全国で2000名以上が来場!
A-Styleフォーラム2020「未来の建築を思考する」開催!
2020年1月16日、「新春A-Styleフォーラム2020」が開催されました。第3回となる今回、スケール・内容とも過去最大にパワーアップ!その模様は名古屋メイン会場から全国43会場へLIVE配信され、総計2128名ものお客様をお迎えしました。人気の理由はA-Styleならではのタイムリーなテーマとスピーカー。
午前は施行間近の「民法改正」をテーマに、この問題に精通した秋野弁護士ら3講師が対応策を徹底解説。午後は「デザイン」をテーマに、作り手の意図を伝え確実な成果を生むデザイン手法について、無印良品の商品開発で有名なtorinoko代表の小山裕介氏をはじめ3名が熱弁を振るいました。
他で聞けない新鮮かつ高濃度な講演に加え、恒例のリアルタイム投票システムもフル回転し、大盛況となった当日の模様をレポートします。
スケール・内容とも拡大したA-Styleフォーラム第3弾
JR名古屋駅前ミッドランドホールの過去最多となる210席超の客席が、熱気溢れる参加者で埋めつくされました。第3回となる今回、常に業界最大の問題に着目するセミナーと評価が定着し、知名度も大きく向上したことが満員の客席からも伝わります。
注目の第1部テーマは、この春の施行と業界の関心も高い「民法改正」。瑕疵から契約不適合へ、対応を厳しく迫られる住宅業界各社の求めにお応えし、わが国屈指の専門家、匠総合法律事務所の代表弁護士 秋野卓生氏をお招きしました。
迫る民法改正!
「契約不適合」のリスクを語る秋野弁護士
「皆さん、こんにちは。匠総合法律事務所の秋野です。今日はこの4月に迫る民法改正について、皆様がいま何を検討し何を準備すべきなのか説明して参ります」。張りのある口調で語り始めたのは、住宅・建築・土木・設計や不動産に関する紛争処理で豊富な実績を誇る、匠総合法律事務所の代表弁護士 秋野卓生氏。民法改正に関しても早くから取組む斯界随一のエキスパートです。
民法改正の流れから分かりやすく説き起こした秋野弁護士が、特に強調したのが「瑕疵」に代わる「契約不適合」理解のポイント。「種類」や「品質」「数量」の食い違いに焦点をあて、住宅会社の営業マンや設計者等の注意点について、売買契約書の作り方など具体例を挙げて解説します。それは住宅業界が求めていた情報そのものであり、誰もが真剣に耳を傾け続けていました。
第三者機関を利用してリスクヘッジを!――JIOの提案
万雷の拍手に送られて秋野氏が降壇すると、続いて拍手を浴びながら次のスピーカーが登壇します。日本住宅保証検査機構(JIO)の小久保正義氏による「リスク対策からみる住宅性能表示制度~『審査』と『検査』の上手な活用方法~」の始まりです。小久保氏は、この民法改正について「次代の住宅の性能・品質に関して、もう一度準備する良い機会」で、まずは住宅性能に関わる内容を明確化することが重要と指摘。第三者評価機関を利用し、住宅取得者へ高い住宅性能や高品質を正しく伝えてアピールしようと呼びかけ、客席の大きな賛同を得ました。
続く「3次元CADでリスク対策」で登壇したのは当社の米光祐介。テーマはもちろん、3次元CADによる民法改正への対応です。「契約不適合」を避けるため、住宅会社と施主の認識の共有や契約内容のズレ軽減が重要との観点から、住宅性能表示制度の有効性を訴えます。さらにハードルが高い住宅性能表示の図面作成もARCHITREND ZEROならスムーズと、慣れた手つきで実機デモンストレーションしながら解説を進め盛んな拍手をいただきました。
お客様の95%以上が「参加してよかった!」の声
盛大な拍手と共に終了した午前の部は、「民法改正」という喫緊の課題をA-Styleならではの実務に即した解説&対策の内容が好評をいただき、事後のアンケートでもお客様の95%以上から「参加してよかった!」とのお答えを頂戴しました。
この他アンケート結果で特徴的だったのは、「今後取り組みたい制度」として約500名ものお客様が「住宅性能表示」をお選びになったこと。まさに今回のセミナーが多くの方を動かし、「契約不適合」のリスクヘッジ手段として「住宅性能表示」を選ばせるに至ったのでしょう。
