営業と設計の業務を完全に切り分け 設計がModelio で施主とプラン作り 独自の戦略により着実に成長中

明石市に本社を置く関西住宅販売は兵庫から大阪北摂のエリアで成長を続ける住宅メーカー。高度な営業力と質の高い家づくりを両立させた独自の展開で大きな注目を集めている。そんな同社の家づくりの核にあるのがARCHITREND Modelio とARCHITREND ZERO だ。他社とはひと味違うその活用法の詳細について、設計部の皆様にお話を伺った。
営業・設計の業務切り分けを徹底
貴社の住宅メーカーとしての特徴は?
藤本氏 ●基本は分譲形式を主体とした営業スタイルが一番の特徴です。家を建てたい土地を選んでいただき、土地付き建物契約を結んだうえでプラン作りをしていくという販売方式です。
これに加えて、お客様が所有されている土地に当社の住宅を建てさせていただく純注文住宅やリフォームなど、お客様のご要望に応じて幅広く対応しています。また、家づくりについては自由設計の注文住宅が基本で、構造面や住宅性能も優れた高品質な住宅を提供しています。
会社の成長の一番の原動力は何でしょう?
久保田氏 ●営業と設計スタッフの業務をきっちり切り分け、各自がそれぞれの業務に集中することで作業効率と優れた品質を実現していることです。たとえば営業担当の場合、お客様の契約のご意思を確認し土地を決めていただいて契約を結んだ時点で、営業のミッションは基本的には完了します。以降は設計スタッフがその案件を引き継ぎ、お客様対応を行います。その結果、営業の手離れが良くなり、営業スタッフは次々と新しいお客様への対応をすることができるのです。

(右から)藤本哲男氏、 北谷翼氏 、久保田勝也氏、 池田宅麻氏
設計も早くからお客様に接触しますね?
池田氏 ●そうですね。つまり、設計スタッフは、早い段階から営業を介さずに直接お客様とのプラン打合せを行えるわけです。そもそもお客様との間に営業等が入ると聞き間違いや伝え間違い、勘違いなどのミスが起こり得ますし、「いったん持ち帰って」という時間的なロスも小さくありません。そこで家づくりのプロである設計が早くからダイレクトに接することでお客様のご要望をもれなく把握し、的確にプランに反映させていくわけです。これも当社の家づくりの強みの一つと言えますね。
お客様との打合せ自体にも何か工夫が?
池田氏 ●はい。打合せは基本的にお客様に弊社の事務所へ来ていただき、大型モニタを置いた部屋で行います。そして、その場で重要な役割を果たしているのがARCHITRENDModelio(以下 Modelio)なのです。
施主と共にModelioでプランを作る
打合せでのModelioの重要な役割とは?
池田氏 ●最初の打合せでは、営業から伝えられた最低限の情報をもとに、ある程度事前にまとめておいたプランをご覧いただきます。それこそ実際にModelioが動いている画面を見ていただくわけですね。……設計スタッフはそのままModelioを操作して、お客様からいただく要望をどんどんその場でプランに反映させていき、Modelioの3Dイメージで確認いただきます。つまり、お客様の「生の声」をダイレクトに反映させながらプランを詰めていくわけで……こんなスタイルで打合せできるのもModelioだからこそ!と言えますね。

施工例(内観2)
その後の設計はどのように進むのですか?
池田氏 ●お客様にもよりますが、このようなModelioベースの打合せを5回前後重ねてお客様の要望が出尽くし納得いただいて、プランが固まったら次のステップへ進みます。その後は確認申請用の図面作成です。Modelioデータを同じ設計課の申請図面作成チームに引き継ぎ、確認申請用の図面を作ってもらうという流れになります。もちろん申請図の作成チームが使うのはModelioと同じ福井コンピュータアーキテクトのARCHITREND ZERO(以下ZERO)なのでデータ連携も万全です。
お客様の要望がModelio によって初めて3D で具体的な形となった時 お客様からは「おお!」という素晴らしいリアクションがいただけます
Modelioベースで行う打合せの効果は?
久保田氏 ●やはり2D図面でなく3Dでお見せできることに、圧倒的なメリットがあると感じています。とにかく施主様の反応がぜんぜん違います。ひと目で「おお!」という素晴らしいリアクションをいただけます。ご自身の要望がModelioにより初めて3Dで具体的な形となり、それを自身の目で見る感動があります。しかも、要望を言えばすぐ反映される。色も窓の位置も自由に変えられ、その変更もその場で確認できます。図面だったら変更も「図面を直しました」で終わりですが、Modelioならその場で変更後の姿を見られるわけで、お客様にとって大きなメリットです。
プランがスピーディに仕上がる?
久保田氏 ●それはお客様次第ですね。細部まで確認できる分いろいろ試したくなる方も多いので早く仕上がるとは限りませんが、要望が深い部分まで実現できるので、完成したプランへのお客様の満足度は非常に高いと感じています。
いつか関西住宅流のModelioも
プランニングで気をつけていることは?
池田氏 ●お客様が建てたい家のイメージやご希望は、人それぞれで異なっているのが当たり前です。だからこそ「そのお客様が一番大事にしていること」を確実に捉えて「それをいかにして実現してあげられるか?」を考えながら、打ち合わせに臨むようにしています。もちろんお客様の要望であっても、法律面や構造面の問題があって実現できない場合もありますし、土地ありきの仕事だけにその土地に合う・合わないの問題も出てきます。そういったお客様が気づきにくい部分まできちんとカバーしながら、お客様の要望の実現を目指すことが重要です。その意味でも採光チェックや換気チェックの機能まで備えたModelioは、私にとって非常に重要な相棒なのです。

打合せ風景
現状の設計部門の体制は?
久保田氏 ●お客様と共にプランを立てるプランナーが15名と申請図面作成の担当チームも15名くらい。他にカラーコーディネイター等もいます。この体制で年間600棟余りの住宅を手掛けておりますので、Modelioをどう活用し効率を高めていくかは重要な課題になります。
北谷さんはまだ研修中だそうですね
北谷氏 ●はい。特に私の場合、学生時代は建築設計の勉強は全くしてなかったので、入社してから学び始めました。そんな私にとってもModelioは非常に優しいというか、すごく理解しやすいツールなのです。もちろん先輩たちに指導されながらですが、自分でModelioを使って仕上がりの3Dを確認しながら学んでいけるので、分かりやすく学びやすいんですね。施主様にアピールできるのも納得です。
福井製品への期待をお聞かせください
藤本氏 ●ModelioとZEROに関しては、実は現状でかなり満足しています。実際、当社流のスタイルで営業~プランニング~設計~確認申請までスムーズに連携できている製品群として、これ以上のものは他には見あたりませんから。ただ、たとえば営業マンでなく設計者がModelioを使うという「KANJUならではの使い方」は、福井コンピュータアーキテクトが想定したそれとはちょっとギャップがあると思っています。だから贅沢を言わせてもらえば、福井コンピュータアーキテクトには、私たちのようなイレギュラーな使い方をするユーザーも深く理解して、当社流の使い方に合わせたModelioやZEROも作ってもらえたら……最高ですね。



