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ポラテック株式会社

目指すは日本一の構造設計事務所

埼玉県越谷市のポラテックは、建築資材の加工・販売を中心に、住宅設計、建築、管理など幅広く展開する建材加工メーカー。高度に機械化された大規模なプレカット工場を擁するプレカット事業部は、生産量、品質ともに日本一と言われています。2006年の改正建築基準法施行には大きな影響を受けた同社ですが、それにもかかわらず「改正建築基準法の方向性は望ましい流れ」として支持。さらにこの流れのなかで、「日本一の構造設計事務所」を目指して次々と新戦略を打ち出しています。同事業部を率いる北大路康信氏と松田朋子氏に、その新戦略の内容についてうかがいました。

ウェルカム! 改正建築基準法

建築基準法改正の事業への影響は?

北大路

正直いって予想以上に大きな影響がありました。これは新法自体があまり下準備ができていないままに、現場を知らない人が机上の知識でこしらえたものだったため、非常な混乱を招いたようです。しかしその混乱も秋が深まるに連れて収拾され、今は実質的な運用が始まっていますね。

御社はこの新法をどう捉えていますか?

北大路

日本の住宅は、木材というアバウトな自然物を使い、腕のいい大工の棟梁が勘と経験で素材としての欠点をカバーしながら造っていました。しかし近年、消費者の求めるものが急速に高度化しています。例えばドアが開かないとか床鳴りがするとかいった欠点も、大工さんが後で手直しすればOKでしたが、今は最初から何十年もクレームがでないレベルのものが求められる。それこそセンチレベルからミリレベル、さらにはコンマ1レベルの精度が要求されているのです。改正建基法もこの流れから生まれてきたもの。当社としては、基本的には大いに歓迎していますよ。

意匠設計・構造計算も行う南越谷本社のCADセンター

反対の声も多い中なぜ歓迎なのですか?

北大路

当社の経営理念は、お客様が安全で安心して暮せる住まい作りです。そのため以前から、木造住宅に関して全棟構造計算を行なっており、それが当たり前になっていました。当然そのための体制作りも早くから進めていたので、大きなアドバンテージがあるのです。実際、規制が厳しくなるほど当社へのニーズは拡大するでしょう。今後さらに改正が進めば、4号特例廃止という可能性もありますが、私たちはすでにそれも視野に入れて整備を進めています。

目指すは日本一の構造設計事務所

構造設計を担う受け皿として、プレカット工場への期待が高まっていますが?

北大路

その通りですが、全てのプレカット工場が構造設計できるわけではありません。当社のように全棟構造計算をしているところはむしろまれでしょう。というのは、日本には約900社のプレカット工場がありますが、大半が木材屋さんからスタートした会社で建築設計や構造設計のノウハウがなく、建築士などの技術者も少ないのが現実なのです。もちろんそうした会社の多くが、昨今の流れに気づいて構造設計のノウハウを取り入れようと動き始めていますが、すぐに身につくものでもありません。どうしてもある程度の時間が必要なのです。

御社はすでにそのノウハウがある?

北大路

当社の場合、もともと住宅会社だったということもあって建築屋が多く、しかも資格取得に非常に熱心な企業風土なのが後押ししています。現在約80名のCADオペレーターがいますが、全員が構造設計士になれる素養を持っていますよ。

松田

いくらCADを使えても、プレカットのノウハウがなければ、なかなか構造計算までできるようにはなりません。その点、私たちには、プレカットに関する豊富なノウハウがあります。若い人材を中心に、これまで入力を行っていたCADオペレーターのスキルの底上げを進め、構造設計者へのステップアップを推進しています。そうして体制を整え、最終的に「日本一の構造設計事務所」となることを目指しています。

その「日本一の構造設計事務所」が貴社の将来構想ですか?

北大路

そうです。日本一のプレカット工場から、日本一の木造専門の構造設計事務所を生み出そうということで……。具体的には、まず前述の通りプレカットCADでプレカットの製図を行っていた技術者を構造設計者に育てます。でも、構造計算やN値計算などの生産活動自体は、日本では行いません。天津(中国)に現地法人を作り、中国人スタッフに委託します。こちらもまずスタッフの教育から始めています。

どのような役割分担になるのですか?

北大路

日本側がコントロール&トランスレーターで、天津側が言わばプロダクツ。日本でお客様に対する営業活動やコンサルテーションを行い、きちんとディレクションしコントロールしながら、天津に構造計算をさせます。規模的には日本側50名、中国側100名程度を想定しています。

大手に負けないノウハウを工務店に提供

坂東工場・テクノフィールドの
ツインターボ加工機

そこまで構造設計に力を入れる理由は?

北大路

4号特例廃止の流れも、今話題の「200年住宅」もそうですが、大手ハウスメーカーに有利な流れがどんどん強まっています。その中で私たちが一緒に仕事をしてきた工務店のために何ができるか、ずっと考えてきました。その結論の1つが、構造設計事務所としてのサービスやノウハウの提供です。地域密着で苦労されてきた中小規模の工務店に、大手に負けないような、構造面のノウハウや技術を提供していきたいのです。これこそが私たちプレカット事業部の存在意義だと考えています。

その構想で重要になるポイントは?

北大路

日中双方の人材教育が一つのポイントで、これは着々と進めていますが、さらに重要なのがCADの問題です。いうまでもなく意匠/構造/プレカットの連携がカギです。そこでARCHITREND Zを全面的に採用し、福井コンピュータやプレカットCADメーカーとも協力しながら、完全なデータ連携を目指し研究を進めています。

松田

ARCHITREND Zは当社の顧客である工務店でのシェアも非常に高いので、将来的にはお客様からARCHITREND Zのデータをもらい、当社でプレカットCADとデータ連携させて使うという形に持っていきたいですね。実験は順調に進んでおり、すでに構造計算の方まで流し始めています。

北大路

その意味では、ARCHITREND Zユーザーの工務店さんとのネットワークも拡大強化していく計画です。工務店を対象としたプレカット工場の見学や構造面の勉強会など、ぜひ実現していきたいですね。

※2008年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

北大路康信プレカット事業部
取締役事業部長

松田朋子構造設計部
構造設計課部署長

ポラテック株式会社

所在地
埼玉県越谷市
代表者
中内晃次郎
開 設
1978年8月4日
資本金
4億4,000万円

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