VRを活用したプラン提案で
打合せスピードアップ&トラブル減少!
200棟供給で50億円企業を目指す
2018年に設立40周年を迎える三洋ハウスは鹿児島を代表するハウスビルダーの一社です。木造在来工法を基盤に注文住宅から宅地造成による建売/売建住宅、さらには分譲マンションまで、多彩な住まいづくりを展開しています。2017年には新本社ビルも完成し新たな成長期に突入した同社の最新の取組みが、ARCHITREND VRによるプロモーション活動。VRをフィーチャーしたCMも放映するなど積極的な展開を進めています。その背景と狙いについて、逆瀬川社長ら4人の皆様に伺います。
プランの細部を伝えることの難しさ
- 非常に幅広い住まいづくりにお取組みですね
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逆瀬川 勇氏
そうですね。「特徴がない」のが当社の特徴かも知れません。しかし、住まいづくりは、時代に合わせお客様に合わせて変わって行くものです。実際、当社は今年第四十期を迎えますが、1つの工法などにこだわらず、時代のニーズやお客様の要望に応えて柔軟に新しい課題に取組み、技術を導入して多彩な住まいを作ってきた実感があります。
- 顧客ニーズも変化しますからね
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逆瀬川 勇氏
大切なのは、いち早く時代の変化を捉えて、その中からお客様のプラスになるものをきちんと見極め、先取りしていくことです。もちろんそうした見極めはどこより早く、世の中に必要なものと感じたら即座に導入してきた自負があります。たとえばCAD化を決めARCHITRENDを導入したのも、地元では非常に早い方だったと思います。
- VRも鹿児島では早いご導入だそうですが
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逆瀬川 勇氏
ええ。この春先にARCHITREND VRのデモを体験し、即座に導入を決めましたから。とにかくHMDを着けた瞬間、圧倒的なリアルさと没入感に「凄い!」と(笑)。そして、今後の住宅販売で欠かせない手段になると直感しました。これまでのプラン提案は平面図やパースで行うしかなく、紙にせよパソコンを使うにせよ、結局は“ 絵”で平面的に見せるしかありませんでしたが、VRならお客様にその“ 家”の中に入ってプランを体感していただける…これは本当に凄いことで、まさに“これからのプロモーション”だと思いますね。
- 新しい提案手法を探しておられたのですか
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逆瀬川 勇造氏
実は今年初めに数件細かなトラブルが続いたことが、直接のきっかけです。お客様に図面でご説明したプランの細部がきちんと伝わらず、多くの時間がかかってしまったのです。これは以前からあった問題だったので、その解決に繋がるような手法はないか、と探していた矢先にVRに出会ったのです。それですぐに常務と見にいって、これは凄いと(笑)。上手く使えば、前述したようなトラブルも減らせるのではないかと考え、社長に伝えました。
- トラブルとはどのようなものですか
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逆瀬川 勇造氏
本当に細かなことなんです。たとえば棚の高さなど、実際にスケールを使って「これくらいの高さです」と示しても、お客様はどうしても「ピンと来ない」ケースがしばしばで。結果、打合せをしてもなかなかご納得いただけず、話が進まず、修正や変更も増えがちです。そこで、VRで実際にプランを体験してもらえば、こうした細部もスムーズに伝えられるのでは――と考えたのです。
VRを活用した提案を拡大し200棟供給を目指す
- VR導入について現場の方の感想は?
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木佐貫氏
「やっと来たな!」と(笑)。私は営業なので、お客様から「平面図じゃ分かりにくい」という声をよく聞いていたのです。ただ、いまの技術じゃVRは難しいと思っていたので、実際にVRを試した時は驚きました。そして、これならどのお客様にもご満足いただけると嬉しかったです。
- V Rへのお客様の反応はいかがですか
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木佐貫氏
最初は皆さん「おおっ」と驚かれますが、慣れればたいへん便利に使ってくださいます。プランを実感できるので、われわれの意図も的確に理解してもらえます。当然、打合せはスムーズに進むし修正や変更も減りました。契約まで相当スピードアップしたと思いますね。実際、以前は最初のプラン提案から4回くらい修正や変更がありましたが、今では2 回でご納得いただけるようになっています。
- なぜスピードアップするのでしょうか
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野崎氏
たとえば、お客様は「ここに窓があります」と図面で見せても「ああそうですか」で終ってしまいます。そして後になってから「これじゃ家具が置けない」と気づくんですね。結果、仕上がってから窓の高さや位置を変えたがってトラブルになってしまったり…。でも、VRなら窓の位置や高さも体感できるので、その場でお客様自身気づいてプラン意図を理解してくれます。だから問題なく次に進めるし、後になってのやり直しもありません。
- お客様を納得させることが大切なんですね
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木佐貫氏
家を建てる方は高い理想をお持ちです。特に総合展示場等で豪邸を見てきた方は「居間は22畳欲しい!」等とおっしゃる。そうなると「16畳で十分広いですよ」と図面で説明しても「いや、狭い!」となかなか受け入れてもらえません。ところがVRを体験すれば一発で「あ、16畳で十分だ」「ぜんぜん良い!」と(笑)。スムーズに説得できて、お客様の満足感も大きいのですね。
- 現状ではVRをどのように運用していますか
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木佐貫氏
今ではお申込みをいただいたお客様全員に、VRを用いたプラン提案しています。その後はお客様の要望しだいですが、中には修正する度にVRで見たがるお客様もいらっしゃいますね(笑)。当社ではVRをフィーチャーしたテレビCMも放映しているので、当社でVR体験できるとご存知の方も多く、お誘いすると「ぜひ!」というお客様が多いですよ。
- 今後の展開とV R活用についてのご計画は?
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逆瀬川 勇氏
まず3~5年後の目標として、年間200棟の供給による50億円企業を目指しています。ですからVRを活かした提案の拡大は重要なカギです。特に分譲マンションや売建住宅など、先にプランを作って販売していく住宅についてはVRによる提案が非常に有効です。実際、マンションについてはすでにVRによる提案の準備を整えていますし、売建住宅についても順次進めていきますよ。
※役職などは2017年、取材当時のものです。