Dr.リフォーム・サンセイ
若きリフォーム王が率いる技術者集団
福井コンピュータ製品のユーザ様をお訪ねし、その事業戦略などをご紹介するこのコーナー。
今回は栃木県宇都宮市のDr.リフォーム・サンセイ様をお訪ねしました。
こちらは「Dr.リフォーム」のブランドで知られる住宅リフォーム会社。2002年11月、一級建築士の山口社長がテレビ東京の人気番組「TVチャンピオン」に出演し見事「リフォーム王」に輝いたのをきっかけに「Dr.リフォーム」は高品質かつ安心なリフォームの代名詞として全国で知られる存在となっています。
最小コストで満足と安心を
Dr.リフォーム・サンセイの設立は1973年。山口社長のお父上(現会長)が創業した当初は化学雑巾などの販売業が主体の会社でしたが、やがてクロスや絨毯を扱う内装事業を手がけるようになり、これがきっかけとなってリフォーム分野に進出しました。社長の山口氏は語ります。
「住宅リフォーム会社としては異色の経歴ですね(笑)。内装業からリフォーム業に進出したのは、お客様と直接話せる仕事がしたかったからです。下請けの内装業ではお客様の要望を聞くことができませんから」。しかし同社がリフォーム業に進出した当時、この分野は消費者にはほとんど知られていませんでした。リフォームの看板を見て、洋服の修繕の仕事が持ち込まれたこともあったそうです。
「しかも当時はちょうどバブル期。新築がどんどん建てられていたし、手間ばかりかかって儲からないリフォームなんて、と馬鹿にされたものです。たしかに決して楽ではありませんでしたが、私たちは、最小のコストでお客様にご満足と安心を提供するこのリフォームの仕事に、大きな誇りと喜びを感じていました」。
注目を集め始めたリフォーム分野
そんな時代の風向きが変わりリフォーム分野に光があたり始めたのは、ご存知の通りここ数年のこと。長引く不況によるコストダウン要請が高まり、同時にリフォームを扱うテレビ番組などにより消費者の認知が進んだのです。山口氏自身に「TVチャンピオン リフォーム王選手権」への出演オファーがあったのは2002年の秋。「大工の学校 日本建築専門学校」を卒業後、ゼネコンや積算事務所での勤務を経てお父上の経営するサンセイに入社したすぐ後のことでした。
「最初は出る気はなかったんですが、滅多に出来ない経験だと思い直して……それに当時はまだ入社したばかりで、サンセイの一員として何の実績もありませんでしたから、何か会社に役立つ業績を残したかったんです。社長(当時)の息子だからって肩書きだけもらうのは絶対嫌でしたし、社員の皆の信頼を得るためにも頑張ろう、と」。現場監督業務のかたわら睡眠2時間の猛勉強で一級建築士資格を取得した山口氏だけに、ここ一番の集中力はひと一倍。専門学校時代の仲間たちの協力も得て並居る強豪を打ち負かし、「リフォーム王」に輝いたのです。
リフォームでお客様を幸せに
テレビ出演の反響は大きく、県内はもとより東京からも頻繁に問合せが入るようになりました。山口氏は社員の賛同を得て03年4月、社長に就任。大胆な企業改革を進めながら、お客様と打合せし現場に立つ忙しい日々を送っています。
「家が古くなったら建て直した方が安い、というのが従来の住宅会社の理屈でしたが、そうとは限らないことに消費者も気づき始めたんですね。実際、きちんと建てた家なら20年程度では壊れませんし、ちゃんとしたリフォームをすればさらに20年は確実に持ちます。ならばリフォームの方がはるかに安上がりだし、新築と同じコストをかければより贅沢な家に仕上げます」。山口氏がそう言い切れるのは、氏自身をはじめ同社に建築士などの有資格者が豊富で、高い技術と企画力を持っているからですが、それ以上に重要なものがあると、山口氏はいいます。
「大切なのは地域密着です。リフォームするには、まずお客様の家に上げてもらい、信頼を獲得しなければなりません。それができるのは地元企業だからなんですね……地元だからこそいい加減な仕事はできないし、お客様の住まいのお悩みも親身に理解できるのだと思います」リフォームでお客様を幸せにしたい。そう語る山口氏の情熱こそが、同社の最大の原動力なのだといえるでしょう。
※2003年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。