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年間1,000 棟超を首都圏全域に供給する住まいの総合プロデュース企業が現場Plus の導入で現場DX化を加速

神奈川県相模原市の住宅情報館は、首都圏全域に展開する住まいの総合プロデュース企業。住宅設計・施工から入居後のアフターサービスまで、独自の直営システムで毎年1,000~ 1,200棟余の木造注文住宅を供給している。高品質な家づくりに定評のある同社だが、その施工現場に新たに現場Plusを導入。より質の高い家づくりを進めている。取組みの詳細について建築部の2氏に伺った。

家づくりに関わる全てをワンストップで

まずは貴社をご紹介ください

平澤氏●首都圏をフィールドに社名と同じ店舗を展開し、来店いただいたお客様へ不動産仲介を行っています。マンションや新築建売住宅、中古戸建て住宅等々の不動産取引ですね。加えて注文住宅が欲しいというお客様に対しては注文住宅をご提案し、設計・施工からアフターフォローまで直営でサービスをご提供しています。こうした注文住宅の供給戸数は年間で1,000~1,200棟ほどになります。

貴社の注文住宅のお客様はどのような?

平澤氏●戸建て住宅をお求めの方のニーズもさまざまです。たとえば価格重視でお求めのお客様もおられるし、より上位クラスのグレードの高い注文住宅を求める方もおられます。前者のお客様に対しては、たとえば建売分譲住宅等のローコスト住宅が適しているでしょうし、後者なら大手ハウスメーカーのハイクラスの注文住宅があります。当社はそんな両者の中間層……建売り分譲住宅ではちょっと物足りないけれど、大手ハウスメーカーのブランド住宅までは手が届かないという中間層のお客様を主要なターゲットにしています。

住宅商品としてはどのような特徴が?

平澤氏●国産ヒノキ材を用いた自由設計の住宅を、耐久性の高い仕様で高品質に仕上げることを重視しています。ブランドは、最高グレードの「檜物語」、スタイリッシュなデザイナーハウスの「QUAD」、そして施主ご自身が選んで組み合わせ4ステップで建てる「totonoie」の3シリーズを展開しています。

貴社の家づくりの特徴をご紹介ください

平澤氏●前述の通り当社では不動産仲介業を行っており、営業マンも不動産分野に強いのが特徴です。この営業マンがお客さまのニーズに応えて建物を計画し提案し、これを設計士が設計します。つまり、住宅情報館のお店へ行けば、家づくりの全てを一カ所で、一人の営業マンが中心となって、ワンストップで行えるわけです。この点がハウスメーカーとの違いであり、当社の最大の強みでしょう。

施工事例「檜物語」

施工事例「檜物語」

工程管理電子化を目指し現場Plus導入へ

建築部建築課はどのような部署ですか?

平澤氏●施工部隊の所属する部署です。つまり、この建築課が置かれた拠点には施工部隊もいるというわけです。ただ、私たち自身は本社部門なので施工に直接携わることはありません。私たちが担うのは、施工部隊が使う機器・システムの整備や予算管理、また会社全体の建築部に関わる施策の構築等ですね。

近年取り組んでおられる一番の課題は?

平澤氏●やはり現場DX化で、実際の取り組みは2020年頃、図面のやり取りにおけるペーパーレス化の延長線上から始まりました。その翌年には施工管理システムを導入。システム内に各現場を作り、会社側だけでなく監督や業者さんもユーザーに入れて、このユーザー間で図面や各種デーをやり取りし始めていました。実は当初、導入したのは他社のシステムだったのですが… 2023年に急遽、現場Plusへの乗り換えが決まったのです。

乗り換えがこの時になった理由は?

平澤氏●この年は当社のDX化のテーマがペーパーレス化から工程管理の電子化へ、一段階ステップアップしようと動き始めたタイミングです。もちろん当社基幹システムにも工程の項目はありましたが、このシステムの工程表では現場が最低限のデータしか入れずに済む仕様だったため、現場工程全体の流れが表から見えにくいという問題がありました。そこで、工程表の作りを「現場で直接入れる」ような形に転換しようと考えたわけです。

吉﨑氏●もともと当社の基幹システムに監督が直接触ることはなく、実際には各拠点の事務スタッフや監督の所属長が、監督から聞き取った情報を入れる流れが中心でした。だから「各現場の監督が現場から直接入れるようにできたら良い」という思いもありましたね。

なぜ現場Plusが選ばれたのですか?

平澤氏●一番の理由はコスト。年間1,000棟超の家を建てる当社では業者数も非常に多く、その全てにこうしたシステムを使わせるには何千ものユーザー数が必要で、どうしても費用が膨らみます。現場Plusならそのコストを抑えられたわけですね。しかも、現場Plusは、前述した私たちの工程電子化の流れに非常にフィットする機能を備えていました。

施工現場の様子(上棟)

施工現場の様子(上棟)

現機能をより使いやすく、手間を減らす

流れにフィットした現場Plusの機能とは?

平澤氏●もちろん監督が現場から入れられる充実した工程表が前提ですが、たとえば「チェックシート」がそうです。現場Plusでは工程ごとにチェック項目を設定しチェックや写真添付を義務付けられます。しかも、その結果は工事完了報告書として出力できる。これらがとてもフィットしました。もともと当社の現場では、1工程終わるごとに決まった箇所の写真を撮って管理ソフトに保存するルールがありました。そこでこの写真管理とセットで、工程表のチェックシートを使って業者自身にチェックさせれば、各工程の内容をきちんと工程表に残していけると考えました。

後で追加された機能もあるそうですが?

平澤氏●当社のニーズについてお話するなかで生まれた新機能が「検査機能」です。木造住宅は各段階で住宅検査があります。その各検査ごとに検査項目の中身についてもれなく確認し、記録として残していく機能です。検査の各項目は非常に細かいので、当社の現場ではこの検査機能を使って全項目を一つ一つ確認し、必要に応じ是正し、その結果確認から是正の完了報告。そして最終的な確認までチェックし記録。これにより全項目を漏れなく基準値以上の水準に仕上げています。いわばこの検査機能を活用することで、当社は傑出した高品質を担保しているとも言えますね。

現場での活用シーン<1>

現場での活用シーン<1>

現場での活用シーン<2>

現場での活用シーン<2>

導入効果はどう感じていますか?

平澤氏●本稼働開始から4カ月なのでまだ明確な効果は見えて来ませんが… たとえば検査機能に関して言えば、従来、段階を踏んで行う必要があった是正報告等も監督や職人が直接工事管理者に行えるようになりました。もちろんそのやりとりは監督にも知らされますから、監督の手間も管理者側の手間も大きく省けたのは間違いありません。もちろん職人たちもそれは同じでしょう。さらに管理側は個々のそうした進行状況を、たくさんある進行中物件の中から俯瞰的に見られるようになりました。工程管理のさまざまな手間を省く効果は皆にとって非常に高くなっています。 

現場Plusに今後さらに期待したいことは?

平澤氏●私たちとしてはとにかく現場業務を軽くしたいわけです。だから必要なのは、今の機能をより使いやすく、手間を減らしていくこと。たとえばそれぞれの操作を1クリックでも2クリックでも減らすとか……細かいことですが、そういう工夫を期待しています。

取材:2026年1月