャンスととらえる事業者もいます。愛知県豊橋市の太平洋設計事務所は、一級建築士/二級大工技能士の橋爪洋司氏が主宰する建築設計事務所。大工出身の設計者である同氏は、ARCHITREND Zを駆使して長期優良住宅にもいち早く対応。設計事務所として新しいビジネスを開拓しつつあります。

工務店の長期優良住宅造りをサポート

建築設計と工務店を融合した業態ですね

橋爪

私自身、もともと大工としてこの世界に入ったんです。ところが当時の親方に言われて建築士の資格を取り、それをきっかけに独立。徐々に設計の仕事へシフトしていったんです。ここ2年ほどは設計をベースに、営業というか、コンサルティング的な仕事に力を入れています。まあ、それでも全体の50%ほどは工務店的な仕事もやっています。

コンサルティング的な仕事とは?

橋爪

去年の6月頃スタートした新規事業で、実は長期優良住宅とARCHITREND Zがきっかけで動きだしたもの。簡単に言えば、工務店の長期優良住宅づくりのサポートです。たとえば長期優良住宅を建てる工務店から温熱環境や耐震等級等の計算だけを請負い、ARCHITREND Zを駆使してパート的に行うんです。また、工務店とお客様の打合せやプレゼンの場に立ち会ったり、問合せに応えるなどしながら、長期優良住宅やエコポイントといった新制度に関してサポートしています。

工務店の技術サポートですね?

橋爪

同時に営業支援でもあります。ただ、これはビジネスチャンスというより、私の設計者としてのスタンスでもあって……。前述した通り私は大工出身で、地元には親方がいますし、親父も大工。設計者としてお世話になっている工務店も、もともと大工だった会社とのお付き合いがとても多いんです。ところがそうした親方や大工さんたちは、長期優良やエコポイント等の新法新制度に疎いというか、あまり敏感でない方が多い。ですから、そうした部分を私がサポートしていくことで、なんとか恩返ししたいと考えています。

ARCHITREND Z導入が全ての出発点

「疎い」大工さんは厳しい状況に?

橋爪

お客様が若くなっているのは確かなんですよ。で、こうした若い施主さんは、親方たちが苦手なWeb等のメディアで情報を集め、長期優良やエコポイントについても知識がある。当然、打合せの場でもそういう質問が出ますが、親方たちは答えられない……。昔は「任せておけ」で仕事ができましたが、今はそうはいきません。お客様のニーズが違うんです。結果、仕事は大手ハウスメーカーに流れてしまうわけで、私はそういう場で親方たちを営業的に、技術的に、サポートしたいんです。

技術的なサポートとは?

橋爪

新法新制度に疎くても、親方たちに長期優良住宅が作れないわけでは、もちろんありません。立派に素晴らしい建物が建てられるし、品質も高いんですが、長期優良というオーダーに応えるには幾つかの留意点が必要です。そこで設計者としての私の出番があるわけですね。親方には「今までどおり自分の腕を信じて仕事してください、ただ断熱材と筋交いの入れ方、金物の使い方は、私の図面に従ってください」と言っています。実際、温熱環境にせよ耐震設計にせよ、全てARCHITREND Zでしっかり計算してやれば、きちんと成り立つものなのですから。

ご自身は相当勉強されたんですか?

橋爪

そうですね、仕事を取ってしまったので否応なくというか……(笑)。そもそもはARCHITREND Zを導入し、操作の練習をしていく中で、タイミング良く長期優良住宅制度が動き出したのが全ての始まりでした。

ARCHITREND Zの進化についていきたい

ARCHITREND Zの導入経緯は?

橋爪

CADは汎用3次元CADをずっと使っており、それなりに3次元にも対応していましたが、より高い精度のプレゼンや作図の効率化を考え専用CADを模索していました。最終的にARCHITREND Zを選んだのは、私が求めていた機能が全て揃い、しかも営業のサポートが素晴らしかったから。加えて、国産CADとして新法新制度への対応が速く確実だったことも大きいですね。日本の建築業界が変わろうとしている今、新法対応の速さは非常に重要で、これが決め手になりました。

長期優良住宅の業務を始めたきっかけは?

橋爪

Zを導入して3カ月ほど経ち、ひと通り操作を身に付けた頃、長期優良住宅が始まりました。情報は事前にキャッチしていたし、Zで対応できるのも分かっていました。そこへ耐震関連の計算の仕事が飛び込んできたんです。しかも、話すうちに「じゃあ長期優良一式頼む」ということになり、慌ててオプションを入れました。まさに背水の陣(笑)。最初は本当に手探りで、審査機関に直接電話して教わりながら、何度か出し直してクリアしました。これは今回のエコポイントも同じで、まず仕事が動き、それに否応なく対応していった形ですね。

初めてでも不安はなかった?

橋爪

ええ。でも自信を持って受けられるのは、ARCHITREND Zがあるからです。Zとサポートの支援があれば、どんな新法新制度でもとにかく答えは出せる、と思っていますので。そして使い込んでいけば、対応の仕方もいろいろ工夫が見えてきます。で、これはビジネスになる、と。まさに長期優良住宅とARCHITREND Zがターニングポイントなんですよ。とにかくARCHITREND Zが時代を捉えてどんどん進化していくので、私は頑張ってそれについていきたいと思っています。

※2010年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

橋爪 洋司太平洋設計事務所 代表
一級建築士、
二級大工技能士

太平洋設計事務所

所在地
愛知県豊橋市
代表者
橋爪洋司
開 設
平成12年3月
事業内容
建築設計全般・施工管理、リフォームほか

よく読まれている記事