独自の「健康快適」住宅を年間400棟余供給!
効率に徹したさまざまな工夫と運用法を活かし
ARCHITREND ZEROで究める品質とスピード
耐震性能による差別化支援
福岡県大野城市の悠悠ホームは、木造注文住宅を中心に年間400棟余を供給し、着実な成長を続けるハウスビルダーです。同社の家作りの特徴は、お客様の要望を最大限に生かして作る外断熱の「健康快適」住宅と、高品質なプランを圧倒的なスピードで企画・提案する提案力の高さにあります。
そして、そんな家作りの原動力となっているのが、同社の設計課の皆さんが駆使するARCHITREND ZEROです。徹底して速さにこだわった独自のZERO活用法について、設計課の津田氏、波多野氏、CAD課の内間氏に伺います。
高品質とスピードを両立
- 御社の強みは何でしょう?
-
津田氏
外断熱工法による高品質な家作りと、プラン提案に関わるスピードです。快適・安心な住まいを実現する住宅性能と堅固な構造は、当社が独自に定めた家作りルールに基づくもので、これに基づいて建てれば、たとえば耐震性能等についても自ずと耐震等級2相当になりますし、要望があれば等級3取得も難しくありません。また、スピードについては、企画設計の分業化によりご要望に素早くきめ細かく応えながら、徹底した効率化を図っています。
- 分業による効率化とは?
-
津田氏
契約前から私たち設計者が営業に同行し、お客様の要望をヒアリングし、可能な場合はその場でプランを詰めていくんです。むろん手描きのラフプランですが、ご要望をその場で形にして金額もある程度弾いて「こんな感じでどうですか?」と提案しますのでとてもスピーディーです。ラフプランはすぐCAD課へ送って図面やパース等を作成してもらい、契約が決まれば実施設計担当が実施図面を作っていきます。もちろんツールはすべてARCHITREND ZEROです。
- 各担当もスピーディーな対応を?
-
内間氏
CAD課は現状2名体制で、月約200件の物件に対応しています。展示場や施主様宅などいろいろな所からメール添付やLINE等でラフプランが届き、これを1物件あたり2時間程でARCHITREND ZEROに入力していくんです。元が手描きのラフプランなので、スキャニングデータやメール添付の画像等で届くこともありますよ。
-
波多野氏
その契約後、実施設計に移ります。メンバーは全員ARCHITREND ZEROを使えるので、平面詳細図や矩計図、必要により展開図や断面図、基礎伏図、さらには換気の設備図なども描きます。さすがに確認申請まで対応するのは作成以外の所で時間がかかるので外注しますが、それ以外の実施設計はほぼ完全に内製化しており、CAD課同様かなりのスピード感で対応しています。
- 皆さんARCHITRENDに熟練し建築知識も豊富なんですね
-
内間氏
実はそうでもありません。たとえば私の場合、建築の専門知識はほとんどなくて、CADも入社してから3年程度のキャリアなんです。それでも素早く当社仕様の3Dモデルが作れるのは、ARCHITREND ZEROを使っているからですね。
自社仕様のマスターでスピードアップ
- 設計手法やARCHITRENDの使い方に何か工夫を?
-
内間氏
前述の通り、私自身は専門知識はないし、ARCHITREND ZEROの操作も高さ関係や計算は得意ではありません。それでも当社仕様の家を立ち上げられるのは、会社で定めた基本的な構造積算ルールがマニュアル化してあり、それに従って作れるからです。また、
ARCHITREND ZERO自体ウチの仕様に合わせて物件初期設定したマスターを共有しているので、初めてARCHITREND ZEROを使う人でも同じ仕様の家を建てられるようになっているのです。 - このマスターも社内制作ですか?
-
波多野氏
初期から使っていた人達が作ったマスターがあったのですが、みんなが上書きを繰返し、使い難いモノになっていました。そこで数日かけてこのマスターを全部見直し、ここを触ったらどうなるか?等一つ一つ確かめて、変えられる所は全て変えて微調整し、統一的な当社仕様マスターとして作り直しました。このマスターを利用したARCHITREND ZEROによる家作りマニュアルもまとめてあるので、これらを使えば誰でも当社仕様の家が効率的に作れるようになっています。
- マスターは何パターンかあるのですか?
-
波多野氏
当社の基本である「外断熱の家」用と、賃貸住宅等で使われる「内断熱の家」用があります。また、当社仕様の断熱材は通常45ミリ厚ですが、これを30ミリにした場合など合計3パターンを用意してあり、物件に応じ、ここから選んで使ってもらっています。実は、この他にも、私のやり方に合わせて細かく調整した私専用マスターもあるんですよ。私の打ち合わせはちょっと独特なので、そんな私流の家作りがやりやすいように……これはまあ、ちょっとした管理者特権ですね(笑)。
- 徹底して合理化・効率化を目指しておられますね
-
津田氏
実際、当社の契約は他社と競べても非常に早いと思います。最初の接触から契約まで平均1~3カ月ですが、誰もがいざとなったら「2~3日で契約を取る!」くらいの意識で行動しています。
どこまでも速く、効率的に
- ARCHITREND ZEROもスピードに特化した使い方ですね
-
津田氏
いろいろな機能を追求するより、入力と作図に関わる基本的な操作を徹底的に効率化しようという考え方です。マスターを整備してもらったのもそのためで、使い方としてはちょっと偏っているかもしれません。時間があれば、もっといろいろな機能を試したいんですけどね。
- 特に使いたい機能はありますか?
-
津田氏
たとえば耐震性能等も、ARCHITREND ZEROを使い早い段階で確認したいですね。実は先日、長期優良住宅をお求めで耐震等級3がマスト条件というお客様が来られたんですが、契約前は壁量等まで計算しないので、その間取りで等級3が取れるか判断できません。といって、この段階でコストと時間をかけて外注に出すのも難しくて……。だから早い段階でARCHITREND ZEROを使って簡単に判定できればベストなんです。機能は既にあるので、時間があったらぜひ試したいですね。耐震等級3をお求めの方はまだそれほど多くありませんが、お応えできる体制を作っておくことは重要ですから。
- 柱壁直下率計算のコマンドはご利用ですか?
-
津田氏
直下率は使っています。前述した当社の構造積算ルールで、柱・壁とも直下率は最低50%以上となっているので、ARCHITREND ZEROの機能を使ってチェックし調整しているんです。棒グラフの表示が黄色から青に変わるので、それを目安にしています。
-
波多野氏
それに関係しますが、私は伏図を使ってARCHITRENDZEROの構造計算を試してみたいと思っています。それで何棟か作ってみて、その結果を構造事務所等に見てもらおうと考えています。今までのやり方だと、当社の判断基準では、構造的に大丈夫な物件でも「構造計算が必要」となると、そこから2週間もかけて構造計算を外注せざるをえませんでした。「ARCHITREND ZEROの構造計算機能で十分だ」と実証できれば、外注のコストと時間をカットできるかもしれない。むろん拙速は避けるべきですが、ARCHITREND ZEROの機能を駆使して効率化をさらに追求していきたいですね。
※役職などは2019年3月取材当時のものです。