いつでも・どこでも・どのパソコンでも。ARCHITREND ZERO が使えなくてもそのデータが見られる& 使える世界へ
株式会社安成工務店は、住宅の設計・施工を中心に幅広い建築事業を展開する総合建設会社である。特に住宅事業では、ARCHITREND ZERO とARCHITREND Modelio を活かした設計施工一貫体制により年間70 棟余を供給している。同社では最近「ARCHITREND ONE」の導入を開始した。その狙いと今後の展開について設計部の村中部長と上田氏に伺った。

左:村中 良 氏 右:上田 彩 氏
ARCHITRENDを核に設計・施工一貫体制
創業時は大工工務店だったのですね?
村中氏●はい。現在では戸建注文住宅を中心に住宅を作る住宅事業部と、それ以外の多様な建築物を扱う建築事業部の2つが主柱となっています。創業以来の伝統を受け継ぐ住宅事業部では、山口県・福岡県をフィールドとする地域密着型の工務店として、お客様が長く住み続けられる「自然素材の家づくり」を目指しています。年間供給棟数は70棟ほどでほぼ全棟が長期優良住宅となっています。
御社の家づくりの特徴は何でしょう?
村中氏●前述の通り当社では「長く住み続けられる」家づくりを標榜しており、高い住宅性能を実現しているだけでなく、長く住み続けても飽きの来ないシンプルなデザインの住宅なのが特徴です。こうした私たちの家づくりを支えているのが、設計・施工一貫体制です。特に企画設計についてはほぼ全てを社内で行っています。実は私たちがいる設計センターの隣にプレカット工場があり自分たちで伏図も作りますし、構造設計も外注せずに自社で許容応力度計算等を行っています。

施工例(糸島モデル 内観)
伏図も社内の設計スタッフが?
村中氏●はい。社内の設計スタッフが描いています。構造伏図は別のソフトで作成し、このデータをARCHITREND ZERO(以下ZERO)で読み込んで構造パースを作成。この構造パースもプレカット工場と共有しています。申請図段階になるとそのままZEROで詳細図まで仕上げるスタッフが多いのですが、Jw_cadにこだわるスタッフもいるので、そこは各人に任せています。ただし、外皮計算のような「手でやると面倒な作業」は全部ZEROにやらせています。

施工例(糸島モデル 外観)
社内各部門の緊密な連携が必要ですね?
村中氏●コアツールのZEROだけでなく、プランニングやプレゼンテーション、打合せ用ツールとしてARCHITREND Modelio(以下Modelio)も使っており、これは各支店のプランナーが中心に使います。近年はこれらのデータ共有と活用が広がる一方で、私たちにとってその効率化は重要課題となっています。
「 こんなに良いシステムがあったんだ!」
データ共有&活用が拡大した背景には 貴社のどのような状況がありますか?
村中氏●それにはまず、当社の設計施工体制を紹介する必要がありますね。当社では山口県に下関、山口宇部、周南の3支店を、同様に福岡で北九州、福岡の2支店を展開しています。当社ではこの5支店に設計スタッフを置き、設計・施工から契約に至る一連の業務を各拠点で行っています。しかし、上記以降のたとえば外皮計算、構造計算等の作業は設計センターに集約しています。つまり、各支店の作業を私たちが一手に引き受けており、結果、各拠点が進行中の物件のModelioやZEROデータが全てここに集まってくるわけです。私たちはこれらのデータを日々繰り返し参照し、修正し、確認するわけで、各支店間とのデータ共有の重要性が拡大していったのは当然でした。……今回、発売直後だったARCHITREND ONE(以下ONE)を当社が導入した理由もここにあります。
ONE以前はどのようにデータ共有を?
村中氏●各支店でZEROのデータをエクスポートしたものを共有フォルダに入れてもらい、それをこちらで読み込んで……みたいなやり方ですね。変更が発生するとその都度この手順をやり直すしかない。あとエクスポートもちゃんと全部出てなかったりして……。
上田氏●データの内容はエクスポートする側が選びますが、こちらが必要とする情報が選ばれてないと結局入れ直してもらうことになってしまうんです。こうした5支店とのやりとりは構造図作成・許容応力度計算、申請からプレカット加工完了まで続くことも多く、時期によってまちまちですが、10棟余の物件を並行して動かすこともあります。毎日のことなので、度々だとどうしてもまどろっこしく感じてしまう時もあります。
村中氏●そんな時にデータ共有に手間取ると手が停まってしまうし「時間を無駄にしてるな」とか「面倒だ」という思いがありました。だからONEを知った時は皆で「こんなに良いシステムがあったんだ!」と(笑)。だって、PCでONEを開くともうそこに欲しいZEROの図面が有る。どんなPCでも、ZEROが入ってないPCでも「そこにある」のです。こんなに楽なことはありませんよ。

進行中のプランを ARCHITREND ONEで開く
「使いなさい」と広めて歩きたい!
最初は体験版をお試しいただいた?
上田氏●ええ。2025年の2~3月頃、まず体験版を活用させてもらいました。その時はこの設計センターの数人に「ちょっと使ってみて」って話したんです。すると、もうすぐに「良いです!」「使いやすい!」って反応が返って来て、これは使えるなと思い契約しました。
村中氏●やっぱり、前述したようにどのパソコンでも「開けばそこに欲しいデータがある」ということの便利さですよね。必要になるたびいちいち「共有ファイルを見に行って」「フォルダーを探して」という作業が無いというのは本当に楽ですからね。
他支店についてはいかがでしたか?
村中氏●各支店のメンバーもすごく喜んでましたよ。福岡支店等も支店内でのデータのやりとりがけっこうあるのです。例えば支店内に何人か設計がいますよね。 で、設計担当のAさんから同僚のBさんに「ここはどう思う?」とか「これちょっとチェックして」とか言って、AさんからBさんへデータを渡すことを日常的にやっているので、そういう日々の作業が「とても楽になった」と聞きました。
上田氏●いろいろな活用場面があるんですよ。プラン設計がそのまま契約後の打ち合わせに入ることもあれば、プラン設計をそこでもう終えて次の実施設計の担当の人にデータが行く場合もある。それぞれの場面でデータの移管等が簡単ということも大きいと思います。
社内の普及を後押ししたのは何でしょう?
村中氏●ONE自体の進化が大きかったですね。特に当初共有できるのはZEROデータだけでしたが、最近Modelio連携が実現して使い道が一気に広がりました。前述の通りModelioは設計者に加え各支店のプランナーもこれでプレゼンしていますし、そのデータがONEに入ればさらに営業マンだっていつでも見られるわけで……。まあ、これは将来像ってことになりますが。

ARCHITREND ModelioとV-styleで作成した糸島モデル外観
その「将来像」をもっとお聞かせください
村中氏●設計も他支店へ打合せに行くんですよ。すると出先のパソコンでプレゼンするわけで、他所のパソコンで使いたいデータが即座に出せたら何かと楽ですよね。またZEROが使えない営業も、ONEで3Dやパースを扱えたら強力な武器になるはず。それを実現するためにも、僕がもっと試してより良い使い方を掴めたら皆に広めて歩きますよ。「使いなさい!」って(笑)。
取材:2025年12月


