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筑後・佐賀エリア屈指の工務店が新コンピュータ環境+ARCHITREND ONEでより高度な家づくり体制へ進化を開始

福岡県久留米市の駅前工務店は、筑後・佐賀エリアに展開する地域密着型の工務店である。戸建て分譲住宅を中心に注文住宅や店舗など、ARCHITREND ZEROを活用し高効率で質の高い家づくりを実現している。同社ではより高度な家づくり体制を目指し、近年コンピュータ環境を一新。さらにARCHITREND ONEを導入した。その導入背景と活用計画について設計課のお二人に伺った。

左:升田稜太郎氏 右:平木佳子氏

左:升田稜太郎氏 右:平木佳子氏

工夫を凝らした平屋の建売り住宅

目にも耳にも馴染みやすい社名ですね?

平木氏●ありがとうございます。筑後・佐賀エリアにお住いなら、駅のそばでこの名を見たことがあるかもしれません。でも、それはたぶん「駅前不動産」のお店です。駅前工務店はその駅前不動産グループの一社で、グループの建築部門の会社として生まれました。駅前不動産の店は幾つもありますが、駅前工務店はこの本社だけです。展開フィールドは久留米を中心とする筑後近辺と佐賀市地区。さらに熊本北部の荒尾市にも進出しています。

家づくりは戸建て住宅が中心ですか?

平木氏●はい、木造一戸建て住宅が中心です。一番多いのは分譲住宅ですが、その分譲住宅をご覧になったお客様等から依頼されて注文住宅を造ることも珍しくありません。他に2階建てのアパートや事務所、店舗などの商業建築も開発しています。年によって異なりますが、年間供給棟数は70~80棟になります。

御社の家づくりの特徴を教えてください

平木氏●近年、地域のトレンドとして「平屋」人気があるんですが、実は当社は早くから「建売り住宅で平屋の家を!」と言い出した会社です。今では「駅前工務店といえば平屋」と言われる程で、実際、全体の半分くらいは平屋の家となっています。もちろん、どうしても平屋プランがマッチしない場所もありますが、その時は2階建ての寝室を1階に作るなど建売りとして特色を持たせています。

なぜ平屋に着目したのですか?

平木氏●近年のトレンドとして「玄関に入ったらすぐ何でもやりたい」というお客様が多く、これに応えた間取りが人気なのです。たとえば玄関へ入ったらすぐにトイレや洗面、お風呂に行けたり、そのまま寝室へも行けるような。しかも忙しい方が多いので、それをなるべく平屋で完結させたい気持ちが強いようです。ただ敷地自体は従来とあまり変わらず60~70坪なのでかなり工夫が必要です。広く見えるリビングの取り方や畳コーナーなど、遊びスペースを付随させるようにしています。

久留米市 A氏邸(リビング)

久留米市 A氏邸(リビング)

ピンチを救ってくれたARCHITREND ONE

建売住宅なのに面白い試みが多いですね?

平木氏●当社の社長が住宅に「楽しいワクワクしたもの」を加えることをすごく重視しているのです。最近もたとえば囲ったプライベートな庭で楽しめるサウナや、BBQもできる大きめのルーフバルコニー、余った三角形の土地に作るドッグランなどを実現しています。

楽しそうだけど設計は大変そうです

平木氏●設計課はずっと少数精鋭でやっていたので、設計作業も徹底した効率化が必要でした。その意味でARCHITREND ZERO(以下ZERO)には本当に助けられたと言いますか……。特に昨年4月は建築基準法の改正もあったので、もしZEROが無かったら困ったことになったかもしれません。特に構造関係は当社では適合判定でなく仕様規定で行うので、2025バージョンのZEROには本当に助けられました。それでも昨年の設計課は、この法改正対応に加えて新たなコンピュータ環境への対応という大仕事もあって、正直、危機的状況でした。このピンチを救ったのがARCHITREND ONE(以下ONE)です。

新たなコンピュータ環境への対応とは

平木氏●弊社が属する駅前不動産グループは、2019年に東証プライム上場企業のリログループの傘下に入りました。これによりコンピュータ環境もグループのそれに合わせて大改革を迫られたのです。特にセキュリティは非常に厳しくなり、それまでZEROデータの保存・管理に使っていた外部のNASもNGを出されてしまいました。しかし、そうなるとここ10年分の設計データまで失われてしまうわけで、さすがにまずいと。そこでこのデータをリログループのクラウドに移すべく、スタッフが皆で入力していきました。大変な手間でしたが、結局これも上手く機能してくれなくて……そんなてんやわんやの真っ最中に教えてもらったのがONEだったのです。

すごいタイミングでしたね

平木氏●我々にすれば本当に突然「救世主が出現した」って感じで……リリースと同時に契約・導入しました。そして、過去のデータはそのままに、とりあえずいま使っている分の物件データ約890棟分を入れ直して、昨年からONEによる新体制をスタートしています。

久留米市 A氏邸(外観・夜)

久留米市 A氏邸(外観・夜)

データをONEに預けて管理できる安心感

現在は誰がどんな形で使っていますか?

平木氏●いまは設計担当とインテリア・コーディネーターが日常的に使用しています。当社ではファーストプランからZEROをフルに使っているので、ONEについてもこれまで蓄積した過去データの参照から進行中の物件データの共有、管理など活用機会は豊富です。ただ、これはまだ第一段階。さらなる活用を目指しさまざまな試行を進めている段階です。

どのような活用を考えておられますか?

平木氏●ONEって要はクラウドなので、たとえばスマホにもアプリを入れておけば何処でも……外出先でも即座に物件情報が見られます。たとえば営業は基本的にZEROを使いませんが、ONEのアカウントを持ってもらえば出先でもZEROのプランや図面を見られるわけです。それをダウンロードして印刷もできるし、パースモニタでくるくる回してお客様にお見せすることも可能になりますね。

営業現場で具体的にどんな活用シーンが?

平木氏●進行状況を素早く確認できるのはもちろん、営業現場でも幅広く使えそうですよ。建売りも契約前なら見学できるので営業はよくお客様をご案内するんですが、その時必要に応じ図面をお見せできますし「近所にこんな物件もあります」とご案内することも可能。使いこなせばすごく便利ですよ。同様に施工現場でも、たとえば図面では分かり難い所などもパース等を見せて理解してもらえますね。

小郡市大崎1号棟(ダイニング)

小郡市大崎1号棟(ダイニング)

ONE導入以前は営業や施工担当から図面を求められた場合、どんな風に対応を?

平木氏●設計がその都度対応していました。相手の希望する拡張子に合わせてJWWやPDFに変換して送るのです。JWWは確認申請を外注する時など土地家屋調査士さんから求められます。特に注文住宅など延々と図面変更を繰り返し、都度PDF化しますから……。

升田氏●最終図面まで到達しても修正が入ればまた最新版が必要になるし、おそらく数え切れないくらい変換し直してやり取りしています。その都度、手は止まっていたわけだし、目に見えないロスは結構あったでしょうね。

そのあたりも大いに効率化できそうです

平木氏●もちろん日々便利さは感じていますが、省力化・効率化は活用範囲が広がっていくこれからが本番だと思っています。ただ、何より大切なデータをONEにしっかり預けて管理できる、という安心感がとても大きくて……これは日々強く実感していますよ!

ARCHITREND ONEによる作業風景

ARCHITREND ONEによる作業風景

取材:2025年12月