選ばれるデザイン&住んで喜ばれるデザインを学ぶ
90分の昼休憩を終えて客席も入れ替わり、気分一新した午後の部が始まりました。
第2部のテーマは「デザインを考え伝え方を学ぶ」。新築着工棟数が減少するなか、施主が家探しで真っ先に検討するのがデザイン――そこで「選ばれるデザイン」「住んで喜ばれるデザイン」を学び、設計者の意図を伝えるデザイン手法を教授しようという狙いです。実務に直結したテーマであり、ここからA-Style名物のスマートフォン利用のリアルタイム投票システムが稼働したこともあり、客席はまたも大きくヒートアップ! 熱い拍手のなか無印良品のヒットメーカー・小山裕介氏が登壇、基調講演「無印良品の目に見えないデザインのチカラ」の始まりです。
「皆さんこんにちは、株式会社torinokoの小山です。無印良品の話なのに、なぜ会社名が違う?と疑問に思うかも知れませんね」。にこやかに語り始めた小山氏は、無印良品の母体・良品計画に10年以上勤務後torinokoを設立し、無印良品の製品その他を開発し続けるカリスマデザイナー。
小山氏はまず開発した家具や雑貨、玩具等をスライドで紹介。誰もが見覚えあるヒット製品が続々現われ、客先の各所で小さな歓声が上がります。シンプルで飽きのこない商品群を産み出した「ロングライフデザイン」のコンセプトと開発手法に関する小山氏のお話を、誰もが目を輝かせて聞き入っていました。
ユニバーサルデザインを活かした「勝ち組」戦略
小山氏の基調講演に続くセミナーは、株式会社あっと・はんど代表の沖浦剛氏による「高齢化社会に向けたデザインと戦略」です。高齢者・障害者向けユニバーサルデザインリフォームで成長してきたあっと・はんど社は、このユニバーサルデザインを応用して新築にも進出。着実な成長を続けています。
沖浦氏はこうした大胆な事業展開と経営スタイルの優位性を、経営者の視点で解説。まさに自身が工夫したさまざまなツールを活かした「勝ち組」戦略であり、これもまた大きな共感が寄せられていました。
ライフスタイルデザイン
自分らしさのデザインを如何にして伝えるのか
最後に登壇したのは、dwarf 株式会社別所材木店の別所陽平氏です。冒頭から“ローコスト住宅で失敗した地場工務店”という、驚きの自社エピソードで関心を集めた別所氏は、北欧スタイルやカリフォルニアスタイルのデザイン住宅によるドラマチックな逆転成長劇を紹介。大胆にターゲットを絞り、作り込んだパースでイメージを膨らませ、確実に世界観を伝える――オーソドックスな手法を徹底することの強さを、聞き手の誰もがまざまざと実感。客席からは惜しみない拍手が贈られました。
こうして独自の角度から「デザイン」について切り込んだ午後の部は、熱く盛り上がった参加者の熱気を残したまま終了しました。記事では紹介しきれませんでしたが、午後の各講演後に実施したリアルタイム投票では、全国から膨大な「質問」や「いいね」が寄せられ、講演者たちもそれらに率直に答えて客席間でたびたび大きな笑いや熱い交歓が生まれました。また、事後のアンケートによると、参加者の多くは外部講師からデザインを学んでいるとのこと。今回の3講師のセミナーも多くの方のスキルアップに繋がったのは間違いありません。
新春A-Styleフォーラム2020 SLIDE SHOW
44会場を結び2千人以上を動員するなどA-Style史上最大のスケールとなった「新春A-Styleフォーラム2020」は、大盛況のうちに幕を閉じました。ご参加いただいた皆様にあらためて厚く御礼申し上げます。
なお皆様からいただいたアンケート内容は次のA-Styleフォーラム企画に反映させ、好評いただいた今回にも増して「皆様のお仕事に役立つ」、「他では聞けない」内容を選りすぐってお届けします。2度目の方も、3度目の方も、初めての方にも必ず役立つセミナーとすることをお約束します。次回のご来場、心よりお待ちしております。
※社名・役職等は2020年1月取材当時の物です。