CAD未経験の新人デザイナーが『魔法のリノベ』を見て急成長!使用経験半年で高品質なパースを制作
愛知県豊田市のHOME CREATIONSは、設備機器リフォーム会社の老舗・桶源住興を母体とするリノベーション&外壁塗装の専門企業。設立5年の若い会社ながら、お客様に寄り添う姿勢とARCHITREND ZEROを駆使した提案力に定評があり、入社間もない若手デザイナーが作るパースの質の高さと共に話題を呼んでいる。そんな同社の梅村望氏と須賀彩乃氏にお話を伺った。
設立2年目にARCHITREND ZEROを導入
- 御社のリノベ会社としての強みは?
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梅村氏
設立5年の若い会社ですが、母体である桶源住興は豊田市で百年余の歴史を持つ老舗企業。その長年の実績を基盤として活かしているのが大きな強みです。また、当社が得意とするUKスタイルやNYスタイルのモデルルームを兼ねた、デザイン性の高い店舗も重要な武器の一つ。タイル等の商材も豊富に使用し、打ち合せに来られたお客様に仕上りを具体的にイメージしていただけると思います。
- 業界状況をどのように捉えていますか
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梅村氏
リフォームもリノベーションも成長分野と言えますが、だからこそ近年は競合企業の参入も増えており、ますます他社差別化が重要になってきました。当社のカラーを広く打ち出し「選ばれる会社」になる必要がありますね。まだ模索中ですが、ワークショップやマルシェを開催したりSNSを通じ情報発信を行うなど、ファン作りを進めています。
- 家作りそのものに関わる取り組みは?
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梅村氏
さまざまなことに取り組んできましたが、設立2年目に導入したARCHITREND ZERO(以下ZERO)の活用もその一つです。実は設立当初はCAD自体使っていませんでしたが、母体企業がZEROユーザーで、そちらからいろいろ話を聞いていたのです。特にZEROを用いたカラーシミュレーションやパースを用いたプラン提案は、お客様に「リフォーム後の暮らし」を明確にイメージしていただくことができ、実際に契約にも繋がりやすくなると聞いていました。そこで、弊社もZEROを活用して、どんどん契約に繋げていきたいと考え導入を決めました!
- ZEROの導入は順調に進みましたか?
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梅村氏
はい。順調だったんですが、昨年、ずっとZEROの操作を担当していた方が退社することになった時は大ピンチでした。急ぎで熟練者を採用することは難しく、迷ったあげく「彼女ならできる!」と思って声をかけたのが、当時SNSの運用担当として採用し、入社したばかりだった須賀さんだったのです。
CAD未経験の新人が半年でパースの達人へ
- 須賀さんはコンピュータ経験が?
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須賀氏
実はほとんど無かったんです。前職はIT企業勤務でしたが、営業職だったので使うソフトはWordやExcel程度。CADや3Dソフトなんて触れたこともありませんでした。だから声をかけられた時は「えーっ!?」って(笑)。とにかく何をどうすれば良いか見当もつかず、どんな勉強をすれば良いかも分からなくて……もう本当にパニックでした。
- それでも断らなかったんですね?
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須賀氏
はい。建築を専門的に学んだことはありませんでしたが、もともとインテリアや家具を見ることが好きで……。住まいのリノベーションやリフォームの仕事も純粋に楽しそうに感じたのです。で、SNS運用の合間を縫ってZEROに触れ、手探りで操作を身に付けていきました。1カ月後に初めてリノベーション案件のパースを任され、1週間かけて仕上げました。いま見ると「ただの箱」レベルですが、社長から「お客様も良い感じって言ってたよ」と聞き「やったー!」と(笑)。
- 約半年後となる現状はいかがですか
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須賀氏
まだまだ初心者です。現在もSNS運用の傍ら勉強しながら取り組んでいる状況です。リノベ・リフォーム案件がちょこちょこ入ってくるので、ZEROとV-styleを使ってパースを作ったり、リフォームパレットを使って外壁塗装や屋根塗装のフォトシミュレーションを行ったりしています。SNSの運用に比べると大変ですが、それだけに面白く、楽しいと感じています。お客様のご要望にお応えしながらですが、自分が思うインテリアを作りあげていく楽しさは、やはり格別ですね。
- パース作品を拝見しましたが初心者とは思えません。どうやって腕を磨いたのですか
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須賀氏
ありがとうございます。とにかく全く経験のない分野だったので、まず「ZEROとはどういうものか」を知る所から始めました。YouTubeにあった簡単操作法の映像を流し見して基本を学び、その上で少しずつ「部屋を入れる」「建具を入れる」という流れで、できることを少しずつ増やしていきました。
- 半年でこれほどのスキルアップを……?
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須賀氏
そうですね、一つの大きな転機となったのはTVドラマ『魔法のリノベ』(※)です。
※ 2022年7~9月にカンテレ・フジテレビ系で放映された、住宅リノベーションの世界を描いた連続ドラマ。作中に登場するCAD コンテンツを福井コンピュータアーキテクトが担当
『魔法のリノベ』に魅せられて
- ご覧いただいたのですね?
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須賀氏
リノベが題材のドラマ、それも劇中でZEROを使用と聞いて絶対見なきゃ!と、1回目から録画して見ました。ドラマとしてとても面白いし、リノベに関わる展開がすごく勉強になったんです。特に劇中登場するさまざまなリノベプランには「そういう見方を!」「あんな考え方を!」と驚かされましたし、それぞれの見せ方もとても参考になります。
- ドラマを見て勉強していた?
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須賀氏
はい。実際、ドラマは録画したものを見直して何10頁もノートを取りましたし、参考になるパース等が出てきたら一時停止して写真を撮り、福井コンピュータアーキテクト(以下FCA)の方に「これはどうやって作るのですか?」と伺いました。もちろん、FCAのWebサイトの『魔法のリノベ』特設サイトも全部見てメモを取ったりしていますよ。
- すごい情熱ですね!
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須賀氏
とにかくどんな案件が来ても焦らず、自信を持って作れるようになりたいんです。特に私はちょっと完璧主義の所があって。どんなパースでも、提出する以上恥ずかしくないものを、と心掛けています。
- 実務への影響、効果は現れてますか
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須賀氏
V-styleを使うようになったのもドラマがきっかけ。ツヤなど、よりリアルな見せ方ができるようになりました。お客様に「思っていたのと違う」なんて言われないよう、実際の仕上りと差が無いリアルなパース作りを心がけているので、本当に勉強になります。
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梅村氏
そう言えば、ドラマを見てすぐ「お客様にこういう見せ方を!」と提案してくれました。とにかく資料類のクオリティはお客様のプラン選定に大きく関わるので、ZEROには本当に助けられていると実感します。
- 実際に契約に結びつくような効果も?
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梅村氏
ええ、大きな案件ほどパースの有無で契約率が全然違ってきます。中でもリノベでは絶対に必要なツールですね。いま進めている大型案件も、当初は強力なライバルがいましたが契約に繋げられました。これは須賀のパースの力も大きかったと思っています。
- 須賀さんの今後の目標は?
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須賀氏
さらにクオリティを上げて、FCAで開催予定の「リノベーションコンテスト」にも応募したいし、これまであまり経験が無いエクステリアにも挑戦したい。そこでも世に出して恥ずかしくない作品を作りたいですね。
取材:2022年10月