株式会社ジェイティーホーム
建築経験“ゼロ”から短期で性能評価
構造計算までを習得!
改正建築基準法施行により、建築確認は申請手続きから審査方法まで大きく変わり、家づくりのあらゆる面で変革が求められている。工務店にとってはこれへの素早い対応が「勝ち残り」への大きなカギだが、現実には容易なことではない。そんな中、3次元建築専用CAD「ARCHITREND Z」を活用してさまざまな法改正に確実に対応。それを付加価値としている工務店もある。東京練馬区のハウスビルダー・ジェイティーホームで設計担当を務める角田和美氏を訪ねた。
5棟分の性能評価を一晩で申請書まで仕上げ
ジェイティーホームは、ムク材を使う独自の金物工法で耐震等級3を取得するなど、耐震性に優れた住宅づくりで知られるハウスビルダー。同社では、担当設計者が企画から設計、現場監理まで一貫して行い、建主に最も身近な窓口として信頼されている。
「建て主との打ち合わせからプランニング、作図、建築確認・性能評価の申請書類の作成まで、すべて担当設計者に任されています。その作業の多くで、ARCHITREND Z(以下Z)を活用しています。というより、Zなしではとてもここまでできません」。その言葉どおり、同社の図面やプレゼン資料、建築確認や性能評価など申請書類も、すべて角田氏ら5名の担当設計者が、ARCHITREND Zを使って作成している。驚くべきは角田氏ら多くのスタッフが初心者としてこの世界に入ったという点だ。
「間取りを入れて3次元を立ち上げ、1~2階の平面図を作るだけなら1時間半で仕上げます。実際、一晩で5棟分の性能評価を申請書まで仕上げたこともあります。Zは6月の改正建築基準法へも素早く対応するなど法対策も万全ですし、無くてはならないメインツールです」。前述の通り氏も2年前までは建築はまったくの素人。パソコンに触れたこともない専業主婦だった。一念発起して専門学校に通い、2級建築士を取得したのは47歳の時。そして入社したジェイティーホームで出会ったのがARCHITREND Zだった。
確認申請、性能表示も1人で習得&対応
「入社後、早速Zの操作研修を受けましたが、講師は大変だったと思いますよ。当時、私は電源も入れられない素人でしたし、資格は取ったものの、実際の建築現場など全く知りませんでしたから」。その操作研修は初心者向けだったが、氏はとにかくその3日間で間取りを入力できるようになった。
平面データの自動立体化 間取りを入力すると ワンクリックで3次元化される。 「間取り入力はZ操作の基本ですが、これができると、操作自体がどんどん面白くなるんです。間取りを入れてボタンを押せば、ポンと3次元が立ちあがる。それが楽しくていろいろコマンドを試したくなります」(右図)。こうして基礎を学んだ角田氏は、実務を通してより高度な操作/活用法を身に付けていく。「私たちが“あったらいいな”と思う機能が、Zにはたいていすでに搭載されています。実際、ヘルプをたどっていけば、やりたいことはほとんどできてしまう。どうしても分からなければ電話サポートで解決できるし……
1年経つ頃には無理なく使えるようになりました。さらにZの機能を活用することで、角田氏は確認申請や住宅性能表示も書類作成から申請まで1人でこなすようになった。「その後、性能表示は評価員の資格も取得したんです。建築のことは何も分からなかった私が、確認申請から性能表示まで習得できたのは、こうした法対策に強いARCHITREND Zのおかげという面も大きいですね」。楽しみながら操作を学んだせいか、Zが難しいと感じたことは一度もない、と角田氏は言う。
「電源も入れられなかった私が、バリバリ使えるようになったのですから、Zは初心者に親切な、覚えやすいCADでしょう。もちろん建築のプロにとっても、改正建基法など法改正への対策として最も有効な手段の1つ。やはり、絶対に無くてはならないツールといえるでしょう」