北陸エリア屈指の地域密着型ハウスビルダーが
3Dカタログ.comの「ご提案機能」を駆使して確立した
内容が濃く決定の早い独自の提案&打合せ手法
富山県富山市のタカノホームは、北陸エリアを代表するハウスビルダーの一社。この地の気候風土や生活環境に根ざした住まいづくりを基本に、耐震性、快適性、経済性を兼ね備えた高品質住宅を作り続けています。高気密高断熱仕様の標準化や強度な構造躯体の研究開発、品質マネジメントISO9001や環境マネジメント14001取得にも早くから取り組むなど、技術力には定評があります。
そんな同社だけに提案力の強化にも注力。ARCHITRENDシリーズと3Dカタログ.comを駆使し、いち早く3Dプレゼンの取り組みも開始しました。その取り組みの詳細について、同社富山設計課の皆様にお話しを伺います。
ARCHITRENDシリーズの活用による業務改革
- 皆さん富山設計課の課員でらっしゃいますね
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開田氏
ええ。職種はそれぞれ異なりますが、全員が設計部という技術部門に所属しています。私の場合はプランナー兼設計担当。営業担当やコーディネーターと共にお客様から綿密なヒアリングを行って、その内容を元にARCHITREND Modelioを用いてプランニングし提案して、さらにARCHITREND ZEROで設計も行っています。
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平野氏
私はインテリアコーディネーターです。開田の作ったプランを元に、お客様の要望を伺いながら、Modelioと3Dカタログ.com(以下3Dカタログ)を駆使して住まいの内・外装をコーディネート。お客様に提案していきます。
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瀧脇氏
私はCAD専門部隊といいましょうか。ARCHITREND ZEROと3Dカタログのエキスパートとして、プランナーやコーディネーターの技術支援を行っています。基本的には各種の図面作成が主務となりますが、3Dカタログを用いてプレゼンや打合せ用の3Dモデルやパース等を作ることも多いですね。
- トータルに福井コンピュータアーキテクト製品をお使いいただいてるようですね
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瀧脇氏
元々は2000年頃に3次元CADのARCHITRENDを導入し、そこから4~5年かけて現在のこのスタイルによる家づくりを確立していった、と記憶しています。実はそれ以前は2次元CADを使っており、お客様との打合せも図面で行っていたんですよ。ところがお客様から徐々に3Dによる提案を望む声が強まり、ARCHITREND導入に繋がったようです。
- ARCHITRENDを核とする家づくりとなって一番大きな変化は?
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瀧脇氏
作業効率は向上したと思いますが、やることも増えたので……(笑)。実際、仕事の内容が濃くなったというか、ARCHITRENDで作るCADデータ自体とても情報量が多いので、さまざまな図面や書類はもちろん、プレゼン用のパースや3Dモデルなど多彩なビジュアライゼーションの制作、さらには外皮計算等まで、ARCHITRENDデータをさまざまに活用する場面が増えています。実際、当社内でもいろいろな部署で活用が進んでいると思いますね。……こんな風に私たちの業務に大きな変化をもたらした動きとして、最近の例を挙げるなら、昨年から始まった3Dカタログの本格的な活用の開始があります。
3Dカタログの「ご提案機能」を活用した打合せの新手法
- 3Dカタログの導入は昨年だったのですか?
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瀧脇氏
いいえ、実際には3Dカタログの前身にあたるVirtual House.NETの時代から使っていました。ただ、あの当時はあくまでプレゼン用ビジュアル作りのパーツとして、使わせてもらうことが多かったんですよ。雰囲気のある絵が作れれば良いかな、っていう感じで。
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開田氏
そうそう。それらしくできれば何でも良かった……というと少々語弊がありますが(笑)、ビジュアル的な雰囲気に合っていればOKみたいな感じで、取りあえずプレゼン用として使っていましたね。その流れが、3Dカタログの登場によって大きく変わったんです。
- 何かきっかけがあったのでしょうか
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瀧脇氏
きっかけは、3Dカタログ収録のデータ……たとえばサッシのデータ等が、YKKさんなど実際のメーカーの製品にきちんと対応している、と知ったことですね。だったら、どうせ3Dモデルを作るのに使うのだから最初からそのメーカーの製品を選んで入れて、ちゃんと外皮計算まで使えるデータを作らないと勿体ないね!という話になったんです。加えて効率面のメリットも大きかったですね。外皮計算もARCHITREND ZEROでできるなら、そのためにわざわざ別のソフトを入れるなんて非効率でしょう。CADの入力の手間は多少増えても、トータルに見ればだんぜん効率化されるはずだと考えたんです。
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開田氏
実際、3Dカタログになって操作もしやすくなったし、収録部材のラインナップもどんどん充実してきたので、昨年からはこれをさらに活用していこうと弾みが付きましたね。結果、前述した通りプランや内外装のご提案や打合せにも、3Dカタログによる実建材を入れた3Dモデルやビジュアルを幅広く使うようになったわけです。
- プランナーだけでなくコーディネーターもお使いになる?
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平野氏
そうですね。設計部スタッフはほぼ全員使っていると思います。私たちコーディネーターでいえば、たとえば仕様のタイプや色、オプション等を決めていく時など、3Dカタログで実建材の色や形、寸法を手軽に確認しながらコーディネートできるようになったのはもちろん、最近はそのお客様にお勧めしたい仕様を選んでセットした3Dモデルを、3Dカタログサイトへ登録しておくようにしています。そして、それをご自宅でパソコンやスマホを通じてご覧いただき、ある程度イメージを持っていただいた上で展示場にお招きします。そして、展示場ではサンプル(実物)で実際の色味など確認してもらいながら打合せを進めていくわけです。
- Bプランの「ご提案機能(カラーコーディネート機能)※」を ご利用いただいているのですね
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平野氏
そうなんですか?あまり名称など意識せずに日常的に使っているもので(笑)。とにかくこの機能を使うと事前にイメージを掴んでいただけるので、打合せ自体も非常にスムーズかつスピーディに進みますね。もちろん、ご自身も自宅で手軽に仕様を確認し、いろいろ色を変えてみたり、さまざまな角度から見てみるなど、楽しんでお使いいただいてるようですよ。もちろん私たちも、お客様の所に外出する時はタブレット端末を持っていくので、同じように3Dモデルをクルクル回して色や形をチェックしていただき、内観も見ていただくようにしています。3Dカタログなら、スマホやタブレット端末で3Dを扱ってもけっこう軽快に動かせますからね。
内容の濃い打合せとスピーディな結論
- この一年で3Dカタログの活用が急速に拡大しましたね
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開田氏
まあ、「ご提案機能」にしても、現状ではまだ、全てのお客様に対して使えているわけではありません。たとえば高齢のお客様など、スマホを使ってWEB経由で確認というのは難しいですからね。そういった場合は従来通り展示場や営業所にお招きして、大型モニタで3Dモデルをご覧に入れるケースも多いんです。ただ、やはり3Dカタログを用いて事前にご検討いただくと、非常に熱心に見ていただけるのはもちろん、面白いように変えてこられる方が多くて……「壁紙をこんな感じにしたんですが、いいですか?」とか、逆に提案されてしまうほどです。ご提案した3Dモデルのいろんな箇所を隅々までとても丁寧に熱心に検討し、かっちりイメージしてくださるんですね。だからいちいち最初から説明する必要もなく、すぐ内容の濃い打合せに進めるのでしょう。
- 今後はそうした打合せスタイルが増えていくのでしょうか?
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開田氏
そうですね。特に営業担当からすれば、全てのお客様に3Dデジタルで提案したい思いがあるんじゃないでしょうか。もちろん私たちも、打合せの内容が濃くなるし決定もスピードアップするわけですから、そうなっていくだろうとは思います。ただ、そうなると技術部の、特に瀧脇さんたちのキャパシティが心配です。現状、技術部全体で月に30棟程度を動かしており、それを全部となるとなかなか大変なボリュームです。社内的な調整も必要になってくるでしょうね。
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平野氏
このやり方で進めていくと、本当にお客様と一緒になっていろいろと考えながら決めていける……という手応えがあって、わたし自身もすごく楽しいんです。もちろんお客様にも満足していただけるし、顧客満足という点で効果はとても大きいと感じています。できるだけ増やしていきたいですね。
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瀧脇氏
まあ、私たちが本格的に3Dカタログの活用に取り組み始めてようやく1年が経ったところです。ARCHITREND ZEROにせよ3Dカタログにせよ、まだまだ十分使いこなせているとは言えないでしょう。もっともっと使いこなしてノウハウを身に付け、私たちなりにさらなる効率アップに取り組んでいこうと考えています